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4464 ソフト99

東証S
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決算発表予定日

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ソフト99 Research Memo(7):2020年3月期の業績は、ほぼ前期並みの水準となる見通し


■今後の見通し

1. 2020年3月期の業績見通し
ソフト99コーポレーション<4464>の2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.8%増の25,000百万円、営業利益で同0.7%減の2,500百万円、経常利益で同2.4%減の2,620百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.2%減の1,820百万円と微増収微減益となる見通し。ファインケミカル事業、ポーラスマテリアル事業は増収増益となるものの、サービス・不動産関連事業で減収減益を見込んでいる。

全般的には米中貿易摩擦や2019年10月に予定されている消費増税の影響もあって、売上高は伸び悩みが予想され、こうしたなかで、将来の成長に向けた設備投資、研究開発費、人材投資等を継続して行っていくほか、業務効率向上のための情報システム投資を実施することも減益要因となる。2020年3月期の設備投資額は1,100百万円(2019年3月期723百万円)、減価償却費は850百万円(同793百万円)を計画している。

(1)ファインケミカル事業
ファインケミカル事業の売上高は前期比3.8%増の12,450百万円、営業利益は同9.7%増の1,390百万円となる見通し。人件費が引き続き増加するものの、新商品を中心とした増収効果や販売構成比の変化、前下期以降の値上げ効果が増益に寄与する。

分野別の売上について見ると、一般用カー用品では車内向け美装製品・ガラス用クリーナーで前期比13.0%増を見込む。女性用ドライバーの増加やカーシェアリングの普及といった市場環境の変化により、車内の清潔感や快適性を求めるニーズが増加しており、こうしたニーズに対応する新商品等の拡販に取り組む。具体的には、2019年3月に発売した革シートの防汚コーティング剤「レザーバリア」、ドライビングサポートクッション「ボディドクター」、車内ガラスのクリーニングも可能な曇り止め剤「窓フクピカジェル」などの伸びを見込んでいる。特に、革シート専用の防汚コーティング剤は市販用としては業界初の商品として好調な売れ行きを見せており、業務用での引き合いも出始めている。

また、ボディケア商品については前期比10.0%増を見込む。DIYお手入れ市場が縮小傾向にあるものの、手間解消や時短ニーズに応える洗車製品に関しての需要は堅調であり、こうした分野で新商品ラインナップを拡充して売上の回復を図る。具体的には、ボディとガラスを同時にコーティング可能な新製品「レインドロップ」、水なし洗車「フクピカトリガー」シリーズ等の拡販に取り組む。

業務用製品については前期比横ばいとなる見通し。自社ブランドコーティング剤が高付加価値製品の販売増により前期比8.0%増を見込む一方で、OEM製品については同12%減を見込んでいる。前期に撥水ワイパーの初期ロットを納入した輸入車ディーラーで在庫調整を行っていることが要因だ。なお、自社ブランドコーティング剤については売上拡大施策として、商品ラインナップの拡充を図るほか、得意先(施工店)向け研修制度の強化や施工証明書の電子化による顧客との接点強化に取り組んでいく。高付加価値製品についてはコーティング作業における取扱いが従来よりも難しくなっており、品質を担保する上でも研修による作業技術の向上ととともに、認定パートナーショップのネットワークを構築することで継続した売上増につなげていく。また、施工証明書の電子化については、業務効率の向上や得意先・ユーザーとの継続的なリレーション構築に加え、証明書紛失による再施工時のトラブル等を回避する効果も期待できる。

海外販売については前期比8.0%増を見込む。前期に一時的にワックス製品の出荷をストップした欧州向けが規制対応品の出荷を開始したこととガラコ等の他の商材の売上拡大により増収が期待できるほか、在庫調整が完了した中国向けの回復、ロシアやブラジルでの拡販を見込んでいる。

TPMSについては前期比45.0%増と急成長を目指す計画となっている。トラック・バス等の運送業者向けの後付けTPMSの販売増に加えて、新たに乗用車用後付けTPMSの販売を2019年夏以降、大手カー用品店で開始することが寄与する。タイヤ交換で来店したドライバーに対して、商品提案を行うための啓もう活動を既にスタートしている。販売価格は1セット約4万円となり初年度で数千万円程度の売上を見込んでいる。欧米や中国では純正装着が義務付けられているが、日本では法制度上、義務化されていないため純正装着は一部の高級車にとどまっていたが、カーシェアリングの普及なども含めて、自動車の安全装備に対する意識の向上が進むと考えられ、乗用車のアフター市場でも高級車やタクシー、カーシェアリング業者等から普及していくものと予想される。また、現在特殊車両(重機・建機)向けTPMSも開発中であり、今後はOEMも含めた幅広い展開を目指しており、将来的な成長ポテンシャルは大きい。

電子機器・ソフトウェア開発販売事業については、開発需要は旺盛なものの人的リソースの問題から売上は前期比横ばい水準で計画している。同社ではハネロンを、自社グループの新製品・サービスの開発リソースとして活用することを目的にグループ会社化したが、当面は外部顧客向けの開発案件で手一杯となっており、シナジー効果が発揮されるのは2020年以降になると見られる。

(2)ポーラスマテリアル事業
ポーラスマテリアル事業の売上高は前期比1.6%増の5,850百万円、営業利益は同1.1%増の710百万円となる見通し。半導体洗浄用製品は足下、調整が続いているものの下期に向けて徐々に回復を見込み、前期比5.0%増を見込んでいる。一方、HDD製造用研磨砥石については需要が一段落しており、同5%減を見込み、産業資材全体では同1.0%増となる見通し。生活資材向けについては前期比4%増を見込む。国内では自動車用・家庭用製品の着実に増加するほか、海外でも引き続き機能性多孔質体で軽量、高吸水性といった特徴を生かした新市場・新規用途向けの開発・拡販を進めていく。

なお、新規市場である国内医療用途向けでは、インフルエンザ検査用キット製品や体液吸入パッドのフィルター向けだけでなく、検査機器用吸液スポンジやその他ウィルス検査キット用等への横展開を図るべく製品提案を行っており、更なる成長を目指している。

(3)サービス事業、不動産関連事業
サービス、不動産関連事業の合計は、売上高で前期比1.6%減の6,700百万円、営業利益で同25.7%減の400百万円となる見通し。前期の特需が一巡する自動車整備・鈑金事業で減収減益を見込んでいるほか、介護予防支援事業等の人件費増加が減益要因となる。なお、人手不足に対応するため、自動車整備・鈑金事業で外国人労働者の採用を新たに開始している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

 提供:フィスコ

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