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3387 クリレスHD

東証P
1,091円
前日比
+3
+0.28%
PTS
1,092.8円
18:06 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
37.6 6.38 0.73 0.34
時価総額 2,322億円
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クリレスHD Research Memo(3):17/2期2Qは増収増益、利益は期初予想を上回る結果に


■決算動向

(1) 2017年2月期第2四半期決算の概要

クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の2017年2月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比28.9%増の56,982百万円、営業利益が同3.7%増の3,502百万円、経常利益が同3.5%増の3,747百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同16.3%増の2,187百万円と増収増益であった。期初予想に対しては、売上高が若干未達となったものの、利益では上回る結果となっている。

前期に買収したKR及びRCJの連結貢献(合計で約84億円の上乗せ)に加えて、好調な「磯丸水産」を軸とした前期出店分が期初から寄与したことや第2四半期出店分(前倒し8店舗を含む69店舗)が増収要因となった。ただ、売上高が期初予想に若干届かなかったのは、既存店売上高が前年同期比96.0%(予想は97.8%)とやや低調であったことによる。消費者の節約志向の高まりによる消費低迷のほか、8月における台風等の天候不順、リオ五輪の影響などによりSFPカテゴリーを中心とする居酒屋業態のほか、地方郊外のビュッフェ業態にて客数が予想を下回った。

一方、利益面では、連結貢献を含めた増収による利益の押し上げや海外事業の損益改善により増益となった。ただ、経常利益率は出店費用やのれん償却費の増加等により6.6%(前年同期は8.2%)に低下したものの想定内。むしろ円高による原価低減や原油安を背景とした水道光熱費の低下等により期初予想を上回る結果となった。新規出店数は69店舗(前倒し8店舗を含む)、退店が18店舗(契約終了や中国からの撤退によるものなど)、2017年2月期第2四半期末店舗数は846店舗となっている。

各カテゴリー別の業績は以下のとおりである。

a) CRカテゴリー
CRカテゴリーは、売上高が前年同期比3.2%増の20,608百万円、カテゴリー利益は同0.6%減の2,160百万円と増収ながらわずかに減益となった。ただ、期初予想に対しては、売上高が未達となる一方、利益では上回る結果となっている。前期出店分が期初から寄与したことや第2四半期出店分(前倒し7店舗を含む28店舗)が増収に寄与した。ただ、売上高が期初予想に届かなかったのは、既存店売上高が前年同期比97.1%(予想は98.3%)と予想を下回ったことによる。特に、デフレによる消費低迷の影響を受け、ビュッフェ業態が地方郊外SCで苦戦したようだ。一方、利益面では、既存店売上高の低下や出店費用の増加等によりわずかに減益となったものの、円高による原価低減や都心部における高価格業態が好調であったことから予想に対しては上回る結果となった。当カテゴリーにおける新規出店数は28店舗(前倒し7店舗を含む)、退店2店舗(契約満了に伴うもの)、8月末店舗数は407店舗となった。

なお、フードコート業態では、高価格帯の「ローストビーフ丼」専門店が好調に推移しており、新規及び既存SCからの引き合いが増えたことから8店舗(前倒し5店舗を含む)の出店を行った。ダイニング業態でも都心型立地へ出店している「沖縄業態」やリオ五輪が追い風となった「シュラスコ業態」が好調であった。一方、ビュッフェ業態は地方郊外SCにおいて厳しい状態が続いているが、2016年11月にはステーキをメインとした高付加価値の新業態を出店予定であり、前述したグループ内組織再編の動きとともに、首都圏を中心とした高価格帯の専門業態に注力する方針である。

b) SFPカテゴリー
SFPカテゴリーは、売上高が前年同期比24.2%増の17,747百万円、カテゴリー利益が同4.5%増の1,737百万円と増収増益であった。期初予想に対しては、売上高が未達となったものの、利益では上回る結果となっている。「磯丸水産」を軸とする前期出店分が期初から寄与したことや第2四半期出店分(前倒し4店舗を含む30店舗)が増収に寄与した。ただ、売上高が期初予想に届かなかったのは、既存店売上高が前年同期比92.9%(予想は95.0%)と予想を下回ったことによる。開業景気の反動減に加え、8月における台風等の天候不順やリオ五輪の影響を受けた。また、ランチはチャンスロスにより客数が減少。加えて、ディナーが1次会から2次会、3次会と利用動機の変化がみられたことから客単価も低下したようだ。対策としては、ランチは提供時間の短縮を図り、ディナーはメニュー変更やイベントの強化等を図り、客数・客単価の確保を図るようだ。当カテゴリーにおける新規出店数は30店舗(前倒し4店舗を含む)、退店1店舗、8月末店舗数205店舗となっている。そのうち新たな業態として確立した「鳥良商店」※の新規出店は5店舗であった。

※主力業態である手羽先唐揚専門店「鳥良」よりも客単価の低い(カジュアルな)鶏料理業態

c)専門ブランドカテゴリー
専門ブランドカテゴリーは、売上高が前年同期比99.2%増の16,948百万円、カテゴリー利益が同25.8%増の906百万円を大幅な増収増益であった。ただ、期初予想に対しては、売上高が未達となった一方、利益では若干上回る結果となっている。前期に買収したKR及びRCJの連結貢献(合計約84億円)※が増収に大きく寄与した。ただ、売上高が期初予想に届かなかったのは、既存店売上高が前年同期比97.3%(予想では100.1%)と予想を下回ったことに加えて、KRのかごの屋(関東エリア)の苦戦や労働生産性向上に向けた営業時間短縮の取り組み(ランチ時間とディナー時間の間の中抜き)の影響等によるものである。一方、利益面では、KRの連結貢献等により予想を若干上回る増益を確保した。なお、RCJの「レインフォレストカフェ」については、メニュー変更やファサード変更が奏功し、前年同期比106.4%と好調であったようだ。当カテゴリーにおける新規出店は10店舗(予想は12店舗)、退店7店舗(そのうち、「BEN&JERRY’s」の業務委託契約終了が4店舗)、8月末店舗数は195店舗となっている。新規出店には好調な「Mr. FARMER」(EW)の2店舗(新宿ミロード、六本木ヒルズ)や、「つけめんTETSU」(YNR)など各社それぞれの専門業態のほか、KRのサービスエリア向け1店舗が含まれている。

※KRの連結貢献は約79億円(4ヶ月分の上乗せ)、RCJは約5億円(6ヶ月分)と推定

d)海外カテゴリー
海外カテゴリーでは、売上高が前年同期比17.5%増の1,635百万円、カテゴリー利益が156百万円(前年同期は13百万円の利益)と増収及び大幅な損益改善となった。期初予想に対しても、売上高、利益ともに上回る結果であった。台湾子会社の連結化に加えて、シンガポールが売上高、利益とも好調に推移したことで業績の伸びをけん引した。また、既存店売上高も前年同期比96.3%(予想は95.1%)と予想を上回った。一方、香港は中国の景気低迷の影響を受けるも想定内。これまで業績の足を引っ張っていた中国(上海)からの全店撤退が8月末で完了したことで大幅な損益改善につながった。当カテゴリーにおける新規出店は1店舗、退店は8店舗(そのうち、「上海豫園」の合併解消が6店舗)、8月末店舗数は39店舗となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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