【特集】西川雅博【郵政3社上場】緊急特集_02 /大きなスケール感で長期保有を
西川雅博氏
テレビCMまで流れた郵政3社のIPOは、国内引受証券として参加した当社でも大変な人気であった。
今回のIPOの特徴的な点は、同業他社比較で割安な公募価格の設定もさることながら、売り出し株数全体の8割を占める国内ポジションのうち、95%が一般の個人・法人に割り当てられている点だ。
明治維新後、官営としてスタートした国立銀行や製鉄所など、国を支える基盤事業は、日本国の近代化に伴い次々と民営化していった。郵政3社の上場は、言わば、この近代化の最後の仕上げであり、その仕上げの主役を一般投資家が担えるのである。IPOというと初値が公開価格より高いとすぐに売る向きがあるが、今回は大きなスケール感で長期保有したいところだ。
上場後は、やはり利食い売りが先行し一時的に下がる可能性はあるものの、TOPIX(東証株価指数)などの各種指数への組み入れなどから発生する買い需要が下支えとなり、再度上昇へ向かうと考える。地合い次第ながらも、公開価格割れはないと見ている。
市場への影響としては、ゆうちょ銀行株の人気が、割安のままに放置さている銀行株の水準訂正への起爆剤になる事を期待したい。
<プロフィール>
1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当
編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ) 【郵政3社上場】特集より