信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

6769 ザインエレクトロニクス

東証S
992円
前日比
-5
-0.50%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.2 1.17 1.51
時価総額 122億円
比較される銘柄
メガチップス, 
ネクスG, 
Tホライゾン

銘柄ニュース

戻る
 

ザイン Research Memo(1):次世代USB対応リドライバの本格離陸により、18/12期以降業績は拡大局面へ


■要約

ザインエレクトロニクス<6769>は日本のファブレス半導体メーカーの草分け的企業。高速情報伝送用半導体に強み。テレビ向け主体から、ここ数年は産業機器市場、車載機器市場の開拓に注力している。無借金経営で財務体質は良好。

1. 2017年12月期は4期ぶりの増収に転じる
2017年12月期の連結業績は、売上高で前期比9.0%増の3,165百万円、営業損失で490百万円(前期は181百万円の損失)となり、期初会社計画(売上高3,008百万円、営業損失682百万円)を若干上回って着地した。売上高はOA機器や車載機器向けに主力の高速情報伝送用半導体が好調に推移したことで、4期ぶりの増収に転じた。一方、利益面では次世代USB対応リドライバ等の新製品開発に向けた研究開発費が前期比294百万円増の1,514百万円と増加したことにより、2期連続での損失計上となった。

2. 2018年12月期業績は下期から黒字転換する見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比11.5%増の3,528百万円、営業利益で11百万円と3期ぶりの黒字転換を見込んでいる。上期は売上高で1,555百万円、営業損失で85百万円と低迷するもの、下期からは期待の新製品である次世代USB対応リドライバ※の売上げが本格的に拡大することで黒字基調に転じる見通しとなっている。同製品はパソコン及び周辺機器のほか、デジタル家電製品への普及も見込まれており潜在需要は大きい。また、費用面では研究開発費がピークを越え前期比433百万円減少することも増益要因となる。

※USB3.1 Gen2規格(伝送速度10Gbps)に対応した高速情報伝送用半導体。規格では、データ転送速度向上に伴い最大ケーブル長が1mまで短縮されたが、同製品を用いることで規格の1mを超える長距離伝送が可能となる。


3. 中期経営戦略「J-SOAR」は順調に進捗
現在、進行中の3ヶ年中期経営戦略「J-SOAR」では2019年12月期に売上総利益で2,600百万円以上(2017年12月期比34%増)、従業員1人当たり売上総利益で18百万円以上(同23%増)を目指している。営業利益では400百万円程度の水準になると試算される。2019年12月期の売上総利益の4割弱を2017年以降に投入する新製品で稼ぎ出す計画となっており、次世代USB対応リドライバがその中心となってくる。また、2018年中のサンプル出荷を目指している次世代高速情報伝送技術「V-by-OneR US」を搭載した製品にも期待が掛かる。同製品は普及拡大が見込まれる8Kテレビの機器内配線ケーブル(映像信号用)を従来比1/4に削減することが可能で、デファクト・スタンダードとなる可能性が高い。また、工業用カメラ向けにも伝送スピードで従来の10倍超を実現するインターフェース技術「VBOC」を2017年12月に発表しており、今後、関連する半導体の売上増が期待される。なお、車載市場についても、今後カメラセンサが数多く搭載されるため同社にとって有望市場となる。車載向けの売上げは2020年以降に成長スピードが加速化し、売上構成比では現在の1割強から2~3割まで拡大していくものと予想され、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと弊社では見ている。

■Key Points
・半導体ファブレスメーカーで売上総利益率の水準は世界トップクラス
・次世代USB規格対応リドライバが今下期から本格拡大し、業績は3期ぶりに黒字転換する見通し
・車載、産業機器分野でのカメラ需要拡大と高解像度化の進展は、高速インターフェース技術を強みとする同社にとって業績を拡大する好機に

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均