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【特集】政府肝いりの政策が本格始動へ、「少子化対策」関連株に上昇機運 <株探トップ特集>

厚労省によると、21年の出生率は6年連続で低下し、出生数は過去最少となった。少子化対策は待ったなしの状況で、株式市場では婚活や子育て、不妊治療の関連株に再び関心が高まっている。

―21年の出生率1.30と危機的状況、課題克服に立ち向かう企業に注目―

 世界の株式市場が不安定な動きとなっている。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ加速に対応し、日本時間16日未明に結果が判明する米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利上げに踏み切るとの観測が浮上するなか、米景気の冷え込みが警戒されているためだ。この日の東京市場で日経平均株価は前日のNYダウが5日続落した流れを引き継ぐかたちとなり、前日比303円安の2万6326円で取引を終えた。

 ただ、こうした不透明感が強い状況でこそ政府が注力する政策に沿ったテーマや業種をマークしておく必要があり、そのひとつが国難と呼ぶべき 少子化の問題だ。厚生労働省が今月3日に発表した人口動態統計によると、2021年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は1.30と6年連続で低下しており、未来に向けて早急に解決すべき課題となる。古くからの相場格言では「国策に売りなし」といわれ、関連銘柄に目を配っておきたい。

●骨太方針に注力明記

 出生率は05年の1.26が過去最低で、21年の1.30は前年より0.03ポイント下がり、過去4番目に低い。出生数は81万1604人と前年から2万9231人減と6年連続で減少し、統計を開始した1899年以降で最少となった。政府はこれまで子ども・子育て支援や幼児教育・保育無償化などに取り組んできたが、現状では少子化を食い止める効果は乏しかったと言わざるを得ない。また、出生数に直結する21年の婚姻件数は50万1116組と前年から2万4391組減少しており、コロナ禍で結婚の延期や出会いの減少が影響したとみられる。

 政府は少子化に対する危機感を強めており、7日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)では、少子化対策・子ども政策を強力に進めると明記した。具体的には「希望出生率1.8」の実現に向け、結婚、妊娠・出産、子育てのライフステージに応じた総合的な取り組みの推進、結婚新生活立ち上げ時の経済的負担の軽減や出会いの機会・場の提供など地方自治体による結婚支援の取り組みに対する支援、妊娠前から妊娠・出産、子育て期にわたる切れ目ない支援の充実、20年12月に公表した「新子育て安心プラン」の着実な実施や病児保育サービスの推進など仕事と子育ての両立支援に取り組むとしている。

 きょうの参議院本会議で、子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」を創設する関連法が可決、成立したこともあり、株式市場でも関連銘柄に関心が向かいそうだ。

婚活関連

 リンクバル <6046> [東証G]はイベントECサイト「machicon JAPAN(街コンジャパン)」や恋活・婚活マッチングアプリ「CoupLink(カップリンク)」などで出会いのきっかけをつくり、カップル専用アプリ「Pairy(ペアリー)」でサポート。恋愛専門情報メディア「KOIGAKU(コイガク)」、オンライン結婚相談所「Marriage Style(マリッジスタイル)」なども運営している。22年9月期は単独営業損益の黒字化実現を最重要テーマに掲げている。

 IBJ <6071> [東証P]は婚活業界最大級のネットワークを誇り、22年3月末時点のお見合いシステム登録会員数(日本結婚相談所連盟のみ)は7万6000人、加盟店数は3181社。昨年の年間成婚組数は1万402組となっている。22年12月期第1四半期(1-3月)の連結営業利益は前年同期比18.6%増の4億2400万円と順調な滑り出しで、通期では前期比9.2%増の16億5500万円を見込んでいる。

 タメニー <6181> [東証G]は結婚相談所「パートナーエージェント」やアプリ完結型結婚相談所「パートナーエージェントApp」を展開しているほか、人工知能(AI)を活用した地方自治体向け結婚支援システム「parms(パームス)」、婚活パーティー、マッチングアプリ、カジュアルウエディングなども手掛けている。23年3月期は前期まで戦略的に抑制していた入会促進を再開するほか、有力パートナーとの連携強化などで収益基盤を更に強固にすることで、連結営業損益は1億円の黒字(前期は1億5300万円の赤字)に浮上する見通しだ。

