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【通貨】為替週間見通し:もみあいか、薄商いのなか日米経済の現状を確認へ


■ドル弱含み、原油安継続や日銀の補完措置に対する失望感で円売り縮小

先週のドル・円は弱含み。原油安を嫌気して14日の欧米市場で一時120円35銭まで下落したが、米連邦公開市場委員会で(FOMC)の会合で9年半ぶりの利上げが決定されたことや2016年に4回の利上げが実施されるとの思惑が広がり、主要通貨に対するドル買いが強まる場面があった。しかしながら、日本銀行が18日に発表した金融緩和の補完策に対する失望感が広がったことや18日のNYダウが大幅続落となったことで、ドルは121円08銭まで反落した。

日本銀行は18日に開いた金融政策決定会合で、来年4月からETFの買い入れ枠で新たに年3000億円の枠を設けることや長期国債買入れの平均残存期間を、7-10年程度から来年は7年-12年程度に延長することを決めた。
市場はこれらの措置を追加緩和と判断し、ドルは一時123円56銭まで急騰したが、日銀の黒田総裁は記者会見で「追加の金融緩和ではない」と述べており、ドルは反落。大規模な追加緩和は当面困難との見方が浮上したこともドル売り・円買いを促す一因となった。取引レンジは120円35銭-123円56銭。

■もみあいか、薄商いのなか日米経済の現状を確認へ

今週のドル・円はもみあいか。欧米投資家の多くはクリスマス休暇に入ることから、外為市場は薄商いとなる見込み。日米の主要経済指標内容を点検し、経済の現状を確認する展開となりそうだ。2016年以降の米利上げペースに懸念が生じれば、ドル売りがやや強まる可能性がある。

ただし、日本経済の減速懸念が高まれば日本銀行による追加金融緩和への思惑が再浮上し、円売りが優勢となる展開もあり得る。経済指標では、米7-9月期実質国内総生産(GDP)確定値(22日)や11月全国消費者物価コア指数(CPI)(25日)などが手掛かりとなりそうだ。

【米7-9月期実質GDP確定値】(22日発表予定)
米7-9月期実質国内総生産(GDP)確定値は、前期比年率+ 2.1%に対し、+1.9%の下方修正が見込まれている。予想を下回った場合は利上げペースに影響を与える可能性があり、ドル売り材料となる。

【11月全国消費者物価コア指数(CPI)】(25日発表予定)
前年比0.0%が市場コンセンサス。10月実績は-0.1%。日銀による2%物価目標の達成は困難な状況になりつつあることから、市場予想を下回った場合は追加緩和への期待が再び高まり、ドル買い・円売りに振れる可能性がある。

《FA》

 提供:フィスコ

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