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9824 泉州電業

東証P
5,360円
前日比
-30
-0.56%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.2 1.84 2.24 2.92
時価総額 1,045億円
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泉州電業 Research Memo(1):独立系電線商社の大手。堅実経営で着実な成長続く


■要約

泉州電業<9824>は、独立系では国内トップの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約5万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制が強みである。自社開発のオリジナル商品で差別化を図っている。

1. 2023年10月期第2四半期の連結業績(実績)
2023年10月期第2四半期の連結業績は、売上高61,851百万円(前年同期比12.1%増)、営業利益4,304百万円(同21.7%増)、経常利益4,482百万円(同20.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,994百万円(同20.2%増)となり、売上高と営業利益は第2四半期として過去最高を更新した。平均銅価格は、1,223千円/t(同1.0%増)であった。増収の要因は、銅価格の上昇や新規連結子会社の寄与もあったが、実需も半導体製造装置向け、工作機械向けや自動車業界向けなどを中心に堅調に推移した。比較的利益率の高い商品の売上構成比が上昇したことに加え、銅価格上昇に伴う商品価格の改定が追いついてきたことなどから売上総利益率が改善した。さらに販管費の伸びが9.5%に留まったことから営業利益は大幅増益となった。

2. 2023年10月期の連結業績(予想)
2023年10月期通期の連結業績は、売上高123,000百万円(前期比8.2%増)、営業利益8,100百万円(同8.5%増)、経常利益8,500百万円(同7.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,700百万円(同7.3%増)と予想されている。好調であった上半期決算を受けて、期初予想(売上高118,200百万円、営業利益7,800百万円)から上方修正された。平均銅価格は、1,200千円/t(同0.4%増)とほぼ前期並みとの前提だ。上方修正されたとは言え、半導体製造装置向けなどは不透明感が強いことから、下半期については厳しい予想となっている。一方で、自動車や工作機械向けなどの需要は引き続き堅調に推移すると予想されることから、弊社では、この通期予想はかなり控え目であり達成される可能性が高いと見ている。銅価格だけでなく、各需要先の動向も注視したい。

3. 中期経営計画:目標達成は射程圏のため新計画を策定中
同社は、2025年10月期を最終年度とする中期経営計画(3ヶ年)を発表し、定量的目標として売上高1,250億円、経常利益85億円を掲げていた。しかし上記のように経常利益85億円は既に進行期(2023年10月期)の計画値となっており、十分に射程圏であると言える。そのため会社も、「現在新たな中期経営計画を策定中である」と述べており、近い将来に発表される可能性が高い。単に定量的な目標だけでなく、今後同社がどのように変わっていくのか、新中期経営計画の内容が楽しみである。

4. 株主還元、資本効率改善にも前向き
同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、まずはROE10.0%以上を目指す」と述べている。その実現のための具体策として、配当を継続的に増配しており、終了した2022年10月期は、当初は年間50円※配当を行う予定であったが、業績が好調なため最終的には年間70円※へ増配した。さらに進行中の2023年10月期は、当初は年間配当80円の予定であったが、好業績を反映して年間100円への増配を発表した。これにより、実質10年連続の増配となる見込みだ。

※2022年11月1日付けで1:2の株式分割を行っているため、これを遡及修正した金額。


加えて同社は、自社株買いも積極的かつ継続的に行っている。2021年10月期は1,000百万円、2022年10月期も1,028百万円の自社株買いを行った。さらに進行中の2023年10月期も上半期中に182千株、599百万円の自社株買いを行った。今後については、現時点では未定とのことだが、このような積極的な株主還元、資本効率の向上に向けた同社の姿勢は大いに評価されるべきだろう。

■Key Points
・独立系では業界トップクラスの電線総合商社。オリジナル商品で差別化を図る
・2023年10月期は前期比8.5%の営業増益と控え目な予想。今後の動向に要注目
・中期経営計画の目標(2025年10月期経常利益85億円)は今期中に射程圏。新計画を策定中

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SI》

 提供:フィスコ

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