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3179 シュッピン

東証P
1,139円
前日比
-16
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PTS
1,139.8円
11:16 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.5 3.20 2.90 6.59
時価総額 264億円
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決算発表予定日

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シュッピン Research Memo(7):カメラの越境ECでは高評価を確立、2020年3月期に時計も越境ECを開始


■中長期の成長戦略

5. 海外戦略
シュッピン<3179>の海外戦略は、グローバル戦略部が担当している。同社は海外展開の第1歩として越境ECを2017年8月にカメラで開始した。北米のECモールであるeBay(イーベイ)に出店し、4ヶ国(米国、カナダ、香港、オーストラリア)を対象にして事業をスタートさせた。その後順次対象国が拡大し、2019年3月末時点では西欧や中近東、東南アジアなど対象国は20ヶ国に達している。取引量は順調に拡大し、2019年3月期は約480百万円の売上げを記録した。

2020年3月期は時計の越境ECを開始する。カメラ同様、海外のECモールへの出店となるが、時計では高級腕時計の世界最大級のマーケットプレイスである「クロノ24」に出店する予定だ。当初は米国と香港を対象にスタートし、順次エリアを拡大させていくとみられる。

同社が現状進める海外展開は、“将来の本格展開に向けた市場調査”的な意味合いが強い。同社が海外展開のアクセルを踏み込まない理由はいくつかあり、収益性の低さがまず挙げられる。運賃や損害保険料の負担が大きいためだ。もう1つは、本格的に海外事業を展開する場合には、中古品の仕入れも現地で行う、現地調達・現地販売体制が不可欠と考えていることがある。日本においては良品の中古品が良品のまま流通することが期待できるが海外に一旦流出すると、それが日本に戻ってくることは期待しにくい。ましてや状態の保全はなおさらだ。そうしたなかで現状、越境ECを行うのは、前述の市場調査と、いざ本格展開を決定した際にスムーズに事業を展開できるよう、ブランディング(ブランドの浸透を図ること)が主な目的だ。

同社の海外展開はeBayにおいてはほぼ満点に近い高評価を獲得するなど順調に進捗している。前述のように対象国も20ヶ国にまで拡大している。同社は今後、グローバル戦略部をさらに増員・強化し、海外事業の本格展開の時期や市場などを模索していくものと考えられる。


2022年3月期までの業績計画で、売上高47,542百万円・営業利益2,322百万円・経常利益2,312百万円を見込む
6. 中期経営計画
同社はいわゆる固定式の3ヶ年中期経営計画は策定していないが、毎年、向こう3ヶ年の中期業績計画を公表している。

2019年5月に公表した業績計画では、最終年度の2022年3月期において売上高47,542百万円、営業利益2,322百万円、経常利益2,312百万円を計画している。2019年3月期が増収減益決算となった影響からか、1年前の中期業績計画と比較して、各年の収益の水準が全体的に1年先送りされた形だ。

カメラ事業は、2019年3月期基準として2022年3月期までの3年間の売上高のCAGR(年平均成長率)を10.5%と計画している。2020年3月期は大手2社のフルサイズミラーレスへの移行期が続くため慎重にみており、それが3年間のCAGRを抑え込んでいるという形だ。注目されるのは海外の越境ECで、年率30%近い高成長を見込んでいる。

時計事業は、売上高のCAGRについて12.8%と予想している。足元の成長率からすると控え目な印象だ。レディース事業で2021年3月期に急成長を計画していることから逆算するとメンズの時計事業が急減速することになる。ここ数年時計事業は堅調な成長が続いていることや海外展開の開始もあるため、メンズとレディースを合わせた全体ではもう少し伸びるような印象だ。

筆記具事業と自転車事業はそれぞれ、売上高のCAGRを9.5%、11.8%と計画している。これまでどおり新規顧客の獲得と、既存顧客の活性化に取り組み、収益を拡大させる計画だ。着実に知名度や認知度が上がってきているため、十分達成可能な計画と弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《ST》

 提供:フィスコ

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