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7447 ナガイレーベン

東証P
2,351円
前日比
+20
+0.86%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
24.3 1.79 2.55 1.13
時価総額 840億円
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ナガイレーベ Research Memo(4):新規案件を順調に獲得できたことによって16/8期は増収増益


■業績動向

(1) 2016年8月期の連結業績概要

a)損益状況
ナガイレーベン<7447>の2016年8月期の連結業績は、売上高が前期比2.4%増の16,537百万円、営業利益が同2.9%増の4,950百万円、経常利益が同3.0%減の4,937百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.1%増の3,262百万円となった。売上高、各利益ともに期初計画を上回り、過去最高となった。

市場動向として2016年春からの診療報酬や薬価改定の影響が懸念されたが、診療報酬本体は+0.49%であったことから、特に大きな影響は見られず市場環境、業界環境は概ね安定していた。そのような環境下で、ずれ込んでいた大型の更新需要を確実に取り込んだこと、新規案件を順調に獲得できたことなどに加え、昨年度後半から実施してきた一部製品の値上げ効果もあり売上高は前期比で2.4%増となった。

売上総利益は前期比で202百万円増加したが、要因を分析すると売上増・値上げによるプラス要因が233百万円、海外生産比率の上昇(45.6%→47.4%)によるプラス効果が97百万円であった一方で、マイナス要因としては原材料・加工賃のアップ22百万円、為替レート(円高)による原価上昇115百万円があった。結果として売上総利益率は46.8%(前期46.6%)となり、前期比で改善した。一方で販管費は同2.4%増の2,784百万円であったが、当初から見込んでいた100周年記念関連費用34百万円、外形標準課税50百万円等があったことによるもので、ほぼ期初計画どおりとなった。この結果、営業利益は前期比では2.9%増となり過去最高となった。

一方、経常利益は前期比3.0%減となったが、これは主に営業外収益・費用での為替差損益の影響によるもので当初から予想されたことだ。2015年8月期は、売上原価での円安の影響をヘッジするために保有しているドル預金から発生した為替差益が226百万円であったが、2016年8月期は外貨ドル預金は減少させたが大幅な円高を受けて、70百万円の差損となったことなどから、経常利益は前期比で減益となった。ただし期初予想比ではプラスとなっている。特別損益では特に大きな変動や想定外のものは発生しなかったが、税率低下の影響により法人税等が減少し親会社株主に帰属する当期純利益は前期比1.1%増の3,262百万円となった。全体としておおむね予想に沿った結果であったと言えるだろう。

アイテム別の売上高は、ヘルスケアウェアが前期比2.6%増の9,674百万円、ドクターウェアが同2.0%増の2,654百万円、ユーティリティウェアが同10.3%減の601百万円、患者ウェアが同11.1%増の1,613百万円、手術ウェアが同0.9%増の1,574百万円、シューズが同3.1%減の204百万円、その他が同3.9%減の213百万円となった。

主力のヘルスケアウェアは第1四半期に一部で更新需要の切り替えや売上計上のずれなどがあったことから前年同期比で大幅なダウンとなったが、第2四半期以降に遅れ案件を取り戻し、計画していた更新需要も着実に獲得できたことから通期では前期比2.6%増と回復した。ドクターウェアもヘルスケアウェアと同様の傾向で、第1四半期の減収分を新商品群の健闘などもあって第2四半期以降で取り戻し、前期比でプラスとなった。

手術ウェアはコンペルパックの洗濯滅菌工場のキャパがフル状態となりほぼ前期並みにとどまった。患者ウェアは新商品群の貢献などもあり前期比2ケタの高い伸びとなった。ユーティリティウェアは個人支給から共用品への移行傾向が止まらず引き続き前期比で減収となったが、予想の範囲内であり驚くような結果ではなかった。シューズやその他商品も前期比でマイナスとなったが、金額が少ないため全体への影響は小さい。

地域別売上高では、東日本が前期比2.2%増の8,539百万円、中部日本が同3.2%減の1,717百万円、西日本が同4.1%増の6,080百万円、海外が同14.1%増の200百万円となった。東日本では第2四半期までは前年同期比若干のマイナスであったが、需要期である第3四半期を中心に下期は前年同期比4.2%増と健闘し通年では過去最大売上高を達成した。中部日本は市場性が小さく物件の多寡による影響が大きく、2016年8月期は物件の期ズレもあり前期比減収となったが、懸念される内容ではなかった。西日本では更新物件の確実な受注と新規物件の獲得によるシェアアップで順調に推移、目標をクリアーして過去最高売上を継続した。海外については、まだ売上規模は小さいが、品質や機能性が認知されリピーターが着実に増加しつつあることから増収率は2桁となった。

商品別売上高ではDCブランドが前期比14.8%減の720百万円、高機能性商品が同7.8%増の8,720百万円、標準機能性商品が同0.9%減の6,199百万円、量販品が同6.6%減の896百万円であった。市場のボリュームゾーンであり同社が最も拡販に力を入れている高機能性商品は標準機能性商品使用顧客を取り込み順調に拡大した。DCブランドや量販品は伸び悩んだが売上規模も小さく、特に大きく懸念される結果ではなかった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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