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2462 ライク

東証P
1,682円
前日比
-14
-0.83%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.4 2.10 3.45 0.93
時価総額 344億円
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ライク Research Memo(2):保育・人材・介護の3本柱でシナジー創出へ


■会社概要

(1)沿革

ライク<2462>は1993年に設立され、1998年からはモバイル業界向けを中心とした人材サービス(携帯電話販売業務への人材派遣や業務受託など)により事業基盤を確立。対象業界を絞り込むとともに、自ら携帯電話販売店を運営するなど、業界知識と運営ノウハウを武器として成長を実現してきた。2005年に東証マザーズ、2007年に東証1部に上場すると、2009年には持株会社制に移行し、次の成長に向けた体制を整備。2009年に保育事業を展開する現サクセスホールディングスを関連会社化(2015年に連結子会社化)、2013年には介護事業を展開するサンライズ・ヴィラを連結子会社化するなど、積極的なM&Aや戦略的な事業提携などを通じて、同社の強み(採用・教育におけるノウハウなど)が活かせる成長分野へと事業領域の拡大に取り組んできた。その結果、保育・人材・介護の3つの柱が確立する形で第2の創業期が完結し、同社は新たな成長ステージに入っている。

2016年12月1日には、求職者、スタッフ、保育・介護施設の利用者、顧客企業、株主などのすべてのステークホルダーに愛される企業グループでありたいという気持ちを込めて、ジェイコムホールディングスからライクに商号変更。「LIKE(ライク)」を根幹に各事業会社のブランドを随時統一することで、グループシナジーの最大化(統一ブランドによるグループ力向上と広告宣伝効果の最大化を含む)を図るところに狙いがある。

(2)事業内容

同社は、保育・人材・介護サービスを営む事業会社を傘下に持つ持株会社である。事業セグメントは、「総合人材サービス」、「子育て支援サービス」、「介護関連サービス」、「その他」の4つに区分される。コア事業である「総合人材サービス」が売上高の47.3%、営業利益(調整前)の75.2%を占めている(2017年5月期第2四半期実績)。

各事業の内容は以下のとおりである。

a)総合人材サービス
モバイル業界やアパレル業界向け販売関連業務、保育・介護業界、コールセンター・物流等に人材を派遣する「人材派遣サービス」や、販売店舗や販促キャンペーン、コールセンター、物流センター等を受託運営する「アウトソーシングサービス」を主力とし、「人材紹介サービス」や「採用・教育支援サービス」も提供している。連結子会社には、ライクスタッフィング(旧ジェイコム)、エースタッフが存在する。

b)子育て支援サービス
企業・病院・大学等が設置する事業所内保育を受託運営する「受託保育事業」と、認可保育園・学童クラブ等の公的保育施設を運営する「公的保育事業」を展開している。事業所内保育施設は全国で182ヶ所、公的保育施設は125ヶ所となっている(2016年10月末)。女性活躍推進法の制定や待機児童問題の深刻化等により、同社グループで提供できるサービスにも拡大余地があることから、前期までの「保育関連サービス」から「子育て支援サービス」へ改称した。連結子会社には、2015年7月に連結化したサクセスホールディングス、サクセスアカデミーの2社が存在する。

c)介護関連サービス
神奈川・東京・埼玉で有料老人ホームの運営を行っている。施設数は21ヶ所(デイサービス2施設を含む)、居室数は1,123室となっている(2016年10月末)。24時間看護師が常駐し、医療機関と連携した看取り介護などに特長がある。2013年10月に連結化したサンライズ・ヴィラが展開している。

d)その他
アンテナショップとして、携帯電話販売店(2店舗)の運営などを行っている。

(3)特長(強み)

同社の強みは、コア事業である「総合人材サービス」における独自スキームやマッチング力のほか、保育・人材・介護の3つの柱の連携によるシナジー創出にあると考えられる。

a)「総合人材サービス」における独自スキームとマッチング力
求職者の経験やスキルを問わず戦力化する独自スキームに強みを有する。具体的には、現場経験豊富な研修担当が、座学での研修だけでなく、一緒に就業することで戦力化するとともに、就業後においても、現場視点でのフォローにより、定着率の向上を図るものである。対象業界の絞り込みや、自ら事業を手掛けることにより蓄積してきた業界知識や運営ノウハウが源泉となっており、強みを活用することで拡大する需要を取り込むとともに、その実績がさらに強みに結びつく好循環が成立していると言える。また、就業条件の多様化を顧客企業に提案する一方、求職者の希望や適正にきめ細かく対応することによるマッチング力も強みとなっている。

b) 3つの柱の連携によるシナジー創出や事業モデルの拡張性
「総合人材サービス」にとっては、成長分野である保育・介護事業を自ら展開することにより、モバイル業界向けと同様、業界知識や運営ノウハウが蓄積されることで、さらなる強みの形成につながる効果が期待できる。また、保育に関するコンテンツ(幼児の遊ばせ方の指導など)を提供するサイトには数多くの保育士が登録しており、その会員基盤を「総合人材サービス」で活かすこともできる。

一方、「子育て支援サービス」や「介護関連サービス」にとっては、人材の確保が成功のカギを握っており、採用や教育、就業後フォローにノウハウを有する「総合人材サービス」との連携により事業拡大や収益性の向上を図ることが可能となる。また、顧客基盤の共有(例えば、「総合人材サービス」の顧客企業から事業所内保育施設の運営を受託するなど)による事業機会の創出(クロスセル)も挙げられる。

さらに言えば、保育、人材(就職)、介護という人生における重要なステージを押さえることにより、求職者として、あるいは保育・介護施設の利用者として、各サービス間の移動を図ることにより、1人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)を高めることができる。また、中長期的な視点に立てば、3つの柱の間を補完する新たな分野への参入(事業モデルの拡張性)にも可能性があると考えられる(例えば、教育や結婚、引っ越し、葬儀など)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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