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【杉村富生の短期相場観測】 ─ 「ABCDショック」に備えよ!


「『ABCDショック』に備えよ!」

●イギリスのEU離脱は混乱の始まり?

 マーケットが揺れている。イギリスのEU離脱は世界的な混乱の始まり、との見方ができる。今後、反グローバリゼーション、移民排斥、保護貿易主義的な流れは一段と強まるだろう。

 米・ノースウエスタン大学のロバート・ゴードン教授によると、「21世紀は技術革新の減少と生産性の伸び率鈍化によって、成長率が大幅に落ち込む」という。これは富の偏在を生み、格差問題を顕在化させる。ちなみに、テロリズムの背後には“貧困”が存在する。

 さらに、ドナルド・トランプ(今秋のアメリカ大統領選挙の共和党候補)、マリーヌ・ル・ペン(フランスの極右政党「国民戦線」党首)、ヴィルジニア・ラッジ(反EUを唱えるイタリアのローマ市長)、ボリス・ジョンソン(前ロンドン市長)などポピュリズム(大衆迎合)政治家の台頭は政治、経済の不安定化につながる。

 日本の金融市場はこの影響を集中的に受ける(円高・株安に対する圧力が継続→ヘッジ売りのターゲットに)だろう。しかし、参議院選挙が終了、政策対応は秋口まで期待薄である。

●やはり、元気な“小物”にマトを!

 外部環境的には「ABCDショック」のリスクがささやかれている。すなわち、A(America発のトランプ旋風)、B(イギリスのEU離脱→Brexit)、C(China→中国リスク)、D(Deutsche Bankに代表される欧州系金融機関の株価急落)である。これには細心の注意が必要と思う。

 一方、物色面では主軸株はこれまで同様、突っ込み買いの吹き値売り作戦に徹し、攻めるのはテーマ性を有する元気な“小物”が有効だろう。特に、円高のダメージが大きい輸出関連セクターは避けるのが賢明と考える。

 元気な“小物”は? そーせい <4565> [東証M]、やまみ <2820> [JQ]など。そーせいはJPモルガン・アセット・マネジメントが発行株式数の6.68%を保有する筆頭株主に登場した。ファイザー製薬とは資本提携している。

 やまみは広島県三原市に本社を置き、「とうふ」をメインビジネスとする。業績は好調である。チャート妙味を指摘できる。ストライク <6196> [東証M]は最低売買単価の引き下げを検討している。早晩、株式分割に進むだろう。DMP <3652> [東証M]、日本ケアサプライ <2393> [東証2]は動兆しきり。狙える。

2016年7月7日 記


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