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富田隆弥の【CHART CLUB】 「底値を探る夏相場」


◆裁定買い残が7503億円(7月1日現在)と整理を進めている。リーマン・ショックのあった2008年12月は5008億円まで減少したが、その水準に迫ってきた。

◆先物主導の日本株にとって、この裁定買い残の推移は大きなポイントとなる。昨年12月の3兆6307億円からこれまで2兆8800億円(79%)も減少したが、それだけ先物主導の「裁定解消売り」が出たわけで、それが12月以降の日本株下落の大きな要因(需給悪)だったと言える。

◆そして、裁定買い残がカラカラになってきた。こうなると、この先どこかで相場が反転すれば、「裁定買い」の余力が大きいことから日本株は大きく上昇する可能性を秘めていると言える。

◆その意味で裁定買い残は要注目であり、目が離せない。だが、強気になるのはいますぐではなく、もう少し日経平均株価の推移を見極めねばならない。先物を主導するのはシェア7割を占める外国人投資家であり、その彼らの日本株に対するスタンスがまだ危うく、そして日経平均のチャートも右肩下がりの基調が続いている。

◆日経平均のチャートは「07~08年当時」と似た動きを続けている。いまは「リーマン・ショックの入口」という捉え方もできるので、裁定残の底打ちに向かってセリング・クライマックスを迎えるかも知れない。英国、EU、米国、そして為替など国内外には地政学リスクがあふれ、不穏な雲も漂っている。もちろん、日経平均が08年当時と似た動きをいつまでも続けるとも思えず、大事なことはチャート(流れ)に従うことだ。少なくとも日経平均が25日移動平均線や26週線を上抜く「好転」を見せるまでは強気になれない。様子見、チャンスを待つのも相場である。

(7月7日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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