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9824 泉州電業

東証P
5,570円
前日比
-30
-0.54%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.8 1.91 2.15 3.15
時価総額 1,086億円
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泉州電業 Research Memo(1):堅実経営で着実な成長続く。財務内容は堅固で株主還元にも前向き


■要約

泉州電業<9824>は、独立系では国内トップの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約5万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制が強みである。自社開発のオリジナル商品で差別化を図っている。

1. 2022年10月期の連結業績(実績)
2022年10月期の連結業績は、売上高113,633百万円(前期比22.9%増)、営業利益7,464百万円(同57.4%増)、経常利益7,894百万円(同57.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,314百万円(同48.3%増)となり、売上高と営業利益は過去最高を更新した。また同社として初めて売上高が1,000億円を超えた。平均銅価格は、1,195千円/t(同18.1%増)であった。増収の最大の要因は銅価格の上昇だが、実需も半導体製造装置向け、工作機械向けや自動車業界向けなどを中心に堅調に推移した。比較的利益率の高い機器用・通信用電線の売上構成比が上昇したことから、実質的な売上総利益率が改善した。販管費の伸びが4.9%に留まったことから営業利益は大幅増益となった。これに伴い、年間配当を140円(当初予定は100円)に増配した。

2. 2023年10月期の連結業績(予想)
2023年10月期通期の連結業績は、売上高118,200百万円(前期比4.0%増)、営業利益7,800百万円(同4.5%増)、経常利益8,100百万円(同2.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,500百万円(同3.5%増)と予想されている。平均銅価格は、1,200千円/t(同0.4%増)とほぼ前期並みとの前提だ。引き続き半導体製造装置向けや自動車や工作機械向けなどの需要は堅調に推移すると予想されることから、この予想が達成される可能性は高いだろう。銅価格だけでなく、各需要先の動向も注視したい。

3. 新中期経営計画:2025年10月期に売上高1,250億円、経常利益85億円を目指す
同社は、2024年10月期を最終年度とする中期経営計画(目標:売上高1,050億円、経常利益63億円)を発表していたが、この目標を2年前倒しで達成したことから、今回新たに2025年10月期を最終年度とする新しい中期経営計画(3ヶ年)を発表した。定量的目標として売上高1,250億円、経常利益85億円を掲げているが、この計画では、経常利益は3年間でわずか6億円しか増加しないことになるので、かなり控え目な目標と言えるだろう。

4. 株主還元、資本効率改善にも前向き
同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、まずはROE10.0%以上を目指す」と述べている。その実現のための具体策として、配当を継続的に増配しており、終了した2022年10月期は、当初は年間100円配当を行う予定であったが、業績が好調なため最終的には年間140円へ増配した。さらに進行中の2023年10月期は、年間配当160円※を発表している。これにより、実質10年連続の増配となる見込みだ。

※2022年11月1日付けで1:2の株式分割を行っているため、実際の年間配当は80円となる。


加えて同社は、自社株買いも積極的かつ継続的に行っている。2021年10月期は1,000百万円、2022年10月期も1,028百万円の自社株買いを行った。さらに進行中の2023年10月期も上半期中に上限200千株、同600百万円の自社株買いを行うことを発表済みだ。これが実行されれば、15回目の自社株買いになる。このような積極的な株主還元、資本効率の向上に向けた同社の姿勢は大いに評価されるべきだろう。

■Key Points
・独立系では業界トップクラスの電線総合商社。オリジナル商品で差別化を図る
・2023年10月期は前期比4.5%の営業増益と堅めの予想。今後の動向に要注目
・新中期経営計画を発表。2025年10月期に経常利益85億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《NS》

 提供:フィスコ

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