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2153 E・Jホールディングス

東証P
1,868円
前日比
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PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
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時価総額 300億円
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イージェイHD Research Memo(8):公共事業の旺盛な需要を背景に2024年5月期は増収増益となる見通し


■今後の見通し

1. 2024年5月期の業績見通し
E・Jホールディングス<2153>の2024年5月期の連結業績は売上高で前期比2.1%増の38,300百万円、営業利益で同3.1%増の4,600百万円、経常利益で同3.5%増の4,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.6%増の3,200百万円と増収増益となり、受注高については同0.1%増の38,300百万円と前期並みの水準を見込んでいる。

2024年5月期は、以下の5点を重点施策として取り組む方針である。
a) コア・コンピタンスを基盤に、AIやAR/VR、ドローンなどの最先端技術を取り入れながら事業戦略を強化するとともに、海外基盤の再構築も含めた事業領域の拡大を目指す。
b) DXによって経営管理、組織管理に必要な数値の可視化を進めることで、バリューチェーンの全社最適化と経営基盤機能の強化を図る。
c) 資本効率やPBR、ROEを意識した経営を実践し、企業価値の向上に努める。
d) 人権方針に基づき、定期的に人権デューデリジェンスを実施し、人権侵害に係る救済プロセスを適切に進める。
e) 気候変動対応や人的資本経営への対応など、4つの要素「ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標」に沿って、開示と課題解決を進める。

前提となる事業環境について、国内では2023年度の公共事業の当初予算が6.1兆円と前年度並みの水準となっており、これに防災・減災、国土強靭化のための5ヶ年加速化対策予算(2022年度補正予算1.6兆円、総額15兆円)が加わるため、中央省庁からの需要は引き続き堅調な推移を見込んでいる。これに加えて、地方自治体の予算についてもコロナ対策が一巡したことから、国土強靭化のためのプロジェクトが推進されるものと予想され、公共事業に関しては2023年度も活況が続く見通しとなっている。一方、海外についても2023年度のODA(政府開発援助)予算が前年度比微増の5,709億円となっており、堅調な推移が見込まれる。

こうした環境下において、2024年5月期は6つの重点分野を中心とした案件創出型営業を推進し、中央省庁への積極的な展開、インフラDXへの対応やGX(Green Transformation)を考慮した地方創生への対応、海外におけるODA案件以外の受注獲得に注力する方針だ。受注高については前期並みの水準を計画しているが、良好な環境を考慮すると上積みすることは可能と弊社では見ている。一方、売上高については受注残高(前期末26,171百万円)の早期完了と、DXや最先端技術を活用した生産性の向上に取り組むことで8期連続増収を目指す。これらの取り組みが順調に進捗すれば、前期と同様に計画を上回る可能性も十分ある。

売上原価率は前期比0.4ポイント低下の66.8%を計画している。前期は賃金改定に対応していない繰越業務案件が売上原価率の主たる上昇要因となったが、2024年5月期においてはこうした影響がなくなることで労務費率の低下が見込まれる。一方、販管費については同3.3%増を計画している。業務効率改善に向けたIT投資の継続や、人材強化に伴う人件費、研修費の増加、事業拡大に向けた研究開発費の増加(同4百万円増の100百万円)などを見込んでいる。営業利益は販管費の増加を売上総利益の増加で吸収し、増益となる見通しだ。

なお、人員の採用についてはグループ各社が個々に採用活動を進めてきたが、2024年春の新卒採用に向けて新たにグループ全体での採用活動も開始した(Webとリアルのハイブリッド形式での説明会を開催)。連結従業員数は2023年5月期末の1,721名から2024年5月期末は49名増の1,770名を計画している。このうち、技術職については同46名増の1,285名を予定している。

発注者機関別の受注計画を見ると、中央省庁が前期比13.6%増と3期ぶりの増加に転じるほか、海外が同20.1%増と2ケタ成長が続く見込み。一方、都道府県は同3.9%減、市町村は同8.5%減、民間は同6.0%減とそれぞれ前期の水準が高かった反動もあり減少に転じる見込みとなっている。また、技術提案型業務は同8.7%増の14,213百万円、構成比率で同2.9ポイント上昇の37.1%を計画している。

売上高については、中央省庁が同9.7%増、都道府県が同0.3%減、市町村が同2.0%減、民間が同4.7%減と数値の増減には幅があると見込んでいる。一方、海外においては特にコロナ禍からの回復途上にあるとの期待から、保守的に見積もっている国内売り上げの伸びをカバーできるのではないかと弊社では見ている。

なお、重点6分野の受注高は前期比4.2%増の23,107百万円となり、受注高全体に占める比率は前期の58.0%から60.3%に上昇する見通し。分野別ではインフラメンテナンスが同0.8%減、公共マネジメントが同1.9%減とそれぞれ若干減少するが、その他の4分野については増加する計画となっている。特に、都市・地域再生が同38.0%増、デジタル・インフラソリューションが同16.5%増と2ケタ成長となり全体をけん引する見通し。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

 提供:フィスコ

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