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7856 萩原工業

東証P
1,531円
前日比
-24
-1.54%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.1 0.76 3.27 8.33
時価総額 228億円
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萩原工業 Research Memo(5):2018年10月期第2四半期は一時的な要因により前年同期比5.1%の経常減益


■業績動向

1. 2018年10月期第2四半期の業績概要
(1) 業績の概況
萩原工業<7856>の2018年10月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比9.4%増の12,658百万円、営業利益が同7.9%減の1,413百万円、経常利益が同5.1%減の1,479百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同6.3%減の1,010百万円となった。期初予想との比較では、売上高が5.5%増であったが、営業利益が2.5%減、経常利益が2.0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が1.4%減となった。減益要因は、原材料価格高騰の価格転嫁が一部下期にずれ込んだことと、販売代理店を買収・子会社化した際の会計処理による。単体ベースでは、売上高と経常利益ともに過去最高水準を記録した。連結ベースの若干の減益は、非常に好調であった前年同期との比較であり、売上高営業利益率は11.2%と高水準を維持した。

(2) 事業セグメント別動向
売上高の4分の3を占める合成樹脂加工製品事業は前年同期比9.7%増であった。シート・建築資材関連が微増だったものの、バルチップを含む産業資材関連が同13.7%伸びた。生活資材関連は、粘着クロスと人工芝用原糸が伸び、同11.1%増となった。同セグメントの営業利益は前年同期比18.1%減少し、売上高営業利益率が前年同期比3.5ポイント悪化し10.4%へ低下した。営業利益の増減分析では、増収効果(+254百万円)が、原材料価格の高騰による利益率の悪化(-252百万円)、販管費の増加(-220百万円)をカバーしきれなかった。

機械製品事業の売上高は、中国におけるリチウムイオン電池用フィルムスリッターが増加し、海外展示会などへの積極的な出展効果もあり前年同期比8.4%増加した。同セグメントの売上高営業利益率は、前期比2.4ポイント改善の13.6%へ上昇した。

(3) 主要原材料価格の動向
国産ナフサの市況は、2018年10月期第2四半期に前年同期比20%増のキロリットル当たり45,000円へ高騰した。同社は、原材料コストの変動は、販売価格に転嫁させる基本方針を採っているが、シート建築資材関連製品の値上げが4月末に終了せず、利益率を悪化させた。タイムラグが発生したものの、5月に値上げが浸透した。

(4) EPCホールディングスの買収に伴う影響
2018年2月に、コンクリート補強繊維「バルチップ」の海外販売を強化するため、同社の販売代理店であるEPCホールディングス(シンガポール)を買収した。投資会社などオーストラリアの6社が所有する全株式を1,445百万円で買収し、連結対象の子会社とした。2018年10月期第2四半期の販管費の増加額の半分、約1億円がEPCホールディングスの買収に伴うものであった。子会社化により、2ヶ月分が連結決算に反映された。以前であれば同社が販売し利益計上されていたものが、EPCホールディングスの棚卸資産にとどまっている取引に関しては、未実現利益として処理された。買収に伴うのれんは817百万円が発生し、5年間で償却する。2018年10月期第2四半期は、2ヶ月分相当の27百万円が販管費に含まれ、残りの790百万円が無形固定資産に計上された。また、買収費用として15百万円かかった。EPCホールディングスの2ヶ月間の連結決算への寄与は、売上高で458百万円、営業利益が41百万円、経常利益が33百万円、当期純利益が17百万円であった。利益水準は、買収時の想定以上の金額であった。

2. 財務状況と経営指標
2018年10月期第2四半期末の総資産は28,165百万円と前期末比1,051百万円増加した。流動資産は283百万円の増加であったが、主要な増減項目は、現金及び預金(-1,532百万円)、受取手形及び売掛金(+975百万円)、たな卸資産(+665百万円)などである。現金及び預金の減少は、企業買収にともなう支出による。増収により、受取手形及び売掛金が増加した。たな卸資産は、販売先が決まっており意図せざる在庫増ではない。貸方では、有利子負債が同187百万円増えた。純資産は585百万円増加した。短期的な支払い能力を示す流動比率は272.7%、長期的な指標の自己資本比率は72.5%と、いずれも財務の安全性が極めて高い。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《MH》

 提供:フィスコ

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