シリコンスタジオ <
3907> [東証M] が12月15日大引け後(17:20)に業績修正を発表。16年11月期の連結経常損益を従来予想の2.6億円の黒字→4.5億円の赤字(前の期は2.5億円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなった。
会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した6-11月期(下期)の連結経常損益も従来予想の4.5億円の黒字→2.5億円の赤字(前年同期は2.8億円の黒字)に減額し、一転して赤字計算になる。
株探ニュース
会社側からの【修正の理由】
当社グループは、Entertainmentの一歩先をいく「EnterNext」をコンセプトとして、より積極的に、より発展的に、新たな価値を生み出していくという概念の基、主にコンピュータグラフィックス(コンピューターを使って制作された映像、以下「CG」という)関連のエンターテインメント(娯楽)業界及び非エンターテインメント業界向けビジネスに積極的に取り組んで
»続く
参りましたが、直近の事業及び業績の進捗状況及び上記「1.特別損失の内容およびその計上」の内容を踏まえ、当社グループの当期の連結業績予想を、上表のとおり修正いたします。 事業セグメント別の売上高については、開発推進・支援事業においては、期初計画4,238百万円を1,328百万円下回り、2,909百万円となる見通しです。ミドルウェアにおいては開発期間延長によるサポート収入があったものの、ライセンス販売では案件の長期化や開発受託案件の需要が具体化まで至らなかった事、導入コストの低い他社製品との競争激化、案件規模の縮小化などがあり、期初計画を364百万円下回る見通しです。受託開発においては、クライアント先の体制・予算見直し等の影響及び開発規模の縮小等により、期初計画を431百万円下回る見通しです。また、受託開発を行っている連結子会社のイグニス・イメージワークス株式会社において、昨年より遊技機器業界の射幸性を抑制することを目的とした規制強化が続いております。その為、第1四半期終了後において新規に獲得する予定であった遊戯機器向けグラフィックスの開発受託案件の人員配置換え等を実施し新規案件獲得を目指しましたが減収をカバーできず、期初計画を511百万円下回る見通しです。コンテンツ事業においては、各コンテンツにおけるユーザー数の減少並びに新規タイトルの開発遅延や計画未達により、期初計画4,008百万円を1,032百万円下回り、2,975百万円となる見通しです。「逆襲のファンタジカ」は、新作「逆襲のファンタジカ: ブラッドライン」の発表によりユーザーの課金意欲の低下が生じ、また、「逆襲のファンタジカ: ブラッドライン」に関しては、開発遅延に加え、リリース後にサーバー不具合、システムエラー等が生じたことやユーザーの継続率、課金率等が当初の想定に届かなかったことから、サービス設計の見直しや戦略の変更が必要となり、売上への寄与に至っておりません。前期にリリースしたタイトル「グランスフィア」は開発体制の見直しや広告・キャンペーン企画など各種施策を講じてまいりましたが、ユーザー数の回復には至らず期初計画を大きく下回りました。また、「戦国姫譚MURAMASA-雅-」については新規キャラクターの追加やイベントなど各種施策を講じてまいりましたが、継続率の改善には至らず、平成28年11月をもってサービスを終了いたしました。前々期にリリースしたタイトル「刻のイシュタリア」については、広告・イベントが好調で新規ユーザーも増加し、計画値を大きく上回りましたが、他コンテンツの落ち込みをカバーするには至りませんでした。利益面につきましても、販売費及び一般管理費の抑制に努めたものの、前述の売上高の大幅な期初計画未達、特別損失の計上及び繰延税金資産の取り崩しに伴い、期初計画を大きく下回る見通しです。今後の取組みにつきましては、当期はまことに遺憾ながら大幅な損失計上となりましたが、経営レベルでの受注案件の精査を行い受注獲得プロセスの再構築及び中長期にわたる安定した取引の確立を進めるとともに、プロジェクト管理の強化を全社的に徹底することにより不採算プロジェクトを速やかに改善・収束させてまいります。来期については、実験的なビジネスを収益源に育てグループの再成長を陣頭指揮するため、営業部門を代表取締役社長寺田が統括し、組織体制の強化と共に、既存顧客のみならず潜在顧客に対する販売機会拡大を図ってまいります。また、不採算プロジェクトによる損益悪化の回避に加え、引き続き徹底した経営の効率化と経費削減に努め、収益性の向上に一層努力してまいります。開発推進・支援事業は、新たに取り組んでおります非エンターテインメント領域の新規開拓について、まだ小規模ではありますが案件数が増えてきております。当社の技術力を活かし、安定的な収益が見込まれる非エンターテインメント領域(自動車業界、建築業界、セキュリティー業界等)の分野を中心に、より簡便な操作でレンダリングが行えるようにミドルウェアに改良を加えるとともに積極的に拡販活動を行い、業績回復および業績安定に向けて全力を尽くしてまいります。特に自動車分野に関しては、既に組込システムの先行開発から設計段階まで進み、実装も視野に入れております。また、データサイエンス(ディープラーニングの活用等)領域に関しては、協業での研究開発が始まり、両領域共に今後の事業拡大に繋がるものと確信しております。