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1518 三井松島HD

東証P
3,440円
前日比
+265
+8.35%
PTS
3,419円
23:20 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
2.9 0.63 2.91 32.21
時価総額 449億円
比較される銘柄
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決算発表予定日

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三井松島HD Research Memo(3):生活関連事業とエネルギー事業を展開(1)


■事業内容

1. 生活関連事業
収益基盤の安定化・多様化を図るため、新規事業の育成・強化を積極的に推進している。三井松島ホールディングス<1518>は、2024年3月期第1四半期より、生活関連事業を生活消費財分野と産業用製品分野の2分野に集約している。生活消費財分野には日本ストロー(飲食用資材)、花菱(衣料品)、明光商会(事務機器用品)、ケイエムテイ(ペット)、システックキョーワ(住宅関連部材)、MOS(事務機器用品)が属している。産業用製品分野には、CST(電子部品)、三生電子(電子部品)、日本カタン(電力関連資材)が属している。

(1) 飲食用資材
2014年2月に株式取得した日本ストローが、大手乳業・飲料メーカー等向け伸縮ストローの製造販売をはじめ、プラスチック製品・包装資材等の飲食用資材の仕入販売を行っている。

日本ストローは1983年に伸縮ストローを開発以来、業界の先駆者として独自の技術・ノウハウを蓄積し、ストローの国内リーディングカンパニーとしての地位を確立している。国内伸縮ストローの市場シェアは約65%(同社調べ)と圧倒的である。大手乳業・飲料メーカーなど優良顧客からの高い信頼と評価による安定的な取引基盤を構築し、安定した業績をあげている。

同社は、2021年に海洋生分解性プラスチック伸縮ストローを商品化(世界初)した。2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行され、環境対応素材ストロー(バイオマスプラスチック、海洋生分解性プラスチックが主流)への移行が加速化しており、優良顧客基盤を有する日本ストローにとって、既存のプラスチックストローからの切り替えによる、さらなるシェアアップ、単価・収益性アップが期待できる。

実際、市場環境は明るいと弊社では見ている。消費者庁「令和元年度エシカル消費に関する消費者意識調査」によると、エシカル消費※に「非常に興味がある」または「ある程度興味がある」と回答した割合は、2016年の35.9%から2020年は59.1%に上昇している。また、エシカル商品・サービスの購入状況・購入意欲に関して「これまで購入したことがあり、今後も購入したい」または「これまでに購入したことはないが、今後は購入したい」と回答した割合についても、2016年の61.8%から2020年は81.2%に上昇している。このほか、関心を持っている課題・活動に関して「環境保全」が60.6%と最大であったことから、消費者が環境保全に対応した商品を求めていることがうかがえる。

※消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。


(2) 衣料品
2015年10月に株式取得した花菱が、紳士服・婦人服・ワイシャツの企画・販売を行っている。1935年に創業した花菱は、「オーダースーツ」の先駆者として3,000万着以上のスーツを仕立ててきた実績を誇る。2022年1月には固定費負担の重い自社工場をすべて閉鎖し、御幸毛織(株)にオーダースーツ生産を委託することとした。今後は、御幸毛織への生産委託を通じて高品質な国内縫製オーダースーツを引き続き提供するとともに、社会環境の変化に対応したカジュアルジャケット等の商品力を強化する。また、ダイレクトメールの強化、HPのリニューアルやSEO対策の強化など各種マーケティング施策を推進し、新規顧客の開拓に注力している。

(3) 電子部品
a) CST
2017年2月に株式取得したCSTでは、液晶パネル・有機EL・電子部品等の製造に用いられるマスクブランクス※の製造・販売を行う。1977年に国内初のマスクブランクス専業メーカーとして創業し、国内外有力メーカー等優良な顧客基盤を保持している。CSTの製品は顧客商品開発過程で消費されるため、最終商品の動向影響は比較的受けにくく、業績は安定して推移している。

※マスクブランクスとは、半導体等の回路パターンを描画するための素材で、版画の原版のような役割を担う。


5G、ビッグデータ、AI、IoT等のデジタル技術を支えるうえで半導体は重要な役割を担っていること、経済安全保障の観点等から自国での量産体制を整える政府方針があることなどから、市場環境は今後も順調に推移すると弊社では予想している。実際、半導体の世界市場規模は、2015年の335,168百万米ドルから2021年には555,893百万米ドルに成長(CAGRは8.8%)し、2023年には556,568百万米ドルに拡大すると予想されている※1。また日本製半導体装置の販売高についても、2020年の23,835億円から2023年には37,000億円に拡大すると予想されている※2。

※1 出所:(一社)電子情報技術産業協会。
※2 出所:(一社)日本半導体製造装置協会。


b) 三生電子
2020年4月に株式取得した三生電子では、水晶デバイス※用計測器・生産設備の製造販売、並びに関連するハードウエア・ソフトウエアの製造販売を行っている。1963年に創業した三生電子は、水晶デバイス製造工程のうち組立~検査までを幅広くカバーしたインラインシステムを構築できる国内唯一の装置メーカーである。顧客との強固な関係や価格競争力、高い技術力が強みである。2022年3月期より組立工程の前段階であるブランク工程も含めたインラインシステムを開発・販売開始しており、他社との一層の差別化を実現した。

※水晶の(逆)圧電効果(物質に電力をかけると高速かつ精確に振動する性質)を利用した電子部品。あらゆる電子機器に搭載され、特にスマートフォンなどの無線接続機器には必要不可欠となっている。自動車のエレクトロニクス化や通信インフラ5G対応など、成長分野での用途拡大が見込まれている。


半導体市場に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による在宅特需が一巡し、足元では在庫調整局面に入ったと見られるものの、EV(電気自動車)の普及が将来的に見込まれるなど、中長期的には半導体に対する需要は安定して推移するものと弊社は見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SI》

 提供:フィスコ

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