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【市況】米国株式市場見通し:FOMCで利上げに踏み切るか


今週は15~16日に連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。11月の雇用統計が予想を上回ったことから、利上げ実施に踏み切るとの見方が支配的だ。利上げ自体はほぼコンセンサスとなっているものの、声明文やイエレンFRB議長の会見で、2回目以降の利上げやそのペース、方針について具体的な示唆が得られるかどうかが注目点となるだろう。

利上げは金融市場や投資家の間で既に織り込み済みとの見方がある一方で、先週はOPECでの生産目標引き上げをきっかけに原油価格が急落となり、特に南アフリカやブラジルなど資源輸出に依存してきた新興国経済への波及が懸念されている。またハイイールド債に投資する大手ミューチュアル・ファンドの債券ファンドが、ハイイールド債の流動性が著しく低下していることを理由に清算を決定し解約を制限することを発表したが、これも利上げによる間接的な影響と見られている。今週のFOMCで予想通り利上げが実施された場合は、利上げによる影響がどの程度広がるか慎重に見極めたい。

個別企業では運輸大手のフェデックス(16日)、ソフトウェアのオラクル(16日)、レッドハット(17日)、住宅メーカーのレナー(18日)、中古車販売のカーマックス(18日)などの決算発表が予定されている。フェデックスは感謝祭からクリスマスまでの期間の配送量が過去最高になるとの見通しを示しており、足元の原油安で燃料費も軽減されている可能性が高く、好決算が期待できそうだ。また、年末で節税目的での利益や損失確定の為の売買が活発化する時期となることにも注意が必要だ。特に年初来で上昇率・下落率が大きかった銘柄を中心に利益・損失確定が進むだろう。

経済指標では11月消費者物価指数(15日)、12月NAHB住宅市場指数(15日)、11月住宅着工件数・建設許可件数(16日)、11月鉱工業清算・設備稼働率(16日)、11月景気先行指数(17日)などの発表が予定されている。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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