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9509 北海道電力

東証P
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23:46 11/22
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データセンター爆増で電力設備周辺株が化ける! 刮目の6銘柄精選 <株探トップ特集>


―生成AI市場の拡大と自動運転時代の到来で様変わり、電力周辺に強力なテーマ性―

 世界的に急成長トレンドにある 生成AI市場だが、米国のビッグテックが圧倒的な強さを示している。そして高性能AIの開発・実装で必須となっているのが大規模データセンター、いわゆるハイパースケール・データセンターで、その数で米国は全世界の約半分を占めているといわれる。今後は米国でハイパースケール増設の動きが一段と強まることが必至だ。このデータセンター増設の動きを収益恩恵として正面から享受しているのが米エヌビディア<NVDA>であり、データセンター内に設置されるAI用サーバー向けGPU(画像処理半導体)に爆発的な需要が発生したことで、業績を大変貌させたのは周知の通りである。

●自動運転時代にデータセンター建設は更に加速

 イーロン・マスク氏は今回の米大統領選でトランプ前大統領を積極的に応援し、勝利に大きく貢献する形となったが、その論功行賞というべきか、新設された政府効率化省のトップとして抜擢された。これは単なるコストカッターということではなく、AI分野における知見の高さを買われたものだ。マスク氏としても、AI技術の塊といってもよい自動運転分野で司令塔としてテスラ<TSLA>の地位を高める橋頭堡を築くことが可能となり、同ポストは願ったり叶ったりのはずである。

 そしてこれが、社会インフラとしての データセンター建設を強力に後押しすることにもなる。マスク氏の野望でもある自動運転時代の到来が生み出す膨大な情報量や電力需要を処理していく際に、データセンターの建設・増設は必須となるからだ。

●データセンター拡充は安全保障を担う大テーマ

 こうした時代の流れに従い日本でも大型データセンター建設の動きが今後中期的に加速していくことが予想される。直近都内で行われたソフトバンクグループ <9984> [東証P]の孫正義会長兼社長とエヌビディアのジェンスン・ファンCEOとの対談がマーケット関係者の間でも話題となったが、ファン氏がデータは安全保障であるという認識を示したのに対し、孫氏もAIデータセンターを国内に持つ必要性に言及している。

 熊本工場を立ち上げた台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>は第2工場建設に動き出し、更に熊本県による第3工場誘致の動きも進展している。また、生成AIが更なる進化を遂げる過程で最先端半導体に対するニーズが高まっており、この開発及び製造、そして量産に至るまでのプロセスは日本においても国家レベルの大テーマといってよい。日の丸半導体連合で最先端製品を製造することこそが日本にとっての悲願であり、北海道千歳工場を稼働させて最先端半導体「2ナノ製品」の量産を目指す半導体新会社ラピダスの存在が、近い将来に今とは比較にならない強烈なスポットライトを浴びる可能性は高い。そして、AIデータセンターの普及も同じ時間軸で本格化していくことが予想される。

●膨大な電力需要発生でその周辺株に脚光

 東京株式市場でもデータセンター関連株は生成AI関連の延長線でロングタームのテーマとして、投資マネーの食指を動かしている。特にデータセンター向けで膨大な電力需要が創出されることで、昨今はここに着目した買いのニーズが顕在化している。当初は単刀直入に電力株が買われ、TSMCやラピダス関連としての思惑も加わり九州電力 <9508> [東証P]や北海道電力 <9509> [東証P]が値を飛ばしたが、徐々にその周辺部材である光ファイバーや光関連デバイス、あるいは電力設備工事を行う会社や省電力化を実現するシステム会社などに物色の矛先が向かうようになった。

 直近は電線御三家に代表される大手電線メーカーが鮮烈な上げ足をみせマーケットの視線が集中した。決算発表期に突入するなかで、各社ともデータセンター向け光ファイバー及びその周辺商品の需要拡大が想定を上回り、好決算発表が相次いだことが株価を突き動かした。

