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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6545 IIF

東証G
441円
前日比
+7
+1.61%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.6 1.70 1.13 263
時価総額 23.9億円
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決算発表予定日

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IIF Research Memo(5):2023年3月期は事業環境の好転、M&A効果により増収


■業績動向

1. 2023年3月期の業績概要
インターネットインフィニティー<6545>の2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比7.1%増の4,464百万円、営業利益が同36.5%減の99百万円、経常利益が同48.4%減の149百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同81.2%減の35百万円となった。新型コロナウイルスワクチン接種の進展、経済社会活動の正常化、ウィズコロナを前提とした新たな生活様式の浸透など、外部環境が好転したほか、2022年10月に連結子会社化した正光技建、同年12月に事業譲受した施設介護事業が売上高を押し上げた。これらの要因により、レコードブック事業、Webソリューション事業、ケアサプライ事業、在宅サービス事業、各事業が増収となった。事業自体は好調な推移を見せたものの、利益面に関しては、将来の生産性・収益性の向上を目的としたシステム投資、通常の事業活動が再開するなかでの報酬水準の見直し、事業ポートフォリオ拡大のためのM&Aなどにより、減益となった。M&A関連費用などによって減益となったものの、当該M&Aは中期ビジョンの下、健康寿命延伸を実現するために実行されたものである。介護保険制度外も含めた事業ポートフォリオの拡大に加えて、同社既存事業との相乗効果も発揮されており、将来の業績拡大に貢献することが期待される。

セグメント別の業績は以下のとおり。

(1) ヘルスケアソリューション事業
ヘルスケアソリューション事業の売上高は前期比8.4%増の3,136百万円、営業利益は同23.4%増の417百万円と増収増益となった。

a) レコードブック事業
レコードブック事業の売上高は前期比3.7%増の1,887百万円、営業利益は同34.0%増の284百万円となった。新型コロナの影響を受けながらも既存加盟店の新規出店施策に注力し、新規フランチャイズ店舗数を着実に増加させたこと、高齢者の運動習慣の重要性への理解が浸透し、レコードブック既存店舗の稼働率が全体的に回復基調で推移したことなどを受け、加盟店からのロイヤリティ収入が前期比で増加した。収益性の高いフランチャイズ店舗が着実に増加したことを受け、セグメント営業利益率も前期比プラス3.4ポイントの15.1%まで高まっている。

同社は、コロナ禍においても一定の新規出店を継続した。新規加盟に加え、既存加盟店に対して業績向上支援に注力することで、2店舗目・3店舗目の出店を促す戦略が順調だった。利用者数については、各種制限措置の段階的な緩和や健康二次被害を予防するための対策として、高齢者の運動習慣の重要性への理解が浸透した結果、増加基調で推移している。新型コロナ第8波による影響もこれまでと比較すると軽微にとどまっており、2023年3月の利用者数は過去最高を更新している。

b) Webソリューション事業
Webソリューション事業の売上高は前期比1.3%増の233百万円、営業利益は同8.2%増の53百万円と増収増益だった。収益性の高いWebソリューション事業に注力するなかで、シルバーマーケティング支援、メディカルソリューションが増収となったものの、仕事と介護の両立支援の売上高のみわずかながら前期を下回った。

仕事と介護の両立支援は、SDGs・ESG推進の追い風を受け需要が旺盛ななか、日立グループ各社やコーンズグループ会社など、新たにサービスを導入する企業を着実に増加させた。加えて、2022年10月から開始した新規クラウドサービス「わかるかいごBizクラウド」の評価も高かったという。一方で、退会する企業があったために減収となった。

メディカルソリューション分野に関しては、製薬企業・医療機器メーカー向けのセミナー開催をはじめとする営業活動強化を実施したほか、プロモーション活動にも注力し、複数の新規案件を獲得するなど好調だった。シルバーマーケティング支援に関しては、新型コロナの影響を受け、顧客企業がマーケティング予算を縮小するなかにあっても、しっかりと増収を確保した。

トピックとしては、先述の「わかるかいごBizクラウド」の提供を2022年10月より新たに開始している。顧客企業の従業員の実態把握調査の実施から、調査結果の分析・比較、必要な支援施策の検討・実施(依頼)までの各種コンテンツをクラウド上で一元管理できるため、操作性と利便性が大幅に向上している。また、各種施策の実施状況や実績、制作コンテンツについてもクラウド上で確認でき、情報管理やセキュリティ面での安全性も向上した。2024年3月期以降においては、「わかるかいごBizクラウド」を通じて提供するサービスラインナップを強化しながら、クロスセルとアップセルに引き続き注力していく方針だ。

c) ケアサプライ事業
ケアサプライ事業の売上高は前期比20.4%増の1,015百万円、営業利益は同3.9%増の79百万円と増収増益だった。既存事業が好調だったことに加えて、2022年10月に正光技建を連結子会社化したことを受け、売上高は急伸した。一方で、利益面に関しては増益だったものの、正光技建のM&Aに関連する費用を計上したことなどを受け、売上高の伸びと比較すると相対的に小さい伸びとなった。

同事業においては先述のとおり、フルケアと正光技建のシナジー効果が営業活動面、バリューチェーン面、双方において発揮されている。今後も両社の相乗効果により、業績が拡大していくことが期待される。

(2) 在宅サービス事業
在宅サービス事業の売上高は前期比4.2%増の1,327百万円、営業利益は同24.7%減の284百万円となった。売上高に関しては、2022年12月に(株)合の家が運営していた住宅型有料老人ホーム「フルール・ガーデン市原」及び「フルール・ガーデン相模原」に関する事業を譲受したことなどを受け、増収となった。一方で利益面に関しては、2023年3月期期首にカンケイ舎を分社化したこと、施設介護事業を事業譲受したことなどにより費用が増加し、減益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《YI》

 提供:フィスコ

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