貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

6038 イード

東証G
760円
前日比
0
0.00%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.1 0.90 1.71 257
時価総額 38.5億円
比較される銘柄
メンバーズ, 
ホットリンク, 
データセク
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

イード Research Memo(4):2019年6月期の業績計画は保守的で、上振れする可能性あり


■業績動向

2. 2019年6月期業績見通し
イード<6038>の2019年6月期は売上高で前期比1.8%増の4,800百万円、営業利益で同10.9%増の285百万円、経常利益で同5.9%増の285百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同201.2%増の151百万円を見込む。上期に関してみれば、売上高で前年同期比0.2%増、営業利益で同0.2%増とほぼ横ばい水準となる。2018年6月期下期の増収率が12.1%増と好調に推移していたことからすると保守的な印象が強い。新規ビジネスへの展開や人財投資等の費用増を見込んでいるものの、足下の月間PV数は引き続き高水準で推移していることから、今後市場環境が大きく変化しなければ売上高、利益ともに会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。なお、セグメント別ではCMP事業で増収増益、CMS事業で若干の増収減益を計画しているようだ。

2019年6月期については以下の取り組みを推進していくことで、増収増益を目指していく方針となっている。

(1) メディアの360度ビジネス
同社で運営する専門領域に特化したメディアに360度のビジネスモデルを融合し、広告収入に依存しない収益構造の確立を推進していく。データ・コンテンツの提供やEC運営支援、リサーチソリューションに加えて、2018年6月期から取り組みを本格化しているイベント事業(有料セミナー、イベント等)やBtoC領域への展開を進めていくことで収益基盤を拡充していく。

(2) メディアの拡大戦略
領域特化型のWebメディアをM&Aや社内開発により拡充していくと同時に、各メディアに適したビジネスモデル(マーケティング支援、コンシューマビジネス、コンサルティングサービス等)を掛け合わせていくことで事業の拡大を推進していく。

(3) 新たな事業領域へのチャレンジ
前期は新たな事業領域として「マネーの達人」を事業取得したほか、仮想通貨関連の情報サイトやサービスを社内開発するなど個人向けの資産運用分野でのメディア展開をスタートさせたが、いずれも順調にPV数を拡大している。また、2018年7月にはアスリートにフォーカスしたスポーツ専門メディア「SPREAD」を正式オープンしたが、7月の月間PV数で100万を超え、同社が開発したメディアサイトでは過去最速の100万越えを達成するなど、好調な滑り出しとなっている。

また、2018年9月からブロックチェーン技術を活用して、同社が提供予定のゲームアプリ内でプレイ時間に応じてトークンを利用ユーザーに付与する新たな取り組みも開始する。トークンは「Super Gamers Coin」と呼ばれる、限定イベントへの参加やゲームの購入、ゲーム内アイテムの交換などが可能となるトークンと、「Super Gamers XP」と呼ばれる、交換不能でゲームプレイヤーとしての経験値を得られるトークンの2種類を発行する。ブロックチェーンの仕組みはテックビューロホールディングス(株)と共同で開発した。トークンの発行そのものは業績には直接影響ないが、トークンを発行することでゲームアプリの活性化が進む効果が期待され、新たな取り組みとして注目される。

(4) コンシューマ向けビジネスの開発
コンシューマ向けビジネスの開発も注力していく。2018年6月期よりメディアとの連携によるイベント事業を開始しており、2019年6月期もイベント事業を強化していく計画となっている。具体的には、自動車分野において「iid 5G Mobility」に関連する有料セミナー(17件実施)や中国でのEV視察ツアーを実施したほか、2018年5月には自動車総合ニュースメディア「レスポンス」が初のファン感謝デーイベントを開催した(「筑波サーキット・カーフェスティバル2018」との共同開催)。また、エンターテインメント分野でもゲーム情報サイトの「GAME SPARK」が2018年6月に人気バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」をモチーフとした読者参加型のクラブイベントを共同開催している。売上高としては年間で数千万円規模と業績に与える影響は軽微だが、イベント事業を強化することで、メディアを活性化していく効果が期待される。

また、子会社でも(株)絵本ナビにおいて、絵本に登場するキャラクターをモチーフとしたオリジナルグッズの販売を出版社からライセンスを受け2018年6月期より開始しているほか、(株)エンファクトリーではインターネット発のアパレルブランド(Kilka、Nells)を立ち上げ、販売を開始している。2019年6月期についてもこうした取り組みを推進していく計画となっている。

(5) 先進テクノロジーを活用した広告ビジネスの開発
先進技術を活用した新たな広告ビジネスの開発にも取り組んでいく。2018年6月期には、AIスピーカーのAmazon EchoやApple Podcast向けにコンテンツ配信を開始したほか、2018年8月からは(株)博報堂DYメディアパートナーズ、ロボットスタート(株)と共同でAIスピーカー向け音声広告配信の実証実験も開始している。

また、バーチャルYouTuberを活用したマーケティング支援サービスも2018年5月より開始している。同社が運営するゲーム情報サイト「インサイド」のイメージキャラクターである「インサイドちゃん」が、ゲームの最新情報を届ける取材記者となり、インタビュー取材やイベント取材を通じてゲーム業界を盛り上げていくほか、そこで蓄積したノウハウを生かして、企業のマーケティング活動におけるバーチャルYouTuberの活用を提案していく予定にしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均