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6183 ベル24HD

東証P
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時価総額 1,145億円
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ベルシス24 Research Memo(4):売上収益及び営業利益の大部分を占めるCRM事業


■収益構造

連結売上収益及び営業利益においてCRM事業が大部分を占めており、直近の2017年2月期第2四半期累計の連結業績でも、CRM事業が売上収益の93.1%を、営業利益段階でも97.9%を稼いだ。同期間における営業利益率は、CRM事業が8.3%、その他事業が2.4%であり、利益率だけを見てもCRM事業はベルシステム24ホールディングス<6183>の収支の中心であることがわかる。

(1)大黒柱のCRM事業の3分類

a)コア事業(既存業務と新規業務等)
コア事業は、既存業務と新規業務等から成り立つ。ここでの定義は、契約期間が1年以上で、旧BBコール案件ではない案件を指す。2017年2月期第2四半期累計の連結売上収益のCRM事業に占める割合では76.3%を占めており、事実上の稼ぎ頭である。

b)旧BBコール:歴史的背景と現在の姿
旧BBコールは、ソフトバンクグループと2007年7月に締結した「コールセンター業務に関する包括的業務提携」に伴い、2015年2月まで同社の売上収益において、大きな割合を占めていた。例えば2015年2月期では、同社の連結売上収益の3割近くを占めている。利益率についても、他のクライアント企業からの受託案件よりも高水準であった。当該契約が2015年2月期をもって満了し、契約改定となったことで、その他のクライアント企業の受託業務と同程度の単価になった。このことにより、同案件が同社の連結売上収益に占める割合も2015年2月期の29.7%から2016年2月期の15.2%までに減少し、同社の業績を直撃した。しかしながら、直近の2017年2月期第2四半期(3カ月)における売上収益は3,517百万円と、繁忙期を含む第1四半期(3カ月)の3,535百万円とを比較しても、遜色ない水準となっており、安定してきていると言える。今後も注視は必要だが、底は脱した感がある。

なお、同社はコア事業と旧BBコールを継続業務と分類している。

c)スポット業務
上記の2分類に当てはまらない短期の案件をスポット業務としている。スポット業務には、1年未満の契約のものから、リコールなどの際にクライアント企業の要請で数日で対応窓口を開設するものなど、様々である。絶対額は少ないものの、利益率は他のセグメントより高水準であると見られる。

(2)伊藤忠シナジー効果の追求

主要クライアント企業のひとつであったソフトバンクからの受注減少はあるが、親会社となった伊藤忠商事グループ関連の案件をはじめとする新規案件の獲得を継続・拡大する方針。同社の定義する伊藤忠グループ案件とは、伊藤忠商事の子会社や関連会社だけでなく、取引先も含まれる。このため、同社が対象とする開拓先は広大になるもよう。伊藤忠シナジーの深掘りは続ける一方で、ポテンシャル案件のすべてを獲得するのではなく、利益率とのバランスを考慮し進めていくようだ。

また、売上収益で貢献する新規案件では、立ち上げ時に、人員の手当てや習熟度の向上などが必要で、巡航速度になるまで時間がかかる。よって、現在の新規案件による利益への本格的な貢献は、多少の時間がかかると見られる。

(3)その他のクライアント企業層

ソフトバンク以外の開示はないが、同社の主要なクライアント企業は大手で収益性も安定的な企業が多く、同社の収益性にも寄与していると思われる。

(4)人件費転嫁の仕組みの導入

少子高齢化を背景に労働力の減少が進み、働き手を確保しにくい状況が続いている。特にコールセンターを担うオペレーターの多くはアルバイト等の非正規社員である。このため、同社に限らずコールセンターを運営している企業は、人件費の上昇による影響を受けている。これを解消するため、各社AIの導入等の業務効率化を進めているが、すぐに労働力確保の問題を解決するにはいたらないだろう。よって、人件費の転嫁の仕組みが必要となる。同社では既にクライアント企業と交渉を開始し、クライアント企業の理解を得て、既に適正な価格に反映できているところもあるようだ。交渉状況や契約更改のタイミングなどにも影響されるため、すべての契約が切り替わるには多少の時間が必要だと思われるが、収益の安定性確保のために必要な取り組みであると考える。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)

《SF》

 提供:フィスコ

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