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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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2676 高千穂交易

東証P
3,635円
前日比
-95
-2.55%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
26.4 2.04 3.77 8.05
時価総額 370億円
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高千穂交易 Research Memo(4):システム事業とデバイス事業が2本柱。海外では防火システムも手掛ける(2)


■高千穂交易<2676>の事業概要

3. デバイス事業
(1) 電子プロダクト(デバイス事業売上高に占める比率50.2%)
アナログICを中心とする各種半導体や、シリコンマイクなどのセンサー、電子部品に関する販売及びコンサルティング(電子機器設計支援)を行っている。産業用エレクトロニクス機器、IP‐PBX(構内交換機)やスマートフォン等の情報通信機器など、広範な分野に使用されている。

TAKACHIHO KOHEKI(H.K.)LIMITED及び提凱貿易(上海)有限公司は、中国、東南アジア地域で、上記の商品を販売している。

(2) 産機プロダクト(同49.8%)
スライドレール・ガススプリング・昇降システムなど安全性、利便性、快適性を向上する機構部品の販売及びコンサルティングを行っている。主に金融機関やコンビニエンスストアなどのATM等の開閉・引出・安全機構(スライドレール・ガススプリング・キー)、システムキッチンの引出・昇降機構(スライドレール・昇降システム)、コピー機の給紙機構(スライドレール・ダンパー)などに使用される。

TAKACHIHO KOHEKI(H.K.)LIMITED、提凱貿易(上海)有限公司及びTakachiho America,Inc.は、中国、東南アジア地域、米国で、上記の商品を販売。

ATM向けのスライドレールでは国内トップシェアを誇る。商社でありながら独自の設計やオリジナルプログラムによるシミュレーション解析などを実施し、顧客の要望に適合した商品開発に取り組んでいる。2015年からは米国法人を通じて、米国住宅設備市場などへ参入するなど、海外市場ではまだ普及期にある日本式ムーブメントソリューションの拡販を推進している。

4. 主な仕入先と販売先
以上のように同社は非常に多くの商品・製品を取り扱っていることから仕入先は約500社に上るが、主要製品を供給する上位36社が約80%を占める。一方で販売先も多岐にわたっており、取引先の口座数は約2,000社になるが、主要な上位顧客20社が45%を占める。特定の顧客に偏っていることはなく、顧客層は分散されている。

5. 競合、特色、強み
同社は非常に多くの商品を取り扱っており、それぞれの分野に競合商品が存在する。しかし、事業全体において同様な事業展開をする企業がないため競合会社を特定することはできない。あえて個別分野での競合会社を挙げれば、商品監視システムでのチェックポイントジャパン(株)、スライドレールでの日本アキュライド(株)(両社とも米国の日本法人)、半導体では規模は異なるが半導体専門商社など。また、オフィスソリューション関連ではではシステム会社などと競合する。

同社の最大の特色は専門性の高い商材を扱っている点だろう。そのため営業社員であっても技術的に高い専門性・知識を持っており、同社の社員の40%以上が技術系で、ある意味で専門的なプロ集団とも言える。システム事業とデバイス事業を展開する同社は、売上規模は大きくはないが、売上総利益率は25%前後となっており、一般的な半導体や電子部品商社の売上総利益率(約10~15%)と比べて高くなっている。

高い専門性を備えた社員が多く、顧客のニーズに基づき最適なソリューションを提供する提案型コンサルティング営業ができるのも同社の特色であり強みだろう。また、知識や技術以外にも個々の従業員が問題・課題に真摯に取り組むため、顧客からの信頼も厚く、約70%程度が継続的な取引となっている。同社のそのような専門性・特殊性は売上総利益率に現れている。

このような専門性を備えたビジネススタイルが各事業の基盤であり、各々の事業部門がロイヤルカスタマーを持っている。中期戦略においては各部門のロイヤルカスタマーとの関係性を高め、かつ横断的に展開することで、さらに満足度の高い事業内容とすることを目指している。

事業構成として捉えると、大きくはシステム、デバイスに分かれるが個々の事業規模はほぼ同程度であり、突出した事業は見当たらない。また各々の事業が販売している商品、顧客が異なるため、業界や市場の好不調がそのまま企業業績には反映されず、連結においては高い安定性を誇っている。一方で連結業績の成長性を課題として捉え、各事業ともに新規分野の育成による事業拡大を中期計画において画策している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《ST》

 提供:フィスコ

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