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6545 IIF

東証G
441円
前日比
+7
+1.61%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.6 1.70 1.13 263
時価総額 23.9億円
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決算発表予定日

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IIF Research Memo(3):ヘルスケアソリューション事業及び在宅サービス事業を展開(1)


■事業概要

インターネットインフィニティー<6545>は、ヘルスケアソリューション事業及び在宅サービス事業を展開している。ヘルスケアソリューション事業では、高齢者の健康寿命を延ばすための短時間リハビリ型デイサービス「レコードブック」の運営を行うレコードブック事業、ケアマネジャー専用ポータルサイト「ケアマネジメント・オンライン」を通じて構築したケアマネジャーネットワークを利用したシルバーマーケティング支援や仕事と介護の両立支援等を行うWebソリューション事業、福祉用具のレンタル・販売を行うケアサプライ事業を展開している。一方、在宅サービス事業では、在宅高齢者の各種介護保険サービスを提供している。

2023年3月期の売上構成比は、レコードブック事業42.3%、Webソリューション事業5.2%、ケアサプライ事業22.7%、在宅サービス事業29.7%となっている。

1. ヘルスケアソリューション事業
超高齢社会を迎え直面している課題を解決するために、「レコードブック店舗ネットワーク」「ケアマネジャーネットワーク」「介護相談データ」等のプラットフォームを活用し、健康寿命の延伸、高齢者の生活環境の整備や介護現場の情報整備と共有、シルバーマーケティングに関する支援、仕事と介護の両立のための支援を行っている。

(1) レコードブック事業
要介護認定者や要支援認定者を対象に、身体機能の維持・回復・改善を目的として、短時間リハビリ型デイサービス「レコードブック」を運営している。2023年3月期末時点では直営店31店舗、フランチャイズ店168店舗、名古屋鉄道<9048>との合弁会社である(株)名鉄ライフサポートが愛知県を中心に展開する「名鉄レコードブック」21店舗を展開している。総店舗数は前期末比9店舗増の220店舗となっており、新型コロナの影響を受けるなかにあっても、着実に店舗数を増加させてきている。新型コロナの分類が5類に移行し、足元では新規出店を希望する問合せが増加している。出店に適した物件の選定に注力しながら、2024年3月期以降は出店ペースを再加速させていく方針だ。

レコードブックの特長は、フィットネスクラブやダンススタジオなどをイメージさせる「介護を感じさせない空間」、科学的根拠に基づいた本格的な運動プログラムを取り入れた「専門的な運動指導」、おもてなしと活気にあふれた空間を演出して積極的にコミュニケーションを図る「ホスピタリティ」であり、これまでの介護施設のイメージから脱却したリハビリ型デイサービスとなっている。レコードブック独自のマシンを使用しないプログラムやティータイムを設けるなどの充実した内容で利用者の満足度が高く、会員継続率が高い。

レコードブックのプログラムには同事業を通じて収集されたデータが積極的に活用されている。2022年4月には、レコードブックデータとAIを活用した歩行解析アプリケーションを(株)LiveSmartと共同開発し、レコードブック直営店でサービスを開始している。TUG測定※をアプリで撮影して利用者の歩行能力を可視化し、歩行スコアやバランススコアといった項目を自動で分析・評価しレポートを作成、測定結果に基づいた「アドバイス」や「おススメプログラム」を提案している。このほかにも、その他の運動プログラムを筑波大学と共同開発するなど、AI・IoTを活用した健康寿命延伸ソリューションの開発を推進している。今後もデータやAIを活用して同事業の競争優位性を高めていく方針だ。具体的には、転倒予防・防止に貢献することができるような新規サービスの開発などを検討していく。

※TUG(Timed Up and Go)測定は、歩行能力や動的バランス、敏捷性などを総合的に判断するテストとして世界的に使われている指標。一般的には転倒リスクの高い高齢者に有用なテストとされている。


レコードブックは、自己判断ができる軽度(要支援、要介護1~2)の介護認定者をターゲットとすることで、競合相手の少ない優位なポジションを獲得している。レコードブックが属するリハビリ型デイサービス施設は、対象人数に対して店舗数が少なく、市場規模の拡大余地や新規利用者見込数が大きいことから、さらなる事業拡大が見込める。また、軽度の介護認定者をターゲットとしているため、店舗内での物品販売なども可能だ。なおレコードブックは、直営店に加え2014年からフランチャイズ展開を開始しており、加盟店からのロイヤリティ収入が安定した収益源(ストック収益)となっている。

(2) Webソリューション事業
a) シルバーマーケティング支援
「ケアマネジメント・オンライン」に登録しているケアマネジャーネットワークを活用してアンケート等による定性・定量調査や要介護高齢者へのサンプリング等を行うことで、顧客企業のマーケティングリサーチやプロモーション支援を展開している。「ケアマネジメント・オンライン」はケアマネジャーの業務支援を目的としたポータルサイトで、介護保険法改正を含む介護に関連する最新情報や、業務に必要なツール・マニュアルなどを提供しており、ケアマネジャー業務に欠かせないツールとして定着している。2023年3月期においても業務支援ツールのブラッシュアップや外部企業とのタイアップによりコンテンツの質・量を高めた。これらにより、会員数は順調に増加しており、2023年3月期末時点で10万人超のケアマネジャーが会員登録している。今後も、同ポータルサイトの訴求力を高めていく方針であり、2024年春の介護保険法改正に向けてさらなるコンテンツ拡充に注力していく。さらに、ケアマネジャーの業務負担軽減と生産性の向上を目的に、生成AIを活用した新規サービスに関しても研究開発に着手しているという。

同社は「ケアマネジメント・オンライン」を通じて全国約260万の高齢者世帯とつながっており、このケアマネジャーネットワークを活用して顧客企業のマーケティングを支援している。大手食品メーカーなどをはじめ、多数の実績があるようだ。

b) 仕事と介護の両立支援
働きながら介護をする人が増加するなかで、介護が理由で離職・転職する人が増加している。このような状況の下、同社は企業の福利厚生サービスをパッケージにして※顧客企業の従業員向けに提供し、仕事と介護の両立を支援している。2022年3月期には(株)ロッテ、(株)日立アカデミー、帝人<3401>、兼松<8020>等、2023年3月期には日立グループ各社、コーンズグループ会社が新たに同サービスの導入を開始しており、2023年3月期末時点で導入企業は210社、会員数は210万人超となっている。企業のESGやSDGsに対する関心が高まるなか、従業員の生活の質向上や満足度の向上を実現するために同サービス導入を検討する企業は増えると弊社では見ている。

※具体的には、介護セミナー等の開催、介護情報Webサイトの運営、介護コンシェルジュ(電話やメールによるケアマネジャー紹介、介護施設紹介、介護保険申請代行等)がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《YI》

 提供:フィスコ

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