●目を見張る電線株の急騰劇が意味するもの

 決算発表前からテーマ買い対象として株価を先駆させたのはフジクラ <5803> [東証P]である。同社の株価は1月下旬に1200円近辺に位置していたが、その後は急速に水準を切り上げ、今月8日には6332円の上場来高値をつけた。約5.3倍化し、時価総額ベースでは何と1兆5000億円あまりも上乗せされた勘定となる。最近まではフジクラの独り舞台だったが、ここにきて古河電気工業 <5801> [東証P]も急動意、今月上旬に連日マドを開けてストップ高に買われる人気となり、週末15日まで8日続伸、18年2月以来6年9カ月ぶりの高値圏に一気に舞い上がった。このほか、押しも押されもせぬグローバルカンパニーに位置付けられる住友電気工業 <5802> [東証P]も、今月初旬にマドを開けて上昇、それ以降もジリジリと下値を切り上げる強力な上げ足をみせている。

 今週14日で国内企業の決算発表がほぼ終了し、来週から決算プレーによる鉄火場的な動きは沈静化の方向となる。業績面で良好な銘柄を中心にテーマ物色の流れが復活する可能性が高まっている。 電線株の驚異的な物色人気が示唆するのは、データセンター周辺の電力に絡む企業の収益に強力なフォローウインドが吹いているということだ。データセンター特需は何も光ファイバーに限ったものではない。今回のトップ特集では、データセンターの電力設備に絡む企業で、株価の上値余地が広がっている銘柄群に照準を合わせた。

●データセンターの電力爆需で化ける6銘柄

◎santec Holdings <6777> [東証S]

 santecは光パワーモニター、光フィルター、光可変減衰器などの光関連部品と光測定器を収益の2本柱とし、光フィルターなどで高い技術力を有し、独自の製品ラインアップで抜群の競争力を発揮している。海外売上高比率が77%と高くグローバル企業として評価が高いが、世界的なデータセンターの建設ラッシュによって光ファイバー向け測定装置などの需要拡大が見込まれ、同社の中期的成長を後押しする。

 足もとの業績も絶好調だ。25年3月期上期(24年4~9月)は営業利益が前年同期比2.2倍の38億6500万円と変貌した。これは中国向け測定器の大型案件が寄与したもので、同利益の通期見通しについても従来予想の58億円から63億円(前期比13%増)に上方修正したが、なお保守的という見方もある。

 今期年間配当については期初計画の100円から140円(前期実績は90円)に大きく上乗せしており、株主還元にも余念がない。株価は11月12日の直近戻り高値6430円払拭から7000円台を視野に入れる展開へ。

◎コムシスホールディングス <1721> [東証P]

 コムシスHDはNTTグループを主要顧客とする電気・通信工事会社大手で、ネットワーク構築で優位性を発揮する。社会システム関連事業にも積極展開しており、そのなか大型データセンター向けの需要獲得が進み収益成長を後押ししている。データセンター建設に加えてデータセンター間相互接続の需要も伸びており、これを商機として捉えている。

 25年3月期上期(24年4~9月)営業利益は前年同期比16%増の164億4400万円と2ケタ成長を確保しており、通期予想の400億円(前期比2%増)は下期偏重型の収益モデルを考慮して上振れる公算も大きい。また、同社の注目ポイントとしては株主還元に積極的に取り組んでいることで、14年3月期以降、前期まで11期連続の増配を実施。今期についても前期比5円増配となる110円を計画している。

 株価は3000円台前半でのボックス圏推移が続いているが、ボックス上限の3300円ラインを突破すれば、3000円台後半までは滞留出来高も少なく上値追いに弾みがつきそうだ。

◎SWCC <5805> [東証P]

 SWCCは電線メーカーの古参として活躍の歴史も長く、電力インフラ向けケーブルを主力に、車載用や通信・産業用途向けケーブルなどを総合的に展開する。昨年持ち株会社から事業会社に移行したのを契機に昭和電線ホールディングスから現社名に変更した。データセンター向けで高水準の需要が発生している光ファイバーや光コネクター・デバイス関連製品を手掛け、中期的な需要獲得に期待。

 25年3月期は営業利益を従来予想の135億円から205億円(前期比60%増)に大幅上方修正し、過去最高を大きく更新する見通しにある。電力インフラ分野で使われる高電圧電力ケーブル用コネクターで、戦略商品に位置付ける「SICONEX」が収益に貢献している。

 株価はここ上昇基調を強め、今月12日には業績上方修正を受けてストップ高に買われる人気となったが、目先上昇一服場面は狙い目となる。株価の天井も高く、1989年に1万5500円(修正後株価)の上場来高値をつけた過去があり、当面は1万円大台復帰が意識されそうだ。

◎アドソル日進 <3837> [東証P]

 アドソル日進は独立系のシステム開発企業で、特に電力やガスなどエネルギー分野向けシステム開発で強みを発揮する。エネルギー分野をはじめ主要顧客のICT投資需要を取り込み、デジタルトランスフォーメーション(DX)案件が高水準で収益を押し上げている。エネルギー関連企業については、データセンターの電力需要増大化を背景としたデジタル化に向けた投資意欲が活発だ。今後もデータセンター増設に伴う電力使用量増加を背景に中期視野で同社の活躍機運が高まりそうだ。

 このほか、宇宙、安全保障システム、決済・カード分野など社会インフラの幅広い領域で引き合いが旺盛である。ICT分野の人材育成にも注力し、AIサービス進展に向けた戦略投資に取り組む。25年3月期営業利益は期初予想から2度にわたる上方修正で17億円(前期比18%増)と2ケタ成長を見込んでいる。

 株価はここ急動意しているが押し目に買い向かい、早晩7月17日の年初来高値2060円奪回を通過点に2000円台半ばを目指す動きが想定される。

◎システムサポート <4396> [東証P]

 システムサポはソフトの受託開発やERPパッケージなどクラウドサービスの導入支援ビジネスを展開する。データセンターの受託サービスでも実績が高い。データセンターでは2000年から現在に至るまで20年以上にわたって同サービスを提供してきた実績が強み。サブスクリプション形態(月額利用料)によるストック売上高が増勢基調にあり、今後も時流に乗って需要獲得が進みそうだ。

 業績はトップライン、利益ともに高成長路線をひた走っており、25年6月期の業績予想は売上高が前期比18%増の260億8700万円、営業利益が同27%増の21億1500万円と、いずれも2ケタ成長で連結決算に移行した16年6月期以降10期連続の過去最高更新を見込んでいる。

 株価は9月初旬に動意づき9月12日には2182円の戻り高値を形成したが、その後は調整を強いられた。しかし、時価近辺は売り物が枯れた状態で再浮上が近い。上値抵抗ラインの2200円どころをブレークしての新波動入りに向け期待は十分だ。

◎住友電設 <1949> [東証P]

 住友電設は関西を地盤にビルや工場などの内線工事を手掛ける電気設備工事会社で、空調工事も手掛けている。住友電気工業 <5802> [東証P]が発行株式数の半分を保有する親会社であり、同グループ内で強力な受注基盤を持っている。また、データセンター関連の大型案件で実力を発揮し収益は絶好調に推移している。

 25年3月期上期(24年4~9月)は営業利益段階で前年同期比98%増の61億6200万円と急拡大を果たした。通期の営業利益は従来予想の145億円から155億円(前期比24%増)に上方修正し、20年3月期に記録した135億8100万円のピーク利益を20億円近く上回る見込みだ。積極的に増配を続けていることも特筆され、25年3月期の年間配当は従来計画を上方修正し120円を計画するが、これは前期実績の106円から14円の大幅増配となり、しかも14期連続の増配となる。

 株価は今月12日に5130円の上場来高値をつけた後にひと押し入れているが、早晩切り返し中勢6000円台指向に。

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