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8133 伊藤忠エネクス

東証P
1,577円
前日比
+63
+4.16%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.2 1.10 3.55 16.38
時価総額 1,843億円
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エネクス Research Memo(2):民生用エネルギーから産業エネルギー、電力まで顧客ニーズに応えながら発展


■事業概要

伊藤忠エネクス<8133>は2001年に現社名に変更されるまでは伊藤忠燃料株式会社の社名で、石油製品流通業界で大きな存在感を見せていた。2000年代に入ってからは社名だけでなく事業構造においても大きな変革を推進してきた。そのテーマは「『燃料商社』から『新しい形のエネルギー企業体』へ」であり、ビジネス・モデルもかつてのBtoB主体からBtoCへと舵を切りつつある。

現在の同社は“2事業グループ4事業部門体制”を敷いている。4つの事業部門とは、「ホームライフ部門」、「カーライフ部門」、「電力・ユーティリティ部門」及び「エネルギーイノベーション部門」の4つだ。これらのうち、ホームライフ部門と電力・ユーティリティ部門を集約して「電力・ガス事業グループ」を、カーライフ部門とエネルギーイノベーション部門を集約して「エネルギー・流通事業グループ」をそれぞれ形成し、戦略構築の一体化や事業展開の迅速化を図っている。各事業部門の概要は以下のとおりだ。

1. ホームライフ部門
LPガスの販売、都市ガス供給、産業用ガスの販売、タクシー(LPガスを燃料とするもの)向けのオートスタンドの運営、太陽光発電システムなどの次世代エネルギーシステムの販売などを行っているが、中核事業はLPガス事業だ。同社は販売子会社を通じて一般家庭向けに約35万世帯に直接販売しているほか、全国の約1,900の販売代理店経由で約73万世帯に販売している。この事業の特徴は、販売価格と原料価格(コントラクトプライス、CPと略称。)との差(同社にとっての利幅)が燃料費調整制度によって一定に保たれる点だ。したがって、販売数量の確保が収益には重要なポイントとなる。

2. 電力・ユーティリティ部門
電力事業と熱供給事業を行っている。電力事業では、自社グループの発電設備による自家発電と提携先企業や日本卸電力取引所(JEPX)など社外からの購入で電力を調達し、高圧分野(工場、オフィスなどの大口需要家)、低圧分野(一般家庭や小規模商店などの小口需要家)の契約顧客に小売販売するほか、JEPXを通じて卸売販売を行っている。熱供給事業は子会社の東京都市サービス(株)(TTS)が手掛けている事業で、首都圏の18ヶ所の大型ビルや再開発エリアに電気式熱供給センターを設置して熱供給を行っている。

3. カーライフ部門
カーライフ・ステーション(CSと略称。いわゆるガソリンスタンド)の運営と自動車ディーラー事業が2本柱だ。CSの運営では、全国ベースでガソリンスタンドが減少トレンドを続けるなか、同社もその流れには抗えない部分がある。その中でCSでの事業領域をレンタカーや中古車販売へと拡大し、各CSの収益性向上を図ることに注力している。自動車ディーラー事業は2014年5月に大阪カーライフグループ(株)(以下、OCG)を買収したことでスタートした。OCGは傘下に日産大阪販売(株)を抱えており、大阪府(及び兵庫県阪神地区)をカバーする府下唯一の正規日産ディーラーとして全国でもトップクラスの規模を誇っている。

4. エネルギーイノベーション部門
産業向け事業の集合体だ。具体的にはアスファルト、船舶燃料、アドブルー(トラック等のディーゼルエンジンの添加物)、産業用燃料(重油)、などの販売を行っている。この部門も構造的な国内石油製品需要の減少傾向という逆風の事業環境下にあるが、同社では、“ポートフォリオ経営”をスローガンに、既存事業の強みを生かしつつ新規事業の開発も積極的に行い、収益力の向上に注力中だ。近年ではフライアッシュ事業(石炭灰の再利用)やスロップ事業(船舶から回収される洗浄廃油の再生利用)などを事業化したほか、法人向け電力販売など商材の多様化を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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