【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 企業活力の源泉、“敏腕”経営者に注目!
株式アドバイザー 北浜流一郎
「企業活力の源泉、“敏腕”経営者に注目!」
●「米国一人勝ち」の土台作りが進む
トランプ大統領を好評価する声を聞いたことがない。同大統領の話になると、誰もがここぞとばかりあれこれと声高に非難をまくし立てる。
しかし、冷静に見ると、この大統領はそんなに間違ったことをしているとは思えない。中国に対する一方的ともいえる輸出ラッシュに対する制裁関税引き上げにしても、貿易不均衡の修正策として認めてもよい。
対ロシアを巡るNATOの防衛費負担に対しても、米国サイドに立って考えると、米国が費用の大半を賄っている現実はおかしいのだ。
北朝鮮との対話に積極的になっているのも、韓国駐留米軍の負担の大きさを考えれば、これまた納得できる。
これまで世界は、米国の負担を当然のこととしてその継続を念じてきた訳だが、トランプ大統領はこんな割の合わないことはこれ以上は御免だと言い出し、無駄なことは一切止めてしまおうとしているところだ。
これは一国のトップとして当然のことであり、それを実行に移している大統領を批判、非難ばかりしていては、 東京市場の現在のような展開も理解できないのではないだろうか。
特にドル高・円安については、通常の見方では理解不能になってしまう。これはトランプ大統領の強烈な米国資産の浪費削減策を評価したもの。こう見てよい。もちろん、強硬策は副作用を生む。そのため、今後揺り戻しがあって、ドル安・円高に転じてしまうこともあり得る。
この点は計算に入れておかねばならないが、米国がトランプ大統領が選挙期間中に繰り返し主張してきた「強い米国」の再生に向かいつつあるのはまず間違いない。
極論するなら、米国一人勝ちの土台作りが進んでいるということであり、それがリアルに現れているのが、ここで私がすでに紹介したNEXTNASDAQ-100 <1545> [東証E]の値動きだ。対中貿易戦争が激化する中、ビクともしない値動きを続けている。
アマゾンを筆頭に経営者たちはトランプ大統領を強烈に批判しているが、トランプマジックの効果もあって、そのアマゾンなどの株価はフェイスブックなどとともに史上最高値に進んでいるのだ。この現実が意味するのは、米国には大企業になっても活力を失わない企業が多数あるということ。
●企業の輝きを保ち続ける“経営力”
残念ながら東京市場にはそんな銘柄が極めて少なくなっているが、皆無というわけではない。経営者がなお活力をキープしている銘柄があるので、それらへの投資を考えたい。
そこで、まずはスタートトゥデイ <3092> だ。前沢社長はなにかとマスコミを賑わせるが、同社が始めた「ゾゾスーツ」は、スーツの面倒な採寸をシステム化したもので、今後、利用者の拡大が必至と見る。
日本電産 <6594> のカリスマ創業者で会長である永守重信氏の息子、永守貴樹社長が運営するのが日用雑貨メーカーのレック <7874> だ。父親が経営する日本電産とはまったく業態は異なるものの、経営力は優れていて、増収増益を続けていることは高く評価できる。
データマイニングの世界に2000年代の初めから参入、今日見るような発展にこぎ着けたブレインパッド <3655> の草野隆史会長もスマート経営で知られ、株価も期待が持てる。
製薬の臨床試験に強いリニカル <2183> を率いる秦野和浩社長も、同社を創業から今日の発展まで導いた実績はもっと高く評価されてよい。株価も同様だ。
そして忘れてならないのがエムスリー <2413> の谷村格代表だ。元々マッキンゼーというコンサルティング時代、ソニー子会社のソネットエンタテイメントに医療サービス立ち上げをアドバイス、結局自分が経営することになり、医薬品情報サイト首位企業に育て上げた実績は国内だけでなく世界でも類がなく、文句なしの敏腕経営者だ。
2018年7月13日 記
株探ニュース