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【市況】国内株式市場見通し:日経平均は節目の2万円への意識が強まる可能性


■郵政グループ3社は予想以上の好人気

先週の日経平均は上昇。郵政グループ3社の予想以上の好人気が投資家のセンチメントを明るくさせるなか、週末には8月21日以来の水準を回復した。週初の日経平均は400円近い下落となった。前週末の米国株安の流れに加えて、中国景気に対する先行き不透明感、祝日を挟むことで様子見姿勢が強い中で、利益確定の流れが強まった。

しかし、祝日明け後は、注目された郵政グループ3社がいずれも公募価格を上回っての順調なスタートとなるなか、センチメントを明るくさせている。特にかんぽ生命保険<7181>などは、新興市場の中小型株並みの値動きをみせていることで、限られた投資資金が明確にシフトしている状況が窺えた。また、決算が本格化する中、村田製<6981>など電子部品株のリバウンドが強まり、指数を押し上げている。日経平均は19000円での底堅さが意識されており、市場全体の先高期待も膨らんでいる。

■米12月利上げ観測強まり円安基調が追い風に

今週は6日の米雇用統計の結果を受けてのスタートとなる。雇用統計については非農業部門雇用者数(は前月比27万1000人増と市場予想の18万5000人増を大幅に上回った。失業率は5%に低下し、2008年4月以来の低水準となった。景気への楽観が強まるなか、12月利上げの方向に連邦準備制度理事会(FRB)を後押しする格好となる。4日の米国市場はイエレンFRB議長が「12月の利上げの可能性は残っている」と発言したことを受けて、円相場は1ドル121円台に乗せていた。雇用統計合評後には1ドル123円台に乗せてきており、円安基調が一段と強まる可能性がある。日経平均は足元でのもち合いレンジを上放れ、週初に26週線が位置する19500円処を捉えてくるようだと、節目の2万円への意識が強まる可能性がある。

■郵政グループ効果でセンチメント改善

また、連日で活況な取引が続いている郵政グループ3社については、さすがに割安感が後退したこともあり、週末には上げ一服となった。しかし、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が、日本郵政<6178>とゆうちょ銀行<7182>の2銘柄を標準指数に採用するため、インデックス採用に伴う需給思惑が根強い。年末にはTOPIXへの組入れが控えているため、押し目買い意欲は強いだろう。資金回転も利いている需給状況であり、利益確定の資金がさらに新興市場の中小型株などへの物色に広がりをみせてくる可能性もある。新たな物色対象を探る動きも活発化しよう。

■メガバンク決算に注目

決算発表については、今週も多くの発表が予定されているが主力処が一巡したため、今後は改めて決算を材料視した物色が強まりやすい。特に今回の決算では決算内容によって株価は大きく反応しやすく明暗が分かれており、嫌気される局面においてはイレギュラー的な価格形成も目立つ。決算が一巡し、市場環境も郵政グループ効果と政策への思惑などによる先高期待により、修正リバウンドが強まる可能性もある。

今週の決算ではメガバンク3行や第一生命<8750>などが予定されている。機関投資家等による郵政グループ取得に向けた資金手当ての流れが重石との見方もされていたこともあり、決算をきっかけに見直しが意識される。

■週末SQで先物主導による変動も意識

経済指標では10日に9月の国際収支、12日に9月の機械受注が発表される。海外では、10日に10月の中国の消費者物価指数、11日に10月の中国の小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資が発表される。12日にEU首脳会議、13日に10月の米小売売上高が発表される。その他、週末は11月のオプションSQが控えている。先物主導による相場変動も意識しておく必要がありそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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