 このほか、グループ会社がマッチングアプリ「tapple(タップル)」を展開しているサイバーエージェント <4751> [東証P]、婚活・結婚・出産育児にまつわる総合雑誌・サイト「ゼクシィ」シリーズを手掛けるリクルートホールディングス <6098> [東証P]、恋愛マッチングアプリ「Omiai(オミアイ)」を運営するネットマーケティング <6175> [東証S]などにも注目しておきたい。

子育て関連

 幼児活動研究会 <2152> [東証S]は園児・小学生への体育指導を行っているほか、幼稚園・保育園の経営コンサルティングなども提供している。23年3月期は課外クラブ員の新規獲得、未就学児の正課、課外クラブの展開、コンサルサービスの拡大などで、通期の単独営業利益は過去最高となる前期比5.3%増の13億9500万円を目指すという。

 JPホールディングス <2749> [東証P]は保育園をはじめ、学童クラブ、児童館といった子育て支援施設を全国に展開しており、22年3月末時点で計303施設(保育園211、学童クラブ81、児童館11)を運営している。23年3月期は中期経営計画で掲げる「収益性・効率性の向上」「健全性の向上」「成長性の向上」に沿った施策を推し進め、通期の連結営業利益は前期比6.4%増の35億6000万円を予想している。

 グローバルキッズCOMPANY <6189> [東証P]は認可保育所に加え、認定こども園や児童発達支援事業所など幅広く展開し、22年3月末時点で計172施設(認可保育所135、認証保育所・認定こども園など22、学童クラブ・児童館12、児童発達支援事業所3)を営んでいる。足もとでは運営施設拡大による園児数増加が寄与しており、22年9月期通期の連結営業利益は前期比63.2%増の9億4000万円となる見通しだ。

 また、ママ向け情報サイト「ママスタ」を手掛けるインタースペース <2122> [東証S]、子会社が公的保育サービスや法人向け保育サービスを運営するライク <2462> [東証P]、子育て女性を対象とした就労支援や放課後事業などを行うSERIOホールディングス <6567> [東証G]、公的保育事業やベビーシッターサービスを展開するテノ.ホールディングス <7037> [東証P]、保育事業やオリジナル幼児教育教材開発を手掛けるKids Smile Holdings <7084> [東証G]、保育所の運営や保育所への利活用を想定した不動産の仲介・管理業務を行うさくらさくプラス <7097> [東証G]、出産・育児向けの情報メディアや産婦人科向けの経営支援事業を営むベビーカレンダー <7363> [東証G]、ベビーシッターの派遣を中心とした在宅サービスや保育・学童施設などを運営するポピンズ <7358> [東証P]からも目が離せない。

不妊症治療関連

 ナノキャリア <4571> [東証G]は医薬品などの研究開発及び製造を行っており、多血小板血漿(PRP=血液を遠心分離して調製した血小板を多く含む血漿)も手掛けている。PRPは自然治癒力によってケガや病気を治療する療法に用いられ、不妊治療にも応用されている。23年3月期は費用圧縮に努め、通期の単独営業損益は15億4000万円の赤字(前期は20億6100万円の赤字)に縮小する見込みとなっている。

 ミズホメディー <4595> [東証S]は医家向け体外診断用医薬品や体外診断用医療機器の開発・製造・販売を手掛け、一般向け製品では妊娠検査薬や排卵日予測検査薬を扱っている。22年12月期第1四半期(1-3月)に遺伝子検査キット「スマートジーン SARS-CoV-2」の需要が予想を上回ったことを踏まえ、5月9日には通期の単独営業利益予想を従来の45億2000万円から64億9800万円(前期比3.0%減)に上方修正している。

 これ以外では、グループ会社が不妊治療薬の原薬を製造する綿半ホールディングス <3199> [東証P]、PFC-FD(血液からPRPを作製し、更に成長因子を濃縮して成分を高めたもの)に加工する受託サービスを請け負うセルソース <4880> [東証G]、婦人科領域に強みを持つあすか製薬ホールディングス <4886> [東証P]などが関連銘柄として挙げられる。

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