クオールホールディングス---2Q売上高・営業利益・経常利益が2ケタ増、製薬事業が大幅に事業規模拡大
クオールホールディングス<3034>は1日、2025年3月期第2四半期(24年4月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比40.9%増の1,247.71億円、営業利益が同71.3%増の60.96億円、経常利益が同69.2%増の62.20億円、親会社株主に帰属する中間純利益が同35.8%減の12.11億円となった。
薬局事業の売上高は前年同期比3.8%増の840.80億円、営業利益は同10.2%減の42.32億円となった。当中間連結会計期間において、出店状況は、新規出店13店舗、子会社化による取得26店舗の計39店舗増加した一方、閉店5店舗、事業譲渡1店舗の計6店舗減少した結果、全体で店舗数は953店舗となった。なお、2024年5月に、山梨県で調剤薬局18店舗を運営するダイナの株式を取得し、2024年7月には、JR山手線沿線に店舗を展開し、365日開局等利便性の高い薬局を運営する、行徳ファーマシー及びボトムハートの株式を取得した。薬局運営においては、2024年7月に、中核子会社であるクオールにおいて、Amazonが提供する、薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送まで利用できるサービス「Amazonファーマシー」を導入した。業績については、前期に実施したM&Aや新規出店の寄与と在宅・施設調剤の推進等により、受付回数が増加した一方、仕入れや人件費等の運営コストが増加した。また、6月の調剤報酬改定に伴い、技術料単価が上昇しており、足元の売上高及び営業利益は増加した。
BPO事業の売上高は同1.2%増の67.55億円、営業利益は同15.9%増の9.28億円となった。CSO事業においては、MR派遣需要の拡大により、派遣数が増加する一方、採用に係る費用は増加した。また、医薬品や食品等の開発業務の受託事業においては、食品試験を中心とした受注の増加により拡大している。紹介派遣事業においては、薬剤師の紹介派遣に関して、営業フローの分業化等の各種取り組みにより、生産性が向上し成約件数が増加している。また、前期より新たに開始した医師・看護師事業についても、着実に進捗している。出版関連事業においては、既存の資材制作事業に加え、コンベンション事業やコンプライアンスサービス事業等が拡大している。2024年7月には、AED20周年記念シンポジウムを、2024年9月には、健康ハート・シンポジウムを運営した。
製薬事業の売上高は339.36億円(前年同期は8.97億円の売上高)、営業利益は27.42億円(同1.42億円の損失)となった。第一三共エスファのグループ化に伴い、更なる成長を目指している。2024年6月に発売した、ジェネリック医薬品「ゾニサミドOD錠(先発品名トレリーフ(R)OD錠)」においては、売上高が計画を上回っており、好調に推移している。また、2024年8月には、グループ化後初となる大型AG製品「リバーロキサバン錠(先発品名イグザレルト(R)錠)」及び「リバーロキサバンOD錠(先発品名 イグザレルト(R)OD錠)」の情報提供活動を開始するとともに、新たなAG製品として「ロキソプロフェンNaテープ(先発品名ロキソニン(R)テープ)」及び「ヒドロキシクロロキン硫酸塩錠(先発品名プラケニル(R)錠)」の2製品の製造販売承認を取得した。また、2022年12月に発売した、新型コロナウイルス抗原検査キット「テガルナ(R)スティックSARS-CoV-2Ag」においては、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえて、一般用医薬品として承認申請を行った。
2025年3月期通期については、同日、連結業績予想の修正を発表した。売上高が前期比50.0%増の2,700.00億円、営業利益が同80.2%増の150.00億円、経常利益が同64.2%増の152.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.4%増(前回予想比12.3%減)の50.00億円としている。
《AK》
提供:フィスコ