貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6730 アクセル

東証S
1,636円
前日比
-11
-0.67%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.3 1.43 4.40 11.78
時価総額 183億円
比較される銘柄
EIZO, 
ザイン, 
メガチップス
決算発表予定日

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アクセル Research Memo(5):LSI開発販売関連は2ケタ増収増益、新規事業関連はAI領域のビジネスが順調


■業績動向

2. 事業セグメント別の動向
(1) LSI開発販売関連
LSI開発販売関連セグメントの売上高は前期比36.5%増の13,852百万円、セグメント利益は同38.7%増の2,785百万円となった。製品別売上高をアクセル<6730>が開示している売上構成比から試算すると、G-LSIは前期比27%増の40億円、メモリモジュールを含む周辺LSIが同42%増の98億円となった。G-LSIは販売数量で約15%増、販売単価で約10%上昇したと見られる。製品ミックスが若干変化(「AG5」から「AG6」へのシフト)したことに加え、円安に伴う仕入コスト増分の価格転嫁が一部進んだことが主因だ。また、メモリモジュールについても搭載メモリ容量の増加に伴って販売単価が上昇した。汎用メモリの市況は軟化が続いているものの、遊技機向けに搭載されるメモリは特殊仕様となっているためビット当たり単価は安定している。なお、「AG5」から「AG6」へのシフトは限定的にとどまっている。「AG5」の顧客評価が想定以上に高いことに加え、「AG6」で新機種を開発するためには新たな開発プラットフォームを整備する必要があるほか、「AG6」の消費電力が大きく販売価格も高いことが要因だ。このため、同社は低消費電力版の投入も予定している。

(2) 新規事業関連
新規事業関連セグメントの売上高は前期比19.1%増の622百万円と拡大した一方で、セグメント損失は405百万円(前期は545百万円の損失)となった。人員体制の強化なども含めて費用が増加したが、増収効果により損失額は縮小した。なお、営業外収益として計上している助成金収入を含めたベースで見ると、損失額は291百万円(前期は406百万円の損失)となる。

売上高の増収要因は、機械学習/AI領域における開発案件の増加や「ailia SDK」のロイヤリティ収入増加等による。「ailia」の認知度が拡がり様々な業界で開発が進んでいる。FA分野では、製造ラインの異常検知用システムとして採用されたようだ。


無借金経営、手元キャッシュも豊富で財務内容は良好
3. 財務状況と経営指標
2023年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,608百万円増加の13,883百万円となった。流動資産では現金及び預金が412百万円、売掛金及び契約資産が203百万円増加したほか、キャッシュ・ポジションの移動を企図してA格付け以上の債権を1,200百万円取得した。固定資産では投資有価証券、繰延税金資産を中心に投資その他の資産が196百万円減少した。

負債合計は前期末比542百万円増加の2,187百万円となった。主に買掛金が278百万円、未払法人税等が139百万円それぞれ増加した。また、純資産合計は同1,066百万円増加の11,695百万円となった。配当金支出が432百万円あった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,353百万円を計上し、利益剰余金が920百万円増加した。

経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は負債が増加したことにより、前期末の86.0%から83.5%に低下したものの、現金及び預金と有価証券を合わせると100億円を超えているほか、無借金経営を続けていることから、財務の健全性は極めて高いと判断される。一方で、収益性に関しても売上高営業利益率で11.2%、ROEで12.2%、ROAで13.9%とそれぞれ4期連続で上昇し、売上高営業利益率とROAは8期ぶりに10%台に乗せるなど回復基調が続いた。パチンコ・パチスロ機向け半導体需要の回復が主因で、先行投資段階にある新規事業関連が収益化ステージに入ってくれば、さらに上昇する可能性があると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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