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2016年10月26日20時00分

プーチンが来る―復活オイルマネーとロシア関連「動き出した穴株」 <株探トップ特集>


―関連株への資金流入予測、年末高へ北の国から熱い風―

 決算発表本格化を前に東京株式市場は手探りの状況が続いている。東証1部の騰落レシオが140%超の状況にあって、目先反落懸念からテーマ買いの動きもいったんは鳴りを潜めているが、なお先高期待は強い。外国人買い復活の思惑を背景に11月中旬以降、堰(せき)を切ったように年末高へ向けた物色資金の流入を予測する声もある。

 そのなか、年末高に向かう過程で最も熱いラリーが期待できるのはロシア関連株だろう。

●蛇の目、東海運、川上塗料が先駆大相場へ

 ここ最近の関連銘柄の値動きをみると、蛇の目ミシン工業 <6445> が9月下旬の500円台半ばから前日の年初来高値827円まで約1.5倍になったほか、同じく9月中旬に200円台後半でもみ合っていた東海運 <9380> は、その後5日移動平均線を絡めて急勾配の上昇波を形成し、前日に9年ぶりに400円大台を回復する大出直り相場を演じた。蛇の目は家庭用ミシンでロシア向けに高い売り上げ比率を持っており、東海運はロシア向け国際物流を展開していることで投機資金の食指を動かした。

 また、同様にロシア向けの売上高比率が高いことで知られ、ロシアの国営会社ガスプロム向けに天然ガスパイプライン用塗料を納入した実績を持つ川上塗料 <4616> [東証2]は10月17日を境に急動意、わずか5日間で株価が2倍となる“火柱高”を演じている。そして、これらの銘柄以外にも、あすの急騰候補が、間欠泉のように自らの出番を待っているようなムードが今の東京市場にはある。

 10月下旬現在、巷間は話題性豊富なフィリピンのドゥテルテ大統領来日で盛り上がっているが、12月15日には真打ち登場、ロシアのプーチン大統領が来日し、安倍首相の地元である山口県で首脳会談を行う予定にある。これまで暗礁に乗り上げていた北方領土問題の進展を図るとともに、日ロ間の経済協力を巡って協議が進められる見通しにあり、プーチン大統領と安倍首相のパイプは太いだけに、12月会談に向けてマーケットの関心も日増しに高まることが予想される。

●北方領土問題の前進で新たなステージへ移行

 資源エネルギー開発や極東地域の振興などを掲げた経済協力8項目では日本企業にとっても収益機会の大きな広がりをもたらす。ウラジオストクはロシアでは希少な不凍港で日本の製造業の生産拠点となり得る一方、日本では新潟県を日ロ貿易の窓口に新たな物流の流れを生むことになる。ロシア関連株について、足もとはややマネーゲーム的な側面も否定できないとはいえ、テーマとして非常に強力という見方を示す市場関係者は少なくない。

 日ロ間の経済協力に向け前提となるのは北方領土の問題だ。これについては歯舞群島、色丹島の2島返還を先行させる案や、日本・ロシア両政府の共同統治案などが取り沙汰されているが、北方領土の返還あるいは帰属というかたちとなれば日本にとって大きなサプライズとなり、北方での海域が広がる水産など直接的なメリットを享受する企業も出てくる。

 東洋証券ストラテジストの大塚竜太氏は「これまでの歴史をみても私が認識している範囲では、戦争で奪われた土地を一滴の血を流さずに外交で取り戻した事例はほとんどない。それだけに安倍首相に対する期待も大きいし、株式市場にも強いインパクトを持ってテーマ性を与える背景ともなっている。一部民間の世論調査で2島先行返還を道内の約半数が支持していることも、この問題の進展に現実味をもたせている」と指摘する。

●安倍長期政権がロシアとの可能性を広げる

 そして、直近での決定的な追い風材料として大塚氏は「自民党が議論していた総裁任期について現行任期の“連続2期6年”を“連続3期9年”に延長する方向を固めたことが大きい」という。現在の党則は総裁任期の連続3選を禁止しているが、それを改める可能性が高まってきた。18年9月に総裁選を実施し、安倍首相が勝利すれば任期は21年9月までとなり、憲政史上最長の長期政権が誕生することになる。任期の3年延長はアベノミクスの仕切り直しを可能とするだけでなく、日本とロシアの間では安倍・プーチンの長期政権が腰を落として現実的な交渉を進めることができるようになってくるわけで、これが関連銘柄への中期的な追い風となるとの見方を示している。まさにロシア関連は、これまでの漠とした流れを断ち切り、古くて新しいテーマとしてようやく日の目をみる可能性が高まってきたといえそうだ。

●原油市況底入れ反転でオイルマネー回帰も

 さらに、忘れてならないのはOPECの減産合意で原油市況の底入れがほぼ確認されたことだ。直近のWTI原油価格、ドバイ原油価格ともに1バレル=50ドル台近辺で推移、年初の30ドル台を割り込んでいた局面から考えればその差は歴然で、世界で出遅れている日本株はオイルマネー換金売りの洗礼から一転、買い戻しの有力対象に浮上してくることも考えられる。

 そのなか、世界2位の石油輸出国であるロシアがOPECに歩調を合わせ減産に合意し、原油価格安定が担保されたことは、今後、資源開発関連企業や総合商社、プラント株などにとっても間接的な株価浮揚の足場として市場で認知が進むことになるだろう。これまで下値は日銀が買っても上値を買う主体がいないことが、東京市場の悩みの種だったが、ロシアを含めたオイルマネー回帰は、再び高みを目指す強力な原動力としてマーケットで存在感を漂わせることになる。

●総合商社本命、資源開発やプラントにも商機

 有力関連株としては、前述した蛇の目や東海運、川上塗料などが目立った存在だが、ほかにも幅広い業種にビジネスチャンスが巡ることになる。「本当の意味で最大のチャンスに恵まれるのは総合商社ということになる」(大塚氏)と指摘。三菱グループ中核で業界最大手の三菱商事 <8058> 、原油の生産権益で群を抜く三井物産 <8031> のほか、丸紅 <8002> 、住友商事 <8053> 、伊藤忠商事 <8001> などはマークが怠れない。

 国際石油開発帝石 <1605> 、日本海洋掘削 <1606> 、石油資源開発 <1662> などの資源開発関連株も実力を発揮する場面が出てきそうだ。また、北方での海域が広がることで恩恵を受けるのが日本水産 <1332> 、マルハニチロ <1333> などの水産株だ。

 石油化学プラントを手掛ける千代田化工建設 <6366> や日揮 <1963> 、東洋エンジニアリング <6330> なども要注目といえる。プラント株特有の戻り足の速さと天井の高さは魅力となる。

●指標株のJT、穴株のリンコー、オリンパスなども活躍機会

 このほか、個別ではロシア向け売上高の大きい銘柄として指標株の位置づけでスポットライトが当たるのがJT <2914> だ。時価総額が大きいだけに、これまでは薄商いの相場で蚊帳の外にあったが、オイルマネーが動きだすとなれば話は変わってくる。原油価格が安定した場合、通貨ルーブルの急落懸念も希薄化され、同社の収益面にも追い風材料となることは間違いない。

 電子天秤トップメーカーのエー・アンド・デイ <7745> は意外にもロシア向け売上比率が1~2割と高く、9月下旬以降一貫した上昇波を継続していることでマーケットの注目を集めている。駒井ハルテック <5915> は三井物産や富士電機 <6504> などと共同で、カムチャツカで風力発電機とマイクログリッドシステム装置の設置工事を昨年末に完了し、今年から実証運転を開始している。さらに、新潟市に本拠を置く港湾運送業大手で、新潟市と佐渡島でホテル経営も行うリンコーコーポレーション <9355> [東証2]は、株価低位でなおかつPBR0.3倍台と超割安なだけに穴株として注目だ。

 また、ロシアではソ連崩壊後に人口が大幅に減少しており、医療制度改革や法整備、薬剤確保、医療機器設備の更新などに積極的に取り組んでおり、高技術を有する日本の医療機器メーカーにも活躍の機会が訪れそうだ。医療関連機器で高い商品技術力を誇るオリンパス <7733> 、HOYA <7741> 、富士フイルムホールディングス <4901> 、テルモ <4543> 、オムロン <6645> のほか、医療機器販売を手掛けるシップヘルスケアホールディングス <3360> なども外せない。

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