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【市況】新興市場見通し:短期物色中心で指数もみ合い、IPOはマイネットなど7社


先週の新興市場は日経平均の下落に連れ軟調に推移した。とりわけ日経平均がじり安となり18500円に接近する場面があった15日や、日本銀行・金融政策決定会合の結果発表を受けて日経平均が乱高下した18日には、マザーズ市場でもリスク回避の売りが広がった。時価総額上位の主力銘柄の下落が指数を押し下げたが、材料株・テーマ株物色は依然活発だった。但し、短期物色が中心で値動きの荒さが目立った。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.3%であったのに対して、マザーズ指数は-3.1%、日経ジャスダック平均は-1.2%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で6.4%安となった。一部証券会社による投資評価引き下げが観測され、18日にはマザーズ下落率トップとなった。前週急伸したそーせいグループ<4565>が同9.6%安となったほか、サイバーダイン<7779>も同4.0%安となるなどマザーズ主力銘柄は全般軟調。一方で、フィンテック関連のインフォテリア<3853>、ビリングシステム<3623>、民泊関連のインベスターズクラウド<1435>、デンソー<6902>との資本業務提携を発表したモルフォ<3653>など材料株・テーマ株が大きく上昇した。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同11.4%安となった一方、セプテーニ・HD<4293>が同6.3%高、デジタルガレージ<4819>が同7.8%高と堅調だった。ジャスダックでもインテリジェント ウェイブ<4847>やプロパスト<3236>といったテーマ株の上昇が目立った。IPOでは、ダブルスタンダード<3925>など7社が新規上場したが、このうちダブルスタンダードとミズホメディー<4595>の2社が公開価格の2倍を超える初値を付けた。反面、東証1部上場で公開規模の大きいツバキ・ナカシマ<6464>やフリュー<6238>は落ち着いた初値形成となった。セカンダリーでは旅行情報サイト運営のオープンドア<3926>の上昇が目立っている。

今週の新興市場は、個人投資家の短期物色中心の展開となることが想定される。重要イベントを通過して相場全体としては大きな動きが出にくく、マザーズ指数は200日線近辺でのもみ合いが続くだろう。値動きのあるテーマ株などに物色が向かいやすい。また、今週までIPOラッシュが続くため、新規上場銘柄にも注目が集まるだろう。

足元ではフィンテック、民泊関連銘柄の上昇が目立ち、物色も広がりを見せている。18日にはビットコインへのポイント交換に関する業務提携を発表したリアルワールド<3691>がストップ高となったほか、同様のサービスを提供するGMOメディア<6180>もリリースをきっかけに買われた。こうしたテーマに関連した材料には引き続き注目していきたい。なお、今週は22日にNaITO<7624>、24日にオプトエレクトロニクス<6664>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、マイネット<3928>(21日、マザーズ)、ビジョン<9416>(21日、マザーズ)など7社が新規上場する。なお、25日上場予定だったグラフィコ<4930>は承認取消しが発表された。公開規模で軽量感のあるプロパティエージェント<3464>(22日、ジャスダック)、ソーシャルワイヤー<3929>(24日、マザーズ)には初値買いが向かいやすいとみられる。ソネット・メディア・ネットワークス<6185>(22日、マザーズ)は「ソネット」ブランドで人気を集めている。また、ビジョンは公開規模の大きさが初値の重しとなるが、事業内容への期待は強い。

《FA》

 提供:フィスコ

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