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5351 品川リフラクトリーズ

東証P
1,886円
前日比
+31
+1.67%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
5.7 1.05 3.61 76.80
時価総額 889億円
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決算発表予定日

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品川リフラ Research Memo(9):大胆な意思決定を迅速に行えるグループ経営体制の構築へ(2)


■中長期の成長戦略

(4) サンゴバン社からの事業買収
(一社)日本鉄鋼連盟は、新興国の経済成長に伴い、世界の鉄鋼需要は2020年の約18億トンから2050年に約27億トンへ増加すると予測している。今中期経営計画で、品川リフラクトリーズ<5351>は海外売上高を2021年3月期の161億円(海外売上高比率16.1%)から3ヶ年で220億円(同20%)へ拡大することを目標とする。海外ビジネスの強化・拡大を重要施策の一つとしており、海外の現地パートナーとの連携深化やM&Aを通じた事業の強化・拡大を模索していた。

2022年5月に、同社とサンゴバン社は、ブラジルにおける耐火物事業及び米国における耐摩耗性セラミックス事業に関して、サンゴバン社の子会社から事業を買収することで合意した。両社は、これまで30年にわたり良好な協力関係を築いてきた。1991年よりサンゴバンブラジルに鉄鋼用耐火物の製造技術ライセンス提供を行い、近年ではサンゴバンブラジルが販売店として、南米で鉄鋼、セメントなどの市場向けに同社製品の販売を行っている。また、2019 年にはサンゴバン社の子会社である Grindwell Norton Ltd.との共同出資により、SG Shinagawa Refractories India Pvt. Ltd.をインドに設立した。これらを背景として、本事業買収の合意へと至った。

今回買収する事業は、ブラジルにおける鉄鋼、鋳造、非鉄金属、石油化学、セメント等向け耐火物の製造・販売と米国の鉱業・鉱物処理、鉄鋼、アスファルト、エネルギー等向け耐摩耗性セラミックスの製造・販売になる。2021年の売上高規模は、ブラジル事業が約99億円、米国事業が約12億円であった。買収価格は、ブラジル事業が約89億円、米国事業が約7億円である。取得日は、2022年内または2023年初めまでの期間。資金調達方法は、手元資金と金融機関からの借入でまかない、エクイティファイナンスは予定していない。本事業買収により同社グループは、成長著しいブラジル耐火物市場においてリーディング・ポジションを確立できる。また、耐摩耗性セラミックスに関する米国拠点を入手したことにより、同社グループにおいて技術的親和性が認められるファインセラミックス事業において、米国市場へのアクセスを得られる。今後、ブラジル事業・米国事業は、同社グループの更なる成長のための強力なプラットフォームとなり、事業の成長やシナジーはもとより収益の更なる多様性と柔軟性をもたらすものと考える。

同社グループは、グループ子会社の新設やM&Aによりインド・太平洋圏の主要市場すべてに生産拠点を確保することになる。2024年3月期よりサンゴバン社の子会社から買収した事業が加わるため、同期の海外売上高の目標を第5次中期経営計画の220億円から340億円へ引上げ、海外売上高比率が27%へ上昇する見込みに変更した。海外事業の強化・拡大を成長戦略の柱としていることから、今後もM&Aを含めた投資機会を探り、条件次第では躊躇なく投資を実行する考えでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《SI》

 提供:フィスコ

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