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【特集】雨宮京子【日本株1】秋の相場観特集_02 /下値不安後退も年内は値固め

雨宮京子氏
経済ジャーナリスト 雨宮京子氏

 注目されている米国の利上げについては、雇用統計が予想よりも悪かったことから、遠のいた格好。これによって、不安定だった米国株式市場は落ち着きを取り戻すことになろう。つれて、国内株式市場も不安感が後退。加えて売り込まれた後でもあるので、買い戻しの動きが活発化するとみられており、こちらも下値不安が徐々に解消されそうだ。

 もっとも、上値のシコリは相当なもの。これまでの下げ幅を踏まえれば、相場が本格回復に向かうのは容易ではない。中長期的な上昇トレンドが継続されたとしても、過去の経験則では日経平均が2割前後下げた後、前の高値を更新するのに半年程度の日柄調整を要するケースが多い。以上の点から、少なくとも年内はよくて値固め。本格反騰は年明け後になるのではないか。

 個別で注目は、まず大本組<1793>。同社は東京湾アクアライン、レインボーブリッジ、関西国際空港といった大型のプロジェクトに名を連ねるなど土木の実績が目立つが、最近では主体から建築主体にシフト。リニアの立杭工事の受注が見込まれるとの期待がある。

 テクノ菱和<1965>も面白い。空調工事に中堅企業。三菱重工の冷熱機器販売も手掛けている。オフィスビル建設需要が引き続き旺盛なことから、ビジネスチャンスが拡大。目先底打ち確認から、再び上値をうかがうチャートからも妙味の大きさを感じさせる。

 ゲオホールディングス<2681>は穴株妙味がある。同社はビデオ、CD、DVD、ゲームソフト、本などのレンタル、リサイクルなどを手掛ける。来年2月からスタートするエイベックスと月額590円で8万作品を見放題の映像配信サービスの「ゲオチャンネル」の今後に期待が大きい。

 バイオではヘリオス<4593>に注目。上場して日が浅いものの、iPS細胞関連の代表銘柄として注目される。米国株式市場への上場も思惑視されるところ。公開人気が一巡した後の調整場面にあるが、値固め十分の足取り。バイオ関連に注目集まれば、一気の浮上もありそうだ。

 最後に島津製作所<7701>。分析・計測機器大手。医療機器をはじめ、様々なジャンルで強みを持っている。足元の業績も好調。主力である計測機器事業が伸び、2016年3月期の連結純利益は3期連続で過去最高更新の見通し。自社株買いをしていることも注目点になる。

<プロフィール>

元カリスマ証券レディ。AK企画代表。14年Yahoo株価予想最高11連勝、勝率94%達成。現在『日刊ゲンダイ』連載中!日興證券時代はカリスマ証券レディとして全国トップで社長表彰3回。ラジオ短波(現ラジオ日経)、長野FM放送アナウンサー、フジテレビレポーター、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京・マーケットレポーター、ストックボイスキャスターなどを経てAK企画代表となる。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【秋の相場観】特集より

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