市場ニュース

戻る
 

【市況】【杉村富生の短期相場観測】

株式評論家 杉村富生

「夏~秋の株価波乱は急速に収束!」

●最悪シナリオに脅えた市場

 夏~秋の株価波乱は急速に収束に向かいつつある。もう大丈夫ではないか。日経平均株価は年末にかけて、1万93000円絡みの水準まで上昇すると思う。

 今回の急落局面では日経平均株価が2万0952円(6月24日)→1万6901円(9月29日)と、下落率19.3%を記録した。ちょっと下げすぎではないか。

 VIX(恐怖)指数は8月末に瞬間、50ポイント台を超えた。この水準は2008年のリーマン・ショック時のピーク48ポイントを上回るもの。マーケットは8~9月に、リーマン・ショック以上のダメージを想定、それに脅えたのだ。すなわち、最悪シナリオ(テールリスクの顕在化)である。

 具体的にはギリシャのユーロ離脱→欧州発の金融危機、中国バブルの崩壊→中国発ブラックマンデー、FRBの利上げ→新興国の債務リスク(世界恐慌の引き金に?)――など。

●VIX指数の急低下の意味するもの!

 しかし、危機は回避された。実際、VIX指数は現在、15~16ポイントに低下している。古来、パニックは政策の母!という。この歴史の教訓は生きている。

 ここにきて、売り方は買い戻しを急ぎ、ロング&ショート戦略の巻き戻しを行っている。カラ売りの買い戻しもあろう。

 なにしろ、9月29日にはカラ売り比率が43.4%に達した。貸し株を含むとはいえ、東証1部の売買代金の4割強がカラ売りというのは異常すぎないか。

 一方、物色面では自動運転関連のクラリオン <6796> 、アイサンテク <4667> [JQ]、マイナンバー関連のFFRI <3692> [東証M]などに妙味があろう。

 主軸株ではソニー <6758> 、日電産 <6594> などが出直りの動きを鮮明にしている。この2銘柄にはチャート妙味を指摘できる。

2015年10月22日 記

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均