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3167 TOKAI

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TOKAI Research Memo(2):2023年3月期第1四半期累計業績は会社計画を上回る増収増益を達成(1)


■業績動向

TOKAIホールディングス<3167>の2023年3月期第1四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比7.0%増の51,803百万円、営業利益で同4.0%増の3,355百万円、経常利益で同1.1%増の3,389百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同4.0%減の1,795百万円となった。売上高は2期連続で増収となり過去最高を更新し、営業利益・経常利益は2期振りの増益に転じた。投資有価証券評価損等を特別損失として計上したため、親会社株主に帰属する四半期純利益は減益となったものの、会社計画に対してはいずれも上回り順調な滑り出しとなった。

事業セグメント別で見ると、建築設備不動産事業が減収減益となったものの、主力のエネルギー事業がLPガス仕入価格に連動した販売価格の上昇や顧客件数の増加により売上高で前年同期比22.5%増と大きく伸長したほか、CATV事業も顧客件数の増加に伴い増収増益基調が続き、業績をけん引した。2023年3月期第1四半期末における継続取引顧客件数は前年同期比105千件増の3,213千件となり、前期末比でも19千件増となり、2022年3月期第1四半期(同9千件増)との比較では約2倍の純増ペースとなった。

会社計画比では、売上高で3.9億円、営業利益で5.4億円上回ったものと見られる。事業セグメント別で見ると、売上高は建築設備不動産事業で2億円下振れたものの、エネルギー事業が工業用・卸売用販売価格の上昇により6億円上振れた。一方、利益面では建築設備不動産事業で0.5億円の下振れとなり、エネルギー事業が3.3億円、そのほかの事業もそれぞれ数千万円程度の上振れになったと見られる。

(1) エネルギー事業
エネルギー事業の売上高は前年同期比22.5%増の23,274百万円、営業利益(間接費用等配賦前営業利益となり、決算短信とは算出方法が異なる。以下、同様)は同22.7%増の1,936百万円と2ケタ増収増益となった。

このうち、LPガス事業の売上高は前年同期比19.4%増の19,332百万円となり、顧客件数は前年同期比33千件増の720千件と順調に増加した。販売量は顧客件数の増加により家庭用が伸長したものの、工業用の減少が響いて全体では前年同期比0.8%減となった。一方、販売単価は仕入コストに連動する工業用が同69%の上昇となり、家庭用も段階的な値上げ実施により同4%上昇し、全体では同22%上昇となった。家庭用の価格上昇率が小幅にとどまったが、これは新規エリア等での顧客獲得を進めるため、戦略価格で販売しているケースがあるためと考えられる。

顧客件数は前期末比で5千件増となったが、内訳を見ると新規獲得で8.2千件(うち、関東・静岡エリアで5.7千件、新規エリアで2.5千件)、M&A・アライアンスで2.6千件、中止・解約で5.4千件となった。新規獲得と中止・解約の防止は順調に進む一方で、M&A・アライアンスについてはコロナ禍の影響が続いていることもあり、計画を下回る進捗となっている。

都市ガス事業の売上高は前年同期比40.7%増の3,941百万円となり、顧客件数は前年同期比7千件増の71千件となった。原料費調整制度による販売単価の上昇が主な増収要因となった。なお、顧客件数の増加分の大半は、持分法適用関連会社であるT&Tエナジー(株)における東海エリアでの契約件数増加※によるものである(販売手数料のみ売上計上)。

※T&Tエナジーは東京電力エナジーパートナー(株)との合弁(出資比率50%)で2019年10月に設立され、愛知県、岐阜県、三重県の東海3県で都市ガスの小売事業等を行っている。


(2) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前年同期比2.0%増の12,873百万円、営業利益は同1.0%増の1,236百万円と3期振りの増収、2期連続の増益となった。

コンシューマー向け事業については、売上高で同3.6%減の5,961百万円と減収傾向が続き、EBITDA(営業利益+減価償却費)も同46.5%減の232百万円となった。第1四半期末の顧客件数は、従来型ISP等が前年同期比22千件増の413千件、光コラボが同14千件増の351千件、LIBMO(格安SIMサービス)が同5千件増の58千件となったが、このうち従来型ISP等については2023年3月期第1四半期よりPC遠隔サポートサービスの契約件数(36千件)を加えたことが増加要因となっており、実質的には減少となった。また、光コラボは2021年10月より大手携帯キャリアと提携し、家電量販店や携帯ショップ経由での顧客獲得を強化したことが増加要因となった。ただ、大手携帯キャリアとの提携分は光通信サービス部分の売上が除外されるため、売上高では前年同期比で約60百万円減少している(売上総利益への影響はない)。光コラボの利益に関しては、顧客件数の増加により増益となった。LIBMOはデジタルマーケティング等の顧客獲得コストを積み増したことで顧客件数は増加したものの、利益面では減益となった。

法人向け事業は売上高で前年同期比7.4%増の6,911百万円、EBITDAで同7.8%増の1,807百万円と増収増益基調が続いた。クラウドサービスの伸長が続いているほか、受託開発案件も旺盛な受注を背景に順調に拡大した。

(3) CATV事業
CATV事業の売上高は前年同期比3.0%増の8,239百万円、営業利益は同6.9%増の1,559百万円となった。前年同期は会計基準の変更により減収となったものの実質的には増収であり、顧客件数の拡大により増収増益基調が続いた。第1四半期末の顧客件数は放送サービスで前年同期比13千件増の891千件、通信サービスで同21千件増の349千件となった。地域密着型の番組制作や情報発信に注力したほか、大手動画配信事業者との提携による放送コンテンツの充実に取り組んだこと、高速光通信サービスの提供エリアを拡大したことが顧客件数の増加、並びにARPUの上昇につながったと見られる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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