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8771 イー・ギャランティ

東証P
1,736円
前日比
+1
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PTS
1,737.4円
09:40 05/08
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.9 3.90 2.02 11.15
時価総額 828億円
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決算発表予定日

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Eギャランティ Research Memo(5):売掛債権保証のニーズは極めて旺盛、19年3月期も増収増益が続く見通し


■今後の見通し

1. 2019年3月期の業績見通し
イー・ギャランティ<8771>の2019年3月期の連結業績は、売上高で前期比11.6%増の5,700百万円、営業利益で同10.3%増の2,510百万円、経常利益で同10.7%増の2,550百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同10.3%増の1,620百万円と2ケタ増収増益を見込んでいる。経済情勢や倒産動向を注視しつつ、引き続きミドルリスクの受託など積極的なリスク引受けを展開していく方針だが、一方で今後のリスク環境の変化に備え、慎重なリスク判断を継続したリスク受託も展開していく。また、新しい形の顧客ニーズに対応した商品やサービスの開発に取り組んでいくほか、営業資源の拡大により保証残高の積み上げを目指していく。

足下の需要は引き続き旺盛で、引き合い件数だけで見れば1年半前と比較して2倍に拡大している。売掛債権の貸倒れリスクをヘッジしつつ、新規顧客を開拓し売上拡大を図りたいとする企業からの引き合いが増えているほか、大企業でも一定水準以下の売上債権管理について社内の人的リソースを使って行うよりも、同社サービスを使ったほうが効率的との判断から利用するケースが増えている。また、ミドルリスクの信用保証も行うようになったことで、合わせてローリスクの保証サービスも契約するといった相乗効果も出ているようだ。ミドルリスクの保証残高は全体の数%程度だが、今後も徐々に増やしていく方針となっている。

そのほか、稼働率の低い(紹介件数の少ない)地方銀行の活性化が進んでいることも顧客件数の増加につながっている。業務提携先の銀行によっては、提携をしたものの稼働率が低い銀行もあった。こうした銀行に対して顧客企業が同社サービスを利用することのメリットを訴求していくなどの取組みを進めてきた効果が、2018年3月期以降顕在化し始めており、2019年3月期に入ってもその勢いが続いているようだ。

2. 重点施策
同社は2019年3月期の重点施策として、営業資源の増加による保証規模の拡大と保証規模の拡大に備えたリスク受託力の強化の2点を挙げている。

(1) 営業資源の増加による保証規模の拡大
旺盛な需要に対応するため、営業人員の増強及び教育体制の強化を図るとともに、営業事務の抜本的な見直しにより業務効率を向上し、契約件数の増加と保証規模の拡大を進めていく。

人員体制については2018年3月期末で149名(連結ベース)、うち100名程度が営業部門の人員となっており、同部門について年率20%程度で増員していく計画となっている。また、営業事務の見直しに関しては、直接営業スタッフと提案書などを作成するミドルオフィスの人材を明確に区分することで、営業スタッフが顧客との営業活動に専念しやすくなる体制を構築し、営業の生産性向上を図っていく。

また、バックオフィス業務についても2017年に新設した子会社のイー・ギャランティ・シェアードサービスに全て移管することでスリム化を図っているほか、子会社のイー・ギャランティ・ソリューションで業務効率を向上するためのシステム開発を強化しており、各種業務のシステム化を推進することで会社全体の生産性向上につなげていく方針だ。将来的にはAI技術の活用も視野に入れている。なお、新卒採用数は20数名程度となっており、中途採用も含めて今後も業績拡大に合わせて人員増強を図っていく方針となっている。

(2) 保証規模の拡大に備えたリスク受託力の強化
同社は保証規模の拡大に備えた流動化体制を構築すべく、同社以外がメインスポンサーとなるファンドの組成を通じて、長期的かつ安定的なリスク受託体制を整備し、リスク受託力の強化に取り組んでいく。既に、2018年3月にクレジット・ギャランティ3号合同会社への匿名組合出資(出資比率49%、出資額96百万円)を行うことを発表している。

長期的な低金利が続くなかで、金融機関等のファンド運用も利回りが低下しており、新たな投資先のニーズも強くなっていることから、今後もマイノリティー出資によるファンド組成も活用していくことで、保証規模を拡大していく方針となっている。ファンドの運用期間についても1年だけではなく、3年程度と比較的期間が長いファンドを組成していることから、信用保証期間も3年間保証といったように長期保証サービスの提供も可能となる。長期保証の場合、保証料率も高くなるため売上高の増加要因となる。また、ローリスクからミドルリスクまで保証範囲を広げることで、流動化先となる金融機関やファンドの範囲も広がることになり、結果的に保証規模の拡大につなげていくことが可能となる。


中期目標として連結経常利益50億円の達成を目指す
3. 中期目標
同社では中期の経営目標として、連結経常利益で50億円をターゲットとしている。50億円を達成するためには、保証残高で前期末から約2倍の規模となる7,000~8,000億円が目安となる。現状の15%増ペースで拡大が続けば5年後の2023年3月期には射程圏内に入ってくると見られる。

保証残高を拡大していくに当たっては、前述した営業体制の強化並びに業務効率化による生産性向上を図っていくこと、また、対象債権の範囲を拡大(ミドルリスク、売掛債権以外の各種債権※)することで年率15%程度の成長は可能と見られる。また、現在は新規顧客の約8割が地方銀行からの紹介で、ほぼ全国にネットワークを構築しているが、その他の業態での提携先を拡大していくことで、販売網の更なる拡充にも取り組んでいく方針となっている。

※小口債権、買取債権、特殊債権、融資債権、長期債券等


特に、ここ最近ではEC市場の拡大を背景にインターネット上でBtoBのマーケットプレイスを展開する企業から、金融サービスの1つとして同社の売掛保証サービスを活用したいとのニーズが増えており、これら企業との提携が今後も増えていくものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

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