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富田隆弥の【CHART CLUB】 「師走に上放れを試す」


師走に上放れを試す

◆12月3日深夜の韓国の非常戒厳宣布には驚かされたが、英国やフランス、ドイツなどでも政局は混迷している。トランプ次期政権が始動する来年は、改めて「地政学的リスク」が意識されそうだ。

◆ただ、これらの国々が政情不安に揺れる一方で、世界の株式市場は堅調だ。今週はNYダウが最高値を更新し初の4万5000ドル台に乗せ、ナスダックは2万ポイントに210ポイントほどに迫り、欧州では独DAX指数が初めて2万ポイントの大台を突破した。年末を迎える中で、運用マネー(リスクマネー)が活発に株式市場に流入していると思われる。

◆ならば、日本株もその流れに乗りたいところだ。12月5日時点で日経平均株価は4日続伸し、順調に師走相場をスタートさせた。日足チャートは、10月15日高値の4万0257円と10月24日安値の3万7712円に挟まれたレンジでの保ち合いが続くが、週足は52週移動平均線(5日時点3万7993円)に支えられて動き出す構えを見せている。

◆来週に冬のボーナス支給、18日にはキオクシアホールディングス <285A> [東証P] の上場を控える中で、証券業界は「4万円大台乗せ」に向けて強気ムードの醸成に努めることだろう。日経平均株価が保ち合いからの上放れを試すなら、世界同時株高の流れに乗り、意外高に発展する可能性もある。

◆日経平均株価とNYダウの価格を比較する「NN倍率」(日経平均株価÷NYダウ)という指標がある。5日時点で同倍率は0.88倍だが、今年は3月から7月中旬まで1.0倍以上で推移していた。そろそろ日経平均株価がNYダウを追いかけてもおかしくはない。

(12月5日 記、次回更新は12月14日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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