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7325 アイリック

東証G
717円
前日比
-7
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PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
39.0 1.72 2.09
時価総額 62.4億円
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決算発表予定日

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アイリック Research Memo(10):Fintech企業として成長目指す


■成長戦略

1. 3か年計画と成長イメージ
アイリックコーポレーション<7325>は成長戦略として、システムの業界プラットフォーム化による収益の拡大とともに、「スマートOCR」戦略のもと業容を拡大し、Fintech企業として成長を目指すことを基本方針としている。新型コロナウイルス感染拡大(以下、コロナ禍)の長期化による事業変化に対応して2022年6月に策定した3か年計画(2023年6月期~2025年6月期)では、1年目を「再始動の年」、2年目を「投資継続の年」、3年目を「成長の年」と位置付けて、最終年度となる2025年6月期の目標値に売上高8,495百万円~8,795百万円、売上原価等1,327百万円、売上総利益7,168百万円~7,468百万円、販管費6,468百万円、営業利益700百万円~1,000百万円を掲げている。2025年6月期における主要KPIとしては、直営店舗数70店舗、FC店舗数255店舗、直営店集客数30,000人(さらに既契約6,000人)、「AS」シリーズID数15,000などを掲げている。

重点施策として、保険SHOPの新しいスタイルの確立(デジタル技術活用による最良の顧客サービスの永続的提供)、「保険クリニック」の認知度向上と集客数の向上、DXを活用したオンライン相談の拡大、「ASシステム」の大型導入先の開拓と新サービスの提供、「スマートOCR」事業のさらなる拡大と販売力の強化を推進する。コスト面では、店舗生産性向上に向けた人員確保やM&Aにより販管費の増加を見込むが、「保険クリニック」の認知度向上に向けたマーケティング投資については効率を重視した施策に変更する方針だ。


株主還元策として自己株式取得も実施
2. 株主還元策
株主還元の基本方針は、業績の推移・財務状況、今後の事業・投資計画等を総合的に勘案し、財務体質の強化及び将来の事業展開に備えるために必要な内部留保とのバランスを保ちつつ、業績への連動性の高い利益配分を継続的に行うこととしている。また、株主に対する公平な利益還元のあり方という観点から、2023年6月期より株主優待制度を廃止し、株主還元を配当金に切り替えた。この基本方針及び株主優待制度廃止に基づいて、2023年6月期の配当は前期比3.0円増配の15.0円(期末一括)とした。配当性向は810.8%となる。そして2024年6月期の配当予想は前期と同額の15.0円(期末一括)としている。予想配当性向は81.8%となる。

なお2022年8月に株式の分布状況の改善及び流動性向上を図ることを目的として立会外分売(50,000株)を実施した。また資本効率の向上及び株主への利益還元を目的として、2023年2月15日より自己株式取得(上限500,000株又は400百万円、取得期間2023年2月15日~2023年8月14日)を実施して300,300株を取得した。さらに同年8月21日より自己株式取得(上限200,000株又は160百万円、取得期間2023年8月21日~2024年2月20日)を実施している。


事業を通じて社会課題の解決に貢献
3. サステナビリティ経営
同社は顧客、保険会社、代理店の「三者利益の共存」の実現を目指し、保険流通を「良循環化」させ、顧客の利益を守るために事業活動を行っている。同時に、事業活動が地球環境や地域社会に影響を与えることを認識し、社会課題の解決につながるサービスを提供し、サステナビリティの実現に向けた取り組みも推進している。

SDGsへの取り組み事例としては、保険販売事業を通じた保障の提供、クリニクラウン(臨床道化師)活動の応援、子どもの未来応援基金の支援活動、ITを活用したサービス提供による保険流通の利便性向上、女性従業員が活躍できる働きやすい職場環境・就業環境づくり、直営店におけるLED照明導入による省エネ化推進、エコキャップ運動への協力、少年野球教室の開催、地域の清掃運動への参加などがある。

なお2020年6月には、女性活躍推進法に基づく取り組みが優良な企業として、厚生労働大臣より「えるぼし」の最高位である「3段階目」(注:取得当時は最高位だったが、その後「プラチナ」という最上位のランクが新設された)を取得した。また2023年7月23日付の東洋経済オンライン「女性部長の比率が高い会社」ランキングで第4位(女性部長比率54.5%)にランクインした。管理職に占める女性比率が金融業・保険業の平均値を大きく上回るだけでなく、福利厚生の充実によって産休育休後の復帰率は90%台を維持している。


事業基盤強化の進展を評価
4. 弊社の視点
同社は保険分析・販売支援プラットフォーマーとして、第1の柱である「保険クリニック」事業の拡大、第2の柱である「AS」シリーズの拡大、そして第3の柱と位置付ける「スマートOCR」の拡販によって収益拡大を図るとともに、業界の枠を超えたFintech企業としての成長を目指す方針である。2023年6月期は大規模プロモーション投資や人財投資、さらに一時的費用の影響で減益だったが、売上面では第1の柱である「保険クリニック」事業が順調に拡大し、ストック型収益で第2・第3の柱となる「AS」シリーズと「スマートOCR」が大幅に伸長するなど、Fintech企業としての事業基盤強化が進展していると弊社では評価している。さらに、ストック型収益の拡大により今後の収益力向上が加速する可能性がある点にも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SO》

 提供:フィスコ

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