さらに、既存事業の映像制作の分野では、4Kテレビ等の普及に対応するため、制作時間の大幅な短縮を可能にする高品質なリアルタイムレンダリングを活用した制作需要が増加しており、その中でも「Mizuchi」及び「YEBIS」に対して高い評価を得ております。海外展開についても、Silicon Studio Korea, Ltd.を始めとして海外企業との提携を含めた販路拡大など、積極的にミドルウェアの販売強化を進め、映像制作や国内外のゲーム業界へのソリューション提供を図ってまいります。コンテンツ事業に関しては、効率的な運営体制の構築を進めるとともに協業タイトルを中心に開発を行うことで、業績変動の影響を抑え安定した利益を確保できるよう全力を尽くしてまいります。さらに変化する市場環境に対応したサービス提供を行えるように運営体制の効率化を図ってまいります。人材事業においては、昨年度からの順調な売上伸長が継続し稼働率もそれに応じて高まっていること、また厳しい人材マーケットにもかかわらず、比較的順調に社員の採用及び求職者・派遣労働者の確保ができる見込みであり、継続的な成長を図ってまいります。
業績予想の修正
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
旧 16.06-11 |
5,857 |
474 |
457 |
274 |
108.74 |
10 |
16/07/08 |
新 16.06-11 |
3,495 |
-231 |
-259 |
-397 |
-160.72 |
10 |
16/12/15 |
修正率 |
-40.3 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
|
(%) |
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
旧 2016.11 |
9,369 |
300 |
264 |
149 |
59.13 |
10 |
16/01/14 |
新 2016.11 |
7,007 |
-405 |
-452 |
-522 |
-211.32 |
10 |
16/12/15 |
修正率 |
-25.2 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
|
(%) |
※単位:売上高、営業益、経常益、最終益…「百万円」。修正1株益、修正1株配は「円」。率は「%」
※最新予想と従来予想との比較
今期の業績予想
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
15.06-11 |
4,410 |
294 |
286 |
167 |
73.9 |
10 |
16/01/14 |
予 16.06-11 |
3,495 |
-231 |
-259 |
-397 |
-160.7 |
10 |
16/12/15 |
前年同期比 |
-20.7 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
|
(%) |
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
2014.11* |
8,056 |
841 |
832 |
507 |
255.8 |
10 |
- |
2015.11 |
8,231 |
266 |
252 |
146 |
64.6 |
10 |
16/01/14 |
予 2016.11 |
7,007 |
-405 |
-452 |
-522 |
-211.3 |
10 |
16/12/15 |
前期比 |
-14.9 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
|
(%) |
※最新予想と前期実績との比較。予想欄「-」は会社側が未発表。
※上記の業績表について
- ・「連」:日本会計基準[連結決算]、「単」:日本会計基準[非連結決算(単独決算)]、「U」:米国会計基準、「I」:国際会計基準(IFRS)、「予」:予想業績、「旧」:修正前の予想業績、「新」:修正後の予想業績、「実」:実績業績、「変」:決算期変更
- ・[連結/非連結]決算区分の変更があった場合は、連続的に業績推移を追えるように、連結と非連結を混在して表示しています。連結と非連結が混在しない場合は、「連」「単」表記は省略します。
- ・決算期表記後の「*」は上場前の決算を示し、2018年以前に新規上場した銘柄では1株あたりの項目は株式分割などによる換算修正は行っていません。
- ・前期比および前年同期比は、会計基準や決算期間が異なる場合は比較できないため、「-」で表記しています。
- ・米国会計基準と国際会計基準では、「経常益」欄の数値は「税引き前利益」を表記しています。
- ・業績予想がレンジで開示された場合は中央値を表記しています。
【注意】「決算速報」「個別銘柄の決算ページ」で配信する最新の業績情報は、東京証券取引所が提供する適時開示情報伝達システム(TDnet)において、上場企業が公表する決算短信と同時に配信されたその企業自身の作成によるXBRL(企業の財務情報を電子開示するための世界標準言語)に基づいたデータをそのまま使用しています。同一の会計基準内で規則変更が行われた場合については、変更は考慮せずに比較を行っています。また、業績予想がレンジで開示された場合はレンジの中央値を予想値として採用しています。なお、この配信されたデータには、新興企業を中心に誤ったデータが配信される場合が希にあります。投資判断の参考にされる場合は、より正確な決算短信のPDFファイルを併せてご確認くださいますようお願いします。