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【特集】窪田朋一郎【日本株1】秋の相場観特集_05 /荒い相場に2つの戦略で対応

窪田朋一郎氏
松井証券・シニアマーケットアナリスト 窪田朋一郎氏

 日経平均株価は、8月に中国が実施した人民元切り下げをきっかけとして調整局面入りした。以前から、中国をはじめとする新興国の景気減速が、輸出関連企業の業績に悪影響を与え始めていたが、株価もついに織り込み始めた格好だ。また、コモディティ価格も引き続き下落基調にあるが、資源関連企業が保有する権益価格は軒並み下落しているため、関連する企業に外国人投資家はまとまった売りものを出している。一方で、日本国内に目を向けると、物価上昇率は日本銀行が目標とする2%には程遠い状況であり、追加緩和に動くという思惑も強いことから、投資家の間で強弱感が対立し、秋相場はボラティリティが高い状況が続くであろう。このような市場環境を乗り切るために、二つの戦略を提案したい。

 一つ目は、日経平均株価の高いボラティリティが続くと予想されることから、安値圏では日経平均レバレッジ型ETF<1570>を、高値圏では日経平均ダブルインバース型ETF<1357>を買い付ける方法だ。インバース型ETFは、株価が下落すると値上がりするように設計されたETFであり、個人投資家の間で人気が高まっている。

 二つ目は、内需を基盤とする業績が堅調な銘柄を、全体相場が急落した局面で拾う方法だ。安定した内需があり成長が続いている調剤薬局を手掛ける日本調剤<3341>やメディカルシステムネットワーク<4350>などに注目したい。また、食品価格が値上がりする中で、既存店売上高が好調なセブン&アイ・ホールディングス<3382>やローソン<2651>といったコンビニ関連、その他ではチョイ飲み需要などで業績が好調なハイデイ日高<7611>などに投資妙味があると考えられる。

<プロフィール>

松井証券へ入社後、マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウオッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【秋の相場観】特集より

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