TOKAI Research Memo(4):有利子負債が大幅に減少、財務の健全性がさらに向上
■決算動向
(3)財務状況
TOKAIホールディングス<3167>の2016年9月末の総資産残高は、前年同期末比6,853百万円減少の153,384百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が同499百万円増加した一方で、在庫が同723百万円、その他流動資産が同1,244百万円減少した。また、固定資産では減価償却の進展により有形固定資産が同3,585百万円減少したほか、のれんが同1,041百万円、投資その他の資産が同1,967百万円減少した。
負債合計は前年同期末比8,342百万円減少の109,380百万円となった。有利子負債が同10,492百万円減少したことが主因となっている。また、純資産は同1,490百万円増加の44,004百万円となった。利益剰余金の増加に伴い株主資本が同2,606百万円増加したものの、その他の包括利益累計額(有価証券評価差額金や退職給付にかかる調整累計額等)が同928百万円減少した。
自己資本比率は前年同期末比で2.3ポイント上昇の28.2%に、有利子負債依存度は同4.7ポイント低下の42.9%となり、ここ数年取り組んできた財務体質の改善傾向が続いていると言える。なお、有利子負債のうち100億円は2015年6月に発行したゼロクーポンの転換社債型新株予約権付社債であり、実質ベースの有利子負債は340億円の水準まで低下していることになる。株式への転換価格は585円、潜在株式数としては約11%となる。今後、株価が上昇し株式への転換が進めば、自己資本比率も一段と上昇することが見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SF》
提供:フィスコ