信用
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7777 3DM

東証G
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3Dマトリック Research Memo(8):新株予約権の発行により19/4期までの開発費用等の資金調達を進める


■財務状況とリスク要因

1. 財務状況
スリー・ディー・マトリックス<7777>の2017年4月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,036百万円減少の3,423百万円となった。主な変動要因としては、流動資産で現預金が1,764百万円減少した一方で、止血材の販売拡大に備えた原材料調達に伴い在庫が102百万円、原材料調達のための前渡金が194百万円増加した。

負債合計は前期末比292百万円増加の816百万円となった。有利子負債が250百万円増加したほか、未払金が43百万円増加した。また、純資産は親会社株主に帰属する当期純損失の計上により、前期末比1,328百万円減少の2,607百万円となった。

2017年4月末時点で現預金は1,747百万円となっており、今後の資金不足が懸念されるものの、同社は取引銀行3校から総額1,300百万円のコミットメントライン契約を締結しており、同枠内で必要資金を調達することになる。また、2017年4月に第三者割当による新株予約権を発行しており、同予約権の行使によって今後の開発資金を調達していく予定となっている。当初行使価額は742円、下限行使価額は446円で設定している。新株予約権が当初行使価額で全て行使された場合、250万株の普通株式が増加し(希薄化率11.6%)、1,855百万円を資金調達できることになる。調達した資金の具体的な使途としては、日本での止血材の治験費用及び申請関連費用で400百万円、欧州等における次世代止血材の開発及びCEマーキング取得費用で500百万円、欧州等における癒着防止材の開発費用で100百万円、止血材の原材料調達費、製造設備拡充費で600百万円、次世代止血材の原材料調達費、製品化に向けた検討費用で100百万円、残りを借入金の返済に充当する予定となっている。同社は今回の資金調達で、2019年4月期までの開発費や設備投資資金を確保していく考えだ。

2. 事業リスクについて
事業リスクとしては、主力製品である止血材の販売が想定どおり拡大しない可能性や、同社製品を上回る性能を持った競合品が台頭する可能性、次世代止血材の開発や日本での止血材、欧州での後出血予防材の承認が進まない可能性などが考えられる。こうした状況になれば、欧米市場における販売ライセンス契約の交渉にも影響を与えることになる。ここ数年は止血材の販売遅れや独占販売ライセンス契約の交渉長期化によって業績計画の下方修正が続いてきたが、欧州やオーストラリアでの販売ネットワークが確立されたなかで、今後はこれら地域でどの程度のペースで売上が成長していくかが注目される。まずは、保守的に計画を策定したとしている2018年4月期の売上状況に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

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