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2018年03月13日19時30分

【特集】勃興「ブロックチェーン」関連株、足踏み“仮想通貨市場”よそに高成長へ <株探トップ特集>

コインチェック事件以降、上値の重い推移が続くビットコインレート。G20での規制強化の可能性もあり、仮想通貨関連株の先行きは不透明だ。一方、ブロックチェーンの利用は広がっており、関連銘柄には注目が必要だ――。

―G20「仮想通貨」規制論議に注視、年前半は二極化の可能性も―

 大手仮想通貨交換会社「コインチェック」からの資金流出事件という、“激震”に見舞われた「仮想通貨市場」。その余震は収まらず、ビットコイン価格 は依然として不安定な値動きを続けている。仮想通貨市場に対しては規制の動きも不透明で、当面は上値が重い展開が続くとの見方も出ている。その一方、仮想通貨の基幹技術である「ブロックチェーン(分散台帳)」では新たな技術展開もみられ着実な成長が続く。今年前半は、ビットコインなど仮想通貨相場が一服する一方、ブロックチェーン関連株の勃興がみられるかもしれない。

●「Mt.Gox」の影に怯えるビットコイン市場

 足もとでビットコイン価格は1BTC=98万円前後で推移している。昨年は、一時220万円超と年初から20倍以上に急騰し、市場関係者の度肝を抜いたビットコイン相場だが、今年は年初から軟調展開。2月初旬には60万円台と高値から4分の1近辺に落ち込んだ。ただ、今月初旬には一時120万円台まで値を戻すなど、目まぐるしい「ジェットコースター相場」が続く。

 波乱相場の象徴となったのは、コインチェックから580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した事件だ。年初からの下落は、韓国や中国の規制強化の動きなどの影響も大きかったが、「コインチェック事件は、国内投資家の心理(センチメント)を冷やすのには十分な役割を果たした」(市場関係者)との見方が強い。さらに、仮想通貨相場を巡っては足もとで複数の不透明要因が語られている。「マネックス仮想通貨研究所」の所長で、マネックス証券チーフ・アナリストの大槻奈那氏は「今月19日から20日に予定されている20ヵ国・地域(G20)首脳会議で世界的な規制強化の動きが出てこないかどうかが気になる」という。

●イノベーション期待強く、調整後には反騰余地

 この世界的な規制への懸念に加え、直近では2014年に経営破綻した仮想通貨交換業者「マウント・ゴックス(Mt.Gox)」がビットコインなど430億円相当を売却したことが明らかになった。Mt.Goxは2000億円相当の売却余地を持つと言われていることもビットコイン相場の弱気材料となっている。

 前出の大槻氏は「ビットコイン価格は当面、底割れすることはないだろうが、上値も重いだろう」という。もっとも「イノベーション面への期待は強いだけに、中期的には一定の上値は期待してもいいと思う」ともみている。

●スマートコントラクトなどブロックチェーンの成長力大

 昨年の急騰相場の後遺症に襲われている仮想通貨市場だが、その一方で、仮想通貨を支える根幹技術である“ブロックチェーン”を積極的に取り入れる動きが出ており、関連銘柄の株価にも動意がみられている。

 ブロックチェーンは、「データ改ざんが難しい」「低コストでのシステム構築が可能」などの特徴を持つ。契約や登記などの分野への応用が可能なほか、契約を自動的に実行する「スマートコントラクト」も可能とするなど潜在的な成長性は図り知れない。

 例えば、家計簿アプリなどを手掛け株価は新値圏にあるマネーフォワード <3994> [東証M]は、社内に「MFブロックチェーン・仮想通貨ラボ」を設立。仮想通貨やブロックチェーンの技術を用いた決済・送金システムを開発し、同社の会計ソフトと連携することを狙っている。

 また、ベネフィット・ワン <2412> [東証2]はブロックチェーン関連のベンチャー、ゼロビルバンク・ジャパン(東京・品川区)と業務提携。例えば、期日通りに提出物を出した従業員に企業内通貨を自動的に付与。貯まった同通貨を2万点のなかの商品から交換可能にし、インセンティブを高め、働き方改革の推進に結び付ける。

●インフォテリ、弁護士コム、GMOテックなど

 インフォテリア <3853> [東証M]は中部電力 <9502> などと共同で、電気自動車(EV)の充電状況をスマートフォンで管理できるシステムの実証実験を開始した。充電履歴をブロックチェーンに記録することで、少ない導入費用で信頼性の高い充電管理システムの運用が可能になる。

 GMO TECH <6026> [東証M]は、ブロックチェーン技術を活用し、店舗独自の電子マネー を簡単に作れる「GMOアップカプセル電子マネー」を開発。店舗アプリを利用した店頭でのチャージや支払いまでを簡単にできるようにした。

 弁護士ドットコム <6027> [東証M]とデジタルガレージ <4819> は、りそな銀行と個人向けローン業務の効率化を実現するスマートコントラクトシステムの実証実験を始めている。「自動借入」「自動返済」などの手続きが自動的に実行されるシステムの構築を目指している。

 さらに、ブロックチェーンを活用したゲーム事業での展開に期待が強いモバイルファクトリー <3912> や、同技術を活用し本人のみ受け取り可能な宅配ボックスの実験を進めるセゾン情報システムズ <9640> [JQ]、それに金融系のブロックチェーン技術に取り組むアイエックス・ナレッジ <9753> [JQ]などにも注目したい。

株探ニュース

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