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【市況】新興市場見通し:持ち直す展開か、郵政グループから徐々に資金還流


先週の新興市場は、日経平均が週末にかけて一時19300円に迫る動きを見せるなか、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに下落した。4日に新規上場した日本郵政グループ3社へ投資家の関心が向かい、新興市場では4日から5日にかけて資金流出が続いた。週末に郵政グループの上昇が一服すると、新興市場は買戻し優勢でやや値を戻した。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.0%であったのに対して、マザーズ指数は-2.4%、日経ジャスダック平均は-0.3%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で1.0%高、サイバーダイン<7779>が同0.3%高とマザーズ時価総額上位はしっかり。ただ、FFRI<3692>が同11.1%安、ジグソー<3914>が同11.3%安と売買代金上位の一角が値を崩した。その他マザーズ銘柄では、引き続きゲーム開発を手掛かりにブランジスタ<6176>が人気だったほか、今期の大幅増益見通しを受けてフリークアウト<6094>に物色が向かった。反面、アクセルマーク<3624>、メタップス<6172>、UMNファーマ<4585>などの下げが目立った。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同3.3%安、デジタルガレージ<4819>が同2.7%安、夢真HD<2362>が同5.7%安と軟調だった。一方、今期業績予想の上方修正と増配を発表したノジマ<7419>は同12.7%高と大きく上昇した。その他では、イメージ ワン<2667>、白青舎<9736>などが買われたものの、アイセイ薬局<3170>、データ・アプリケーション<3848>などが売られた。注目された郵政グループの上場は、3社とも公開価格を上回る初値を付け、その後も5日にかけて大きく上昇するなど好調な滑り出しとなった。特に、需給面のタイト感からかんぽ生命保険<7181>に物色が向かった。ただ、短期的な過熱感が強まり、週末には利益確定売りが優勢となった。

今週の新興市場は、持ち直しへと向かいそうだ。前週末6日はマザーズ指数が前日比1.1%上昇したものの、売買代金は700億円台にとどまっており、郵政グループに向かっていた資金の本格的な還流はこれからだと考えられる。パッシブファンドの資金流入等が期待される郵政グループには引き続き投資家の関心が向かいそうだが、利益確定した資金の一部は値ごろ感の強まっている新興市場へと徐々に回帰するだろう。

ただ、前週末に決算発表したミクシィが指数の重しとなる可能性がある。上期(4-9月)は大幅な増収増益で着地したが、7-9月期で見ると前四半期比で減収減益となり、市場予想も下回った。株価は直近で緩やかにリバウンドしていたが、今週は売り先行でのスタートが想定される。今週は9日にクルーズ、イメージ ワン、10日にペプチドリーム<4587>、ダブル・スコープ<6619>、11日に日本マクドナルドHD<2702>、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>、12日にFFRI、そーせいグループ<4565>、13日にUBIC<2158>、ITbook<3742>、アイサンテクノロジー<4667>、デジタルガレージ、サイバーダインなどが決算発表を予定している。

IPO関連では、あんしん保証<7183>、ロゼッタ<6182>、ベルシステム24HD<6183>のブックビルディングが続くほか、ネオジャパン<3921>も11日から開始される。なお、先週はラクス<3923>(12/9、マザーズ)、ランドコンピュータ<3924>(12/11、東証2部)の新規上場が発表された。

《FA》

 提供:フィスコ

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