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【特集】北浜流一郎【郵政3社上場】緊急特集_05 /“安定性”に魅力、「初押しは買い」

北浜流一郎
株式アドバイザー 北浜流一郎氏

 日本郵政グループ3社株の上場が秒読み段階に入ってきた。私は大型IPOへの対応には常に慎重で、上場直後の買いには反対することが多い。人気が一時的に終わり、間もなく失速、下落してしまうことが多いからだ。

 しかし、今回は違う。まず注目したいのは、NTT<9432>に次ぐ大型IPOにしては盛り上がりに欠けることだ。中核企業である日本郵政<6178>の成長性に対して期待が持てないとの見方が多いからだ。

 しかし、投資の観点から見た場合、これは好ましい。確かに日本郵政をはじめゆうちょ銀行<7182>、かんぽ生命保険<7181>の成長率も低いだろう。それで構わないのだ。今は多くの投資家が成長よりも、安定性。これを求めていて、郵政グループ3社株はこの条件をどの社も満たしている。

 そのため、株価は上場後、基本的にはNTTや三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などとの連動性が高くなり、日経平均株価の続伸力が強いだけに郵政3社株も先高の確率が高いと見る。

 ただ、上場直後はいったん上がったあと、売り出しでの購入者が持続しきれず利食いを出すことで間もなく反落することが考えられる。それでも、それぞれ売り出し価格(日本郵政1400円、ゆうちょ銀行1450円、かんぽ生命保険2200円)を割りこむことはまず考えられず、それに近づけば近づくほど投資魅力が増すことになる。

 なお、郵政3社株の上場は、投資資金が同社株に偏り、市場にマイナスに働くとの見方がある。これは考え過ぎだ。市場には投資信託などの流入資金が豊富で、買い余力は十分にあるからだ。そのため、上場後の投資を考える場合は、上昇中は見送り、反落したら狙う。つまり、「初押しは買い」を実行すれば成功の確率が高いだろう。

<プロフィール>

慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。マネー誌、証券紙などの株式欄を担当し、ラジオ番組でも活躍。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【郵政3社上場】特集より

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