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9256 サクシード

東証G
959円
前日比
-6
-0.62%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.9 1.55 1.46
時価総額 34.3億円
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サクシード Research Memo(2):個別指導教室を起点に教育系人材サービスへと業容拡大


■会社概要

教育サービスと教育・福祉関連人材サービスを展開
1. 会社概要
サクシード<9256>は、「教育と福祉の分野における社会課題を解決し、より良い未来を創造する」を企業ミッションに、自社ブランドの教育サービスと外部向け人材サービスを展開している。教育サービスでは個別指導教室及び家庭教師の紹介事業を運営している。個別指導教室は神奈川県内に24教室(2022年3月末)を展開、家庭教師の紹介事業は首都圏と関西圏を中心に対面式の家庭教師紹介事業を運営しているほか、全国を対象にオンライン式家庭教師も事業展開している。人材サービスでは、教育機関や保育・福祉業界向けに、人材紹介や人材派遣、受託事業を行っている。教育関係に絞り職種で細分化した自社求人サイトを通じて登録者(求職者)を募集するため、教育関連の登録者を多数集めることができ、構築された「人材バンク」は同社ビジネスの根幹を成す。


個別指導教室を起点に教育系人材サービスへと業容拡大
2. 沿革
2004年4月に現代表取締役社長である高木毅氏により設立された同社は、同年5月に「個別指導学院サクシード」を開校し事業を開始した。2007年に家庭教師派遣事業及び塾業界向けに人材紹介・派遣事業を開始、2008年には教育業界に特化した求人サイトの運営を開始した。さらに、2014年に保育士の人材紹介・派遣事業、学校教員の人材紹介事業を開始、人材サービスの事業領域を大きく広げている。2020年には学童クラブ、オンライン家庭教師のサービスを開始した。こうした動きは業績にも表れており、2019年3月期の大幅増収増益は、2014年以降に領域を広げた人材サービスが収益化したためである。また、2022年3月期にも売上高・利益がともに大きく伸びているが、後に詳述するように、オンライン家庭教師や個別指導教室、ICT支援員派遣サービスの収益が拡大するなかで、コロナ禍により個別指導教室の出店を一時的に止めていたことが理由である。なお、2021年12月、同社は東証マザーズ市場に上場し、現在は東証グロース市場へ移行している。


教育関連業界の課題解消をターゲットにビジネスを展開
3. 業界環境
日本は少子高齢化が進み、特に同社の属する教育分野と福祉分野では、人材不足の深刻化など課題が山積している。教育分野では、私立中学校や大学への進学率は高水準で推移し、シックスポケットと言われるように家計における子ども1人あたりの教育費は増加傾向にある。一方で、都市部への人口集中に伴い、教育環境の地域格差はますます開いている。また、学校教員の過重労働問題も深刻化しており、学校教育の質の向上を図るには、教員の負担軽減が急務であると言われている。福祉分野においても、保育園、学童、介護施設の人材不足が年々深刻さを増している。待機児童や介護離職の問題も真の解決に至っていない。国も自治体も手をこまねいているわけではないが、保育士や介護士などに対するケアが十分とは言い切れない状況が続いている。このため、教育分野や福祉分野の課題に対し、抜本的な対策を打たなければならない時期を迎えている。

特に教育分野では、グローバル化やIT化に対応していくため、新学習指導要領の導入や外国語教育の充実など、多くの学校改革が進行している。一方、外国語教育の教科化やプログラミング教育の実施など、教員に求められるスキルもますます多様化・高度化している。こうした教員の過重労働に対して、さすがに閉鎖的・保守的と言われた教育制度も動き出し、教職員定数の改善や専門スタッフ・外部人材の配置拡充、業務の適正化など見直しが行われるようになり、コロナ禍によるステイホーム環境のなかで見直しは加速した。そのような教育業界に対して、教育サービスと人材サービスを従来にない考え方で展開する同社は、教員の過重労働や教育の地域格差・経済格差、少子高齢化による人材不足など様々な課題解消の一助となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《ST》

 提供:フィスコ

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