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3244 サムティ

東証P
2,691円
前日比
+16
+0.60%
PTS
2,687円
14:59 05/14
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.9 1.26 3.22 6.17
時価総額 1,254億円

銘柄ニュース

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サムティ Research Memo(3):成長と安定のバランスの取れた事業構成(2)


■会社概要

3. 特長
(1) ビジネスモデルの優位性
サムティ<3244>のビジネスモデルの特長は、収益不動産の開発、売買、物件管理、REIT等のファンド運用までをグループ内で一気通貫的に完結させることにあり、それぞれの機能が連動することで同社ならではの価値創造(バリューチェーン)を実現している。特に、これまで「不動産賃貸事業」で培ってきたリーシングノウハウ(賃貸付け)の高さが「不動産開発事業」や「不動産ソリューション事業」でも生かされており、収益不動産のバリューアップはもちろん、用地仕入れにおける優位性や販売先との信頼関係及び交渉力においてもプラスの効果を生み出している。

また、SRRを中心としたビジネスモデルにも優位性がある。SRRが安定的な供給先になるとともに、販売後のフィービジネスの拡大(AM業務やプロパティマネジメント(PM)業務の受託)が、将来にわたる安定収益源として期待できる。また、今後はホテルREITが加わることにより、事業基盤がさらに強化・拡充されることになる。

(2) 収益構造における強み
同社は、これまでも不動産開発事業や不動産ソリューション事業(キャピタルゲインビジネス)による成長加速と不動産賃貸事業(インカムゲインビジネス)による安定収入のバランスを取りながら、事業環境の変化に柔軟に対応してきた。2021年11月期からは、アフターコロナ(新常態)における新たな戦略的取り組みとして、グループ総資産規模の拡大と、賃貸収入及びフィー収益の獲得を強化することにより、インカムゲインの最大化を図り、より安定した収益基盤の構築に取り組んでいる。また、自社で販売部隊を持たず、外部リソースの活用により固定費を低く抑えていることも景気後退時の抵抗力を高めている。これまでの金融危機(バブル経済の崩壊やリーマンショックによる影響等)において、業績の落ち込みが比較的小さかったのは、不動産賃貸事業が業績の下支えになったことと、固定費の軽さも要因の1つである。

(3) 人的資本の状況
2022年5月末の連結従業員数(臨時社員は除く)は456名(前期末比65名増)となった。コンスタントに新卒採用※を行っているほか、即戦力となるキャリア採用にも積極的であり、事業拡大に向けて大幅な増強を図っている。特に全国への営業拠点の展開が、現地採用やブランド力向上を通じて人材確保にもプラスに働いているようだ。事業別の内訳は、不動産開発事業と不動産ソリューション事業の両事業合算で98名(前期末比19増)、海外事業13名(同横ばい)、不動産賃貸事業14名(同3名減)、ホテル賃貸・運営事業117名(同16名増)、不動産管理事業162名(同26名増)、全社(共通)52名(同7名増)となっており、今後も事業拡大に伴う人員補強に取り組む方針である。同社は、かねてより“人を大切にする企業の実現”を掲げ、従業員のエンゲージメント向上に注力してきた(後述する「サステナビリティ基本方針」にも明記)。これからも各人のやる気や能力を生かし、定着率の向上や各地域への雇用貢献、各人の仕事への創造性を高めることで、同社の企業価値向上につなげていく考えである。

※2022年4月入社の新卒者は9名(単体)。


4. 沿革
同社は、1982年12月に大阪市東淀川区においてサムティ開発株式会社として設立された(2005年6月に現在の商号に変更)。森山茂(もりやましげる)氏(現 会長)と松下一郎(まつしたいちろう)氏、谷口清春(たにぐちきよはる)氏の3名を中心に不動産の売買・賃貸・管理を開始した。分譲マンションの販売受託からスタートしたが、その後、投資用マンションの1棟販売やファミリーマンションの分譲など着実に実績を積み上げてきた。

2001年5月に投資用分譲ワンルームマンション「サムティ」シリーズの販売を開始すると、2005年3月から不動産ファンド向け賃貸マンション「S-RESIDENCE」シリーズの販売を開始し、事業拡大に拍車をかけた。2007年7月には大阪証券取引所ヘラクレス市場(2010年に東証JASDAQと統合)に上場を果たし、2022年4月の東証市場再編に伴いプライム市場へ移行した。

また、さらなる事業拡大や地域分散を図るため、2011年2月に東京支店、2012年6月に福岡支店、2015年5月に札幌支店、2016年3月に名古屋支店、2019年12月に広島支店を開設し、着実に事業エリアの拡大も進めてきた。

事業領域の拡大にも積極的であり、2006年8月にビジネスホテルを保有・運営する(株)サン・トーア(現 サムティホテルマネジメント)の株式を取得(ホテル事業へ進出)、2011年12月にサムティ管理(株)(現 サムティプロパティマネジメント)を設立(プロパティマネジメント事業へ進出)、2012年11月に燦アセットマネージメント(株)(現 サムティアセットマネジメント)を100%子会社化(アセットマネジメント事業に進出)、2015年6月にはSRRを東証J-REIT市場に上場させるなど、今後の成長加速に向けて体制を整えてきた。2015年10月には東証1部へ市場変更(2022年4月からは東証プライム市場への移行が決定)。2019年5月には大和証券グループ本社<8601>と資本業務提携契約を締結し、ホテルREITの組成や海外展開、クラウドファンディングなどで協働を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《YM》

 提供:フィスコ

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