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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 終わらぬ時化はなし! 底打ち反転に備える

株式アドバイザー 北浜流一郎

「終わらぬ時化はなし! 底打ち反転に備える」

●米中摩擦に翻弄される市場

 サッカーの試合観戦ならば、どちらが勝利しようが、あるいは敗北しようが、自分の懐にはまったく影響がない。

 そのため、テレビにかぶりつきで試合を楽しめるが、米中の貿易摩擦(もしくは貿易戦争?)となると、そうはいかない。

 どちらが勝利するのか判断は困難だし、勝利したとしても先行きを考えた場合、それは勝利とはいえないこともあり得る。

 そんなふうに勝敗の判定が難しい対決であるにもかかわらず、われわれの資金を増やすよりも減らす方向に働くのだから迷惑この上ない。

 このような相場への対処法として参考になるのが、漁師さんの仕事ぶりになる。海では時化て漁に出られなくなることがある。その間、漁師さんたちは何をしているのか。

 網を繕ったり、漁具や船の手入れをしながら時化が終わるのを待つ。終わらない時化はないと知っているからだ。

 株式市場の場合、「時化=波乱」が海のそれより長く続いてしまうこともたびたびではある。しかし、それも永遠に続くことはなく、大抵はしばらく待てばおさまる。

 東京市場が調整に入った場合、早ければ1ヵ月ほど、長引いての2ヵ月ほどで底打ち反転するのが普通だ。

 今回は6月半ばから下落に転じているので、間もなく1ヵ月になろうとしている。ただ、直近の高値を5月21日の2万3050円と見るならすでに1ヵ月半ほどが過ぎていて、しかも52週移動平均線まで下げていることになる。

●高値キープ銘柄で嵐を乗り切る

 強力な下値支持線であったはずの75日移動平均線を簡単に割り込んでしまったため、下値のメドがつかなくなっていたのだが、52週移動平均線はかなり強靱な下値支持線となる。株価の年間平均値を結んだラインとなるからだ。

 ここからさらに米中間の摩擦が激化するならば、52週線でも止まらない――こういうことになろうが、その確率は低いと見る。カジノを経営するほどトランプゲームに通じているディールの天才であるトランプ大統領を相手に、中国が真っ向から勝負に出ても勝ち目はないからだ。

 このような事情を踏まえると、ここでの投資対象は、米中貿易摩擦の激化にもかかわらず株価が崩れることなく高値をキープし続けた銘柄に注目だ。

 具体的にはまずは武田薬品工業 <4502> だ。大型買収に対していまなお批判の声が絶えないが、株価はスローペースながら6月20日以降、次第に水準を切り上げている。どんどん上がる銘柄ではないものの、市場の評価は次第に好転しつつあると見てよい。

 すでに気温が相当高い日があるが、本格的な猛暑はこれからだ。となると、需要増必至となる飲料用缶やペットボトルで首位である東洋製罐グループホールディングス <5901> も高値圏ながらさらなる上値があると見る。

 医療用機器や設備などの一括販売に強く、調剤薬局、有料老人ホーム経営などへの多角化にも積極的なシップヘルスケアホールディングス <3360> も、医療業界という安定収益が見込める分野で着々とシェアを拡大中なだけに株も引き続き期待が持てる。

 スマホでほとんどの用が足りる時代ながら、調べ物をする時、つい手が伸びるのが電子辞書。それに強いのがカシオ計算機 <6952> で、わが家でも使っていて重宝しているが、この会社の主力製品はもちろんGショック。世界的に販売好調が続いているため、株の小反落を見逃さないようにしたい。

 “強小銘柄”、つまり小さくて強い銘柄にも目を向けておくと、ウェブ制作会社ながらネットクリエイターの派遣に強いメンバーズ <2130> が魅力的だ。クリエイターの派遣が拡大中であり、今後さらなる増加が見込めるからだ。

 外食店向けにスマホを使った注文と支払いが簡単に済むアプリを開発、活用が始まっているジャストシステム <4686> も今後が楽しみな銘柄になる。

2018年7月6日 記

株探ニュース

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