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6769 ザインエレクトロニクス

東証S
1,121円
前日比
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PTS
1,115円
22:29 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.0 1.29 1.34
時価総額 138億円
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決算発表予定日

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ザイン Research Memo(6):中期経営戦略「J-SOAR」について


■今後の見通し

2. 中期経営戦略「J-SOAR」について
(1) 中期経営戦略の概要と経営数値目標
ザインエレクトロニクス<6769>は今後の成長に向けて、2017年2月に3ヶ年中期経営戦略「J-SOAR」を発表した。基本戦略としては、同社が強みとする高速情報伝送技術を軸足として、顧客課題を解決するとともに、世界市場に向けて同社独自の日本発ソリューションを提供していくことを掲げている。具体的な施策としては、大規模の販売数量が見込まれるPC/VR等民生機器市場や、IoT、車載機器市場等に向けて、新製品を投入していくほか、LSI単品ビジネスだけでなく、差別化、高付加価値化を図るためモジュールビジネスにも展開していく。さらには、シナジーが見込めるアライアンスやM&Aなども引き続き推進していく考えだ。

経営目標値としては、2019年12月期に連結売上総利益2,600百万円以上、従業員1人当たり売上総利益で18百万円以上の達成を目指していく。2019年12月期における売上総利益のうち、2017年以降に投入した新製品の寄与度は36%に達すると同社では想定しており、利益増分についてはこれら新製品で伸ばしていくことを想定している。新製品のうち約半分は次世代USB規格対応品を中心とした民生機器向けで、3割強を産業機器向け、残りを車載機器向けになると同社では想定している。

研究開発費については新製品開発のため、2017年12月期に1,514百万円と戦略的に開発費を投下したが、2018年12月期は1,081百万円、2019年12月期は1,200百万円程度と過去平均並みの水準を見込んでいる。今後の重点開発項目としては、次世代USB対応リドライバのラインナップ拡充のほか、2018年中にサンプル出荷の開始を目指している次世代高速通信インターフェース規格「V-by-OneRUS」を搭載した新製品などが挙げられる。

また、連結従業員数に関しては開発人員を中心に増員していく方針となっているが、1人当たり売上総利益の目標から逆算すると2019年12月期でも144名程度(2017年12月末は133名)となるため、この間の固定費については大きな増加を見込んでいないものと考えられる。

(2) 注力市場と開発戦略
注力する戦略市場として、民生機器市場では次世代USB対応リドライバの需要が見込まれるPC・マザーボードやHDD、プリンタ等の周辺機器のほか、「V-by-OneRUS」技術の需要拡大が見込まれる8Kテレビ向け等となる。特に、次世代USBが搭載される電子機器のポート数は20億台が見込まれており、潜在市場は大きい。

車載市場では、1億台の需要があると言われる車載カメラ市場の取り込みが挙げられる。車載カメラはリアカメラのほか、ドライブレコーダー用として市場が拡大しているが、今後は自動運転技術の進展とともに搭載数量の増加や高解像度化が進むと見られており、同社の高速情報伝送用半導体の需要も拡大することが予想される。実際、足元では引き合いが活発化しており、2020年以降に投入が予定されている新車への採用も増えているもようだ。現在、車載機器向けの売上構成比は1割強だが、2020年以降は成長ペースが加速化し、2~3割程度まで構成比が上昇するものと予想される。車載カメラやセキュリティカメラ向けでは「V-by-OneRHS」技術を使った新製品の需要増が期待される。同製品はフルHD画像を1ペア/本の同軸ケーブルのみで長距離伝送を可能としたほか、データ圧縮による伝送遅延もなくリアルタイム伝送を実現した高速情報伝送用半導体となる。同社ではISPも合わせたソリューション提案によって受注拡大を目指していく。

産業機器市場のうち、OA機器向けでは高速情報伝送用半導体の新製品投入と電源用やモータードライバ用半導体などと組み合わせたソリューション提案によって機器1台当たりの売上拡大を目指していく。また、工業用カメラ分野での新たなソリューションとして高速インターフェース技術「VBOCTM(Video By One Cable/Connector for Camera)」を2017年12月に発表している。工場などでカメラをセンサとして活用するIoTソリューションへの取り組みが活発化しており、カメラの高解像度化が進むなかで高速伝送技術に対するニーズも高まってきたことが背景にある。同社が提唱する技術は「V-by-OneR HS」をベースとしたもので、現在主流のLVDS技術と比較して10倍超の高速化を実現しており、今後対応製品の需要拡大が見込まれる。

PCやデジタル家電製品の高性能化に伴う伝送スピードの高速化だけでなく、車載、産業機器分野でのカメラ需要の拡大と高解像度化の進展は、高速インターフェース技術を強みとする同社にとって業績を拡大する好機になると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

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