米国株式市場見通し:CPI想定線となれば、主要3指数の史上最高値更新は継続か
来週の米国株は、11月消費者物価指数(CPI)に関心が向かおう。今週末、ボウマンFRB理事が「注意深く、段階的な利下げを支持する」「インフレデータが金利決定判断を支援」と発言したこともあり、市場の関心は高い。来週11日に発表される結果次第で、12月FOMCの市場コンセンサスはほぼ固まると見られている。11月に発表された10月CPIは、前年同月比2.6%上昇(前月2.4%上昇)と加速。一方、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は、同3.3%上昇と前月比変わらずの足踏み状態とまちまちだった。
11月CPIの予想は、同2.7%上昇と前月比ではやや加速、コアは同3.3%上昇と前月比変わらずと見込まれている。ともに前年同月と同じ、もしくは市場予想通りだった場合は、12月FOMCでの0.25%利下げ実施の支援材料となろう。10年債利回りは6日の雇用統計発表後、10月21日以来の4.12%水準まで低下しており、ハイテク株上昇の原動力となった。VIX指数は7月以来の12ポイント台まで低下しており、市場の楽観ムードはより強まっている。11月CPIが市場の想定線で無風通過となれば、主要3指数の史上最高値更新の強い流れは続くと考える。
個別では、金利低下を原動力にアマゾンやアップル、メタが強いほか、マイクロソフト、アルファベットが盛り返している。エヌビディアは上値が重くなっているが、GAFAMが主要3指数を押し上げている構図だ。来週はミーム株のゲームストップの決算発表も控えており、大型株から中小型株など幅広い銘柄に物色が広がると想定する。引き続きトランプ次期大統領の発言など一挙手一投足に多少振らされる可能性はあるが、楽観的なムードは強く、トランプ次期政権の「良い処取り」の相場展開は続きそうだ。
経済指標は、9日に10月卸売在庫、11日に11月消費者物価指数、週次原油在庫、12日に週次新規失業保険申請件数、11月生産者物価指数、13日に11月輸入物価指数などが予定されている。
主要企業決算は、9日にオラクル、10日にゲームストップ、アドビ・バイオサービシズ、11日にメーシーズ、アドビ、12日にシエナ、ベル、ブロードコム、コストコ・ホールセールなどが予定されている。
《FA》
提供:フィスコ