貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

2715 エレマテック

東証P
1,884円
前日比
+45
+2.45%
PTS
1,895.3円
11:13 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.9 1.11 4.78 37.94
時価総額 797億円
比較される銘柄
シークス, 
兼松, 
蝶理

銘柄ニュース

戻る
 

エレマテック Research Memo(8):新中期経営計画「エレマテックNEXT」を発表(1)


■エレマテック<2715>の中長期の成長戦略

1. 前中期経営計画「エレマテック・クロス」の総括
前回の中期経営計画である「エレマテック・クロス」は2020年3月期で終了したが、以下はその成果と課題である。

成果については、EV・HV関連商材の販売等による自動車領域の伸長に加えて、ドライブレコーダーや医療機器関連ビジネス等のモジュール・ODMビジネスの強化が挙げられる。また、機構、筐体設計の強度・流動解析やソフトウェア担当の人材獲得等、人員・設備の拡充に伴う技術部の機能強化についても実現した。

一方で、課題も残った。伸長する海外顧客(米系、中国系)の開拓や、顧客のニーズに合わせた新規商材の発掘や、モジュール化などの付加価値創造、新しい技術を取り入れた商品企画・提案などである。

2. 新中期経営計画「エレマテックNEXT」の概要と重点領域
前回の中期計画が2020年3月期に終了したことに続いて、2021年3月期を初年度、2023年3月期を最終年度とする新しい中期経営計画「エレマテックNEXT」を発表した。その中期戦略の柱として、「高付加価値型ビジネスの拡大」、「国内外有力顧客の開拓」、「自動車領域への注力」の3つを掲げている。

以下はその概要であるが、前回の中期経営計画と大きく変わったと思われるのは、「量的拡大から質的改善を目指す」という点だろう。前回の「エレマテック・クロス」の目標は、「自動車、自動化/省力化、“B to B to C”ビジネスの強化、機能強化」であり、どちらかと言うと「成長市場を狙う量的拡大志向」であったと言える。それに対して今回の中期経営計画は以下に述べられているように、「社内の体質改善、リソースの適正配分、重点市場の深堀り」など「質的な改善」に力点が置かれている点は注目に値する。そしてその成果は、売上高の拡大ではなく、粗利率の改善に現れるはずだ。残念ながらコロナの影響で、現時点では今回の中期経営計画の定量的目標は発表されていないが、今後の粗利率の動向に注目したい。

3. 高付加価値型ビジネスの強化
(1) 社内連携強化による顧客への提案力の向上
ビジネスの前線である営業部門と後方支援とも言える開発部、技術部、環境品質支援部との連携を強化し、顧客への提案力を一段と向上させる。独自の企画開発や設計機能の向上を図り、モジュール品や完成品(ODM)を拡販する。

(2) 商材の使い分けによる最適な解決策の提案
高機能な日本製商材と価格競争力に優れた新興国製商材を使い分けることで、顧客にとって最適な解決策を提案する。一例として、汎用品には新興国製商材、専門品には日本製商材などを充当することが挙げられる。

4. 国内外有力顧客の開拓
既述のように同社は多くの顧客を抱えているが、その大部分が日系企業及びその海外子会社である。そのため今後は、米系及び中国系有力顧客への拡販を図る計画で、そのためにリソースを積極的に投入する。具体的には、海外顧客をターゲットとした専属チーム新設に加え、顧客開拓拠点へ同社自身が出店する。その結果、同社が持つ技術力、品質管理能力等を活用し、競争力のある商材や付加価値のあるサービスを提供する計画だ。具体的には、サンノゼにショールームを設置し、日系商材を中心にデモの実演まで行うことで米系有力顧客へPRする。また深セン現地法人へ開発部員を駐在させることで日系商材のタイムリーかつ適切な展開を可能にして中国系有力顧客を開拓する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《ST